■今第2四半期は2ケタ減収、営業・経常利益の大幅減益、事業環境は厳しい

第2四半期業績は、7日に発表しているように、売上高26億9000万円(前年同期比17.8%減)、営業利益1億5100万円(同52.0%減)、経常利益1億9500万円(同41.4%減)、純利益1億2100万円(同25.0%増)と2ケタ減収、営業・経常利益共に大幅減益となったが、最終利益は大幅増益であった。
最終利益が大幅増益となった要因は、前期あった投資有価証券評価損5200万円が消えた影響。
4月30日に上方修正を発表しているが、2ケタ減収、営業・経常利益の大幅減益であることから、事業環境はまだ厳しいようである。
同社の事業内容は、ソフトウェア・ソリューション、ネットワーク・ソリューション、運用サービス・ソリューション、プロダクト・ソリューションの4事業であるが、プロダクト・ソリューションを省く3事業で売上は全体の94%を占めている。顧客は一般企業であるが、日立グループ企業への売上高が62%と最も多く、次が上場関連企業32%の順となっている。
企業への密着型サービスが主であることから、8割のSEが顧客先に常駐している。そのため、信頼性は高まり、長期契約を実現している。また、顧客企業に密着していることから、新規案件の受注も多く、仕事内容を熟知していることから、不採算プロジェクトが発生することはほとんど無い。
企業のソフトウェアを開発するソフトウェア・ソリューション事業は、景気動向により左右される傾向があるが、運用サービス・ソリューション、ネットワーク・ソリューション事業は、景気動向には左右されにくいことから、安定的な収益を確保することができる。
■企業の情報化投資に対する慎重姿勢は変わらず、受注案件の減少や単価の引き下げ要求も
08年3月期までは、順調に業績は推移してきたが、リーマンショックの影響により、顧客である企業の情報投資抑制により、売上、利益共に減少している。
同社代表取締役社長山田亨氏は、「当社の属する情報関連業界では、企業の収益が回復基調にあるといっても、依然として顧客企業の情報化投資に対する慎重姿勢は変わらず、受注案件の減少や単価の引き下げ要求があり、厳しい状況でありました」と第2四半期の事業環境を説明した。
売上高が17.8%減であるのに営業利益は52.0%減と更に下げ幅が拡大していることから、単価の値下げ要求が厳しいことが窺える。
事業別の売上の増減を見ると、ソフトウェア開発11億1600万円(同25.0%減)、システム運用9億9900万円(同14.8%減)、ネットワーク・ソリューション4億1800万円(同14.1%減)、その他(プロダクト)1億5500万円(同24.0%増)と主要3事業は減収となっている。その他の事業が伸びたのは、通信関係のハード設計が好調であったことによる。
経費面を見ると、労務費は19億4400万円(同1.4%減)、外注費2億4700万円(同55.9%減)、販売管理費2億9500万円(同19.2%減)となっている。
労務費が減少したのは、残業が減った影響。外注費については、内製化できるものは内製化したことによる。販売管理費については、採用費、教育費、交際費などが減少したため。
財務面を見ると、流動負債8億7900万円(同4200万円減)、固定負債3億2800万円(同5000万円減)、純資産26億7800万円(同5100万円増)となっている。自己資本比率は68.9%と2.0ポイント改善している。財務内容は健全そのもの。
■当社は技術者が中核の企業、人材育成と人事体制を強化する
今期も厳しい状況ではあるが、今後の業績回復を見込み、山田亨社長は、中長期的な経営戦略を説明した。
まず、経営基盤の改革を挙げている。「当社は技術者が中核の企業です。そのため、人材育成と人事体制を強化するように、内部統制報告制度、コンプライアンス遵守のための体制を整備して、強化していきます。また、08年10月に組込み系を強化するために、組み込み系システム開発の専門部門を設立しています。08年9月の売上高4億400万円から10年9月には4億8000万円と順調に伸びています。
更に、新規事業を生み出すことで、新たな収益を確保していきます。これまで、プロダクト部門では、チケットfor Windows、サロンキーパーComaを開発していますが、それらに続く新たな自社製のソフトウェアの企画を進めます。また、現在クラウドに注目が集まっていますが、当社では、クラウド専門部門を設立し、5名をクラウド研究部門に配置し、クラウドコンピューティングの具体的な技術とサービス体系の確立を急いでいます。そのほかに、既にITリモートソリューション事業の一環としてユニットハウジングを今年1月から開始しています。他社とは違い、サーバー1台から預かっています。小額だけど売上は伸びています。
■11年4月より次代を担うリーダー・幹部社員・上級SEの育成を行なう人事部門を設置
人事戦略としては、1人のSEが更にスキルアップするための戦略的ローテーションを実施します。1年に1割近くの社員をローテーションに入れる計画です。それぞれが知識を増やすことで、ビジネスチャンスを拡大することが目的です。
一方で、次代を担う人材発掘、育成システムの構築を計画しています。具体的には11年4月より次代を担うリーダー・幹部社員・上級SEの育成を行なう人事部門の設置を考えています」と今後を見据えた計画を説明した。
今10年9月期業績予想は、売上高53億5700万円(前期比10.5%減)、営業利益2億5400万円(同26.7%減)、経常利益3億3200万円(同16.1%減)、純利益1億7900万円(同4.2%減)を見込んでいる。
4月30日時点での受注額はソフトウェア開発6億8500万円(計画達成度68.1%)、システム運用4億8600万円(同47.5%)、ネットワーク・ソリューション3億2500万円(同80.1%)、自社製品3600万円(同154.0%)、その他の製品5600万円(同32.2%)となっており、合計では15億9000万円(同60.3%)。前年同期の計画達成度が49.1%であったことから、今期は比較的順調といえる。