2011年05月27日
アドアーズの今期業績は急回復し、大幅増益を見込む
■前期に1年前倒しで特別損失を計上
アミューズメント施設運営のアドアーズ<4712>(JQS)の株価は、53円(27日13時現在)と低迷している。チャートを見ると最安値圏で推移。
株価が下げている要因は、前期に4,289百万円の特別損失を計上したことで、前11年3月期の最終利益が△4,197百万円と赤字転落したことによる。
27日に東京証券取引所のアナリスト協会で前期の決算説明会が行われた。
ポイントは、前期に1年前倒しで特別損失を計上したことから、今期に利益が急回復することである。
今12年3月期業績は、売上高24,000百万円(前期比7.5%減)、営業利益900百万円(同3.41倍)、経常利益700百万円(同9.34倍)、純利益450百万円と減収ながら大幅増益でV字回復を見込む。
大幅増益となる要因は、アミューズメント施設運営事業の原価、販管費が今期545百万円削減されることによる。その内訳は、内外装償却費140百万円、機器償却費320百万円、保証敷金償却費9百万円、のれん償却費76百万円それぞれ減少することによる。
また、今期新規出店は計画していないため出店費用は見込んでいない。閉店は10店舗前後を計画しているが、前期で特損は計上済みである。保有不動産も売却する可能性はあるが、売却損は既に前期の特損に計上済み。
■現在の株価は早晩見直されるものと思われる
一方、今期のアミューズメント施設の足元の売上高に関しては、4月の既存店売上高は前年同期比102%と震災の影響から回復している。5月の売上もゴールデンウィークは好調であった。
また、新事業としてゲオの店舗に1万台のガチャガチャを設置し、販売と運営を開始したことで、新たな売上が見込める。商品については、ネクスト・ジャパン・ホールディングスと共同で開発することから、他の同業者と比較すると利益率は高くなる。
有利子負債の過去3年間の推移を見ると、09年16,150百万円、10年14,202百万円、11年10,175百万円と減少している。返済が進んでいることから支払利息も減少している。今期も20億円程度の返済を計画している。
一方で、ネクスト・ジャパン・ホールディングスを割当先として、第三者割当増資を実施し、810百万円を取得している。そのため、財務体質は更に強化された。
前期は、大きな特損を計上したうえに、震災の影響もあり、業績は悪化した。しかし、今期は減収ながら大幅増益と急回復を果たす見込みであるため、現在の株価は早晩見直されるものと思われる。
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