2013年07月09日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

クリーク・アンド・リバー社:第1四半期連結業績は2ケタ増収大幅増益


■クリエイティブ分野、医療分野、法曹、会計の分野は共に伸びたことで、第1四半期の売上高としては過去最高を達成

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)は、4日に今期14年2月期第1四半期連結業績を発表し、同日に決算説明会を実施した。

 第1四半期の売上高は49億84百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益3億94百万円(同125.1%増)、経常利益3億95百万円(同124.7%増)、純利益2億9百万円(同172.9%増)と2ケタ増収大幅増益であった。

 クリエイティブ分野の増収効果による増益もあるが、一番の大幅増益要因としては、医療分野子会社の決算期を12月から10月末日に変更した影響で、営業利益が前年同期の△14百万円から1億96百万円となったことが挙げられる。

 セグメント別の売上高は、クリエイティブ分野(日本)30億3百万円(同10%増)、クリエイティブ分野(韓国)7億6百万円(同29.0%増)、医療分野7億12百万円(同63.0%増)、IT・法曹・会計他5億71百万円(同15.0%減)となっている。

 クリエイティブ分野(日本)では概ね全ての分野において既存事業が伸長した。クリエイティブ分野(韓国)については、派遣人数の増加により増収となった。医療分野は大幅増収となったが、決算期変更による影響を考慮すると16.0%の増収。IT・法曹・会計他は、IT分野で、大型開発案件が終了した影響で減収となった。

 セグメント別の営業利益は、クリエイティブ分野(日本)1億99百万円(同15.0%増)、クリエイティブ分野(韓国)3百万円(同68.0%減)、医療分野1億96百万円(前年同期△14百万円)、IT・法曹・会計他△8百万円(同4百万円)。

 クリエイティブ分野(日本)では、増収効果により増益となった。クリエイティブ分野(韓国)は、社会保険料負担増などにより、減益となっている。医療分野は先述しているように、決算期変更により大幅増益となっているが、決算期変更を考慮すると営業利益は90万円となる。IT・法曹・会計他は減収の影響で減益。

 以上の結果、IT分野のみ大型開発案件が終了したことで減収となっているが、クリエイティブ分野、医療分野、法曹、会計の分野は共に伸びたことで、第1四半期の売上高としては過去最高を達成した。

■6月27日に、同社制作の映画「少年H」が第35回モスクワ国際映画祭で特別作品賞を受賞

 第1四半期の取組を見ると、5月30日にエンターブレイン社が運営する「ファミ通.com」内にゲーム業界に特化した求人情報カテゴリ「ファミキャリ!」を公開し、ゲーム業界の優秀なクリエイターの囲い込みを行っている。

 SAP事業については、第1四半期で新規タイトルを2つスタート。3月「範馬刃牙ーバキー」、5月「RAVEアルティメッドバトル」の提供を開始し、順調に会員を獲得している。第1四半期での配信ゲーム数は旧作を含め8タイトルとなっている。

 6月27日に、同社制作の映画「少年H」が第35回モスクワ国際映画祭で特別作品賞を受賞した。第2四半期に制作費が売上として計上される予定。なお、8月10日より全国の310館の劇場で上演されることになっている。

■「ハローキティ」の14タイトル、14万部が中国の書店で販売を開始したところ、売れ行きは好調

 電子書籍関連事業では、順調に事業が進展していて、取次端末・プラットフォームは、AmazonのKindle、楽天のKoboだけでなく、ソニーのReader、凸版のBookLive、紀伊国屋等複数に拡大している。現在ボーンデジタル(初めからデジタルデータとして作成されたコンテンツ)の書籍はもとより、新刊書籍を取り扱うことに注力している。その結果、取次契約出版者数は、3月末の119社から6月末には160社まで伸びている。配信タイトル数は15,000タイトルから17,000タイトルへ、契約作家数も1人から20人へと増えている。

 出版エージェンシーについては、日本、韓国、中国、台湾間において出版物の版権を扱う出版エージェンシー事業を展開している。昨年約400タイトルを出版している中で、増版に対するロイヤリティが今期見込まれている。第1四半期では、成約のタイトル数は92タイトルとなった。中でも4月より同社が出版プロデュースを行った「ハローキティ」の14タイトル、14万部が中国の書店で販売を開始したところ、売れ行きは好調で、増版がかかるタイトルも出始めている。また、昨年中国で出版された東野圭吾氏の「真夏の方程式」に続き、「ガリレオ」シリーズの第7・8作目も中国での出版版権が成約し、今年中に刊行される予定。

■ファッション分野のアジアでのニーズは高いことから、8月中に日本、韓国、中国の3カ国で同時に立ち上げる計画

 また、「オンラインクリエイターズ」として、日本のクリエイターを支援する初のマルチチャンネルネットワーク(MCN)としてGoogle社より許可を得た。7月5日より本格的に「YouTubeマルチチャンネルネットワーク」を開始し、3年後には5,000名のチャンネル登録者を獲得し、10億円の事業規模を目指す。

 更に、建築・ファッション分野におけるエージェンシー事業関しては、事業を本格的に開始していて、建築分野での6月末時点でのエントリー数は76人(社)、オーダー件数は78件となっている。

 ファッション分野での6月末でのエントリー数は61人(社)、オーダー件数は33件。ファッション分野のアジアでのニーズは高いことから、8月中に日本、韓国、中国の3カ国で同時に立ち上げる計画。

 これらの事業を推進することで、今期14年2月期連結業績予想は、売上高200億円(前期比5.3%増)、営業利益12億円(同14.7%増)、経常利益12億円(同10.2%増)、純利益5億50百万円(同16.7%増)と2期連続の最高益更新を見込む。

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