2011年12月14日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

インフォメーションクリエ:売上高はソフト開発、システム運用の受注拡大で増収


■11月30日、前11年9月期決算説明会を開催

ダルトン インフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)は11月30日、前11年9月期決算説明会を開催した。
 同社が属する情報サービス業界は、企業の情報投資に対する慎重姿勢は変わらず、受注案件の減少、受注単価の引下げの状況が続いている。
 その様な厳しい状況であるが、同社は、ソフトウェア開発とその後のシステム運用も行っているため、安定的に収益を確保している。主要顧客は日立グループ。
 前11年9月期業績は、売上高55億99百万円(10年9月期比3.2%増)、営業利益2億72百万円(同9.1%増)、経常利益2億94百万円(同5.9%減)、純利益1億40百万円(同14.8%減)と増収であったが、経常利益、純利益が減益となった。
 売上高は、リーマン・ショックの影響で、09年、10年と2期連続で減収となっていたが、前11年9月期はソフトウェア開発、システム運用の受注が拡大したことで増収となった。事業部門別の売上高は、ソフトウェア開発23億63百万円(同3.5%増)、システム運用22億21百万円(同14.0%増)、ネットワークソリューション6億45百万円(同26.7%減)、その他3億68百万円(同17.8%増)であった。

■ネットワークソリューションは、大幅な減収であったが、期首予想を上回る

 期首の計画では、売上高は57億3百万円を見込んでいたが、実績は1億4百万円下回った。経常利益は2億80百万円を見込んでいたが、実績は14百万円上回る結果となった。
 事業部門別では、ソフトウェア開発の期首の売上予想は24億83百万円であったが、実績は1億20百万円下回る結果となった。売上総利益も90百万円下回る3億93百万円で着地。
 システム運用の売上高は、期首計画を56百万円下回った。しかし、売上総利益は23百万円上回る3億68百万円となった。
 ネットワークソリューションは、大幅な減収であったが、期首予想の売上高は6億円を見込んでいたことから、実際の売上高は予想を45百万円上回ったことになる。売上総利益も期首は1億32百万円を見込んでいたので実績は5百万円上回ったことになる。
 その他は、期首3億41百万円の売上を見込んでいたが、実積は、予想を27百万円上回った。売上総利益は期首△15百万円を見込んでいたが、予想を23百万円上回る8百万円の黒字であった。
 経費を比較すると労務費39億25百万円(同0.0%増)、外注費6億円(同17.0%増)、販管費6億36百万円(同4.6%増)であった。
 四半期毎の売上高推移は、第1四半期13億13百万円(前年同期比7.7%増)、第2四半期14億62百万円(同0.6%減)、第3四半期13億37百万円(同5.9%増)、第4四半期14億87百万円(同0.8%増)と第2四半期以外は増収となっている。

■クラウド関連売上高は順調に伸びる、今期は2億74百万円の売上高を見込む

 前期の決算概要についての説明の後、新中期経営計画における今後の戦略について説明が行われた。
 今12年9月期は3ヵ年の新中期経営計画の2年目である。中期経営計画のコンセプトである「仕事の取れる事業推進」のもと、クラウドをはじめとした新事業への挑戦を加速させ、既存事業についても成長分野へ集中を進めていく。
 中期経営計画のテーマとして、3つの取組を掲げている。一つは、新事業領域への挑戦と革新、2つ目は、既存事業成長へのパラダイムシフト、3つ目は事業を支える経営基盤のイノベーションである。
 新規事業領域への挑戦と革新を推進するために、昨年10月にはクラウドソリューション部を新設している。また、今年10月には新規事業企画プロジェクトを発足し、新たな事業開発の取組を始めている。その様な状況の中で、クラウド関連売上高は、10年9月期1億63百万円、11年9月期2億21百万円と順調に伸びている。そして、今期は2億74百万円の売上高を見込んでいる。
 クラウドに関しては、データセンターサービス、ユニットハウジングサービス、リモート監視運用、仮想化サービス、Google Apps導入支援、自社開発の理容店向けASPサービス「Coma」、同じく自社開発のSaaS型「チケットfor Windows」クラウド版、携帯端末向けアプリ開発、プライベートクラウド構築等のサービスを提供することで、売上の拡大を図る。
 中でも、「チケットfor Windows」クラウド版は、インターネットに繋がる環境であれば、ソフトウェアをインストールことなく、月額使用料のみで、チケットのデザインから販売・管理まで出来る同社独自の画期的なサービスを提供している。

■上半期(10月〜3月)の受注率、受注額は前期を上回る

 既存事業成長へのパラダイムシフトを推進するため、既存事業の対応分野を、より成長性の見込まれる分野へ置き換えていくことで、成長力を回復させている。例えば、前期は組み込みソフトウェア分野において、車載用市場に注力したことで、大きく売上を伸ばすことが出来た。今期も3億91百万円と更に売上の拡大を目指している。
 事業を支える経営基盤のイノベーションに関しては、10年10月に設立した人材開発グループで、全社横断的な人材開発委員会を11年5月に発足し、資格認定・教育制度を一から見直し、「顧客の信頼を勝ち取るための人間力向上」を目指すことで、段階的に、事業創造に挑戦し、積極的にチームを率先する「パイオニア型社員」を育てることで、経営基盤のイノベーションを推進する計画。
 今12年9月期業績の見通しに関し、上半期(10月〜3月)の受注達成状況を前年同期と比較するとソフトウェア開発の受注率は前期の60.8%に対し、今期は75.9%と順調である。システム運用(ネットワークソリューションを除く)の受注率は、前期の54.1%に対し、今期は62.2%と上回っている。ネットワークソリューションの受注率は、前期98.1%に対して、今期は83.8%と下回っている。自社製品の受注率は、前期は120.8%に対して今期は133.6%と計画を上回っている。その他の製品の受注率は、前期46.9%、今期59.2%となっている。全体の受注率は、前期62.1%に対して、今期は70.1%と順調である。受注額は、前期17億16百万円に対して今期は19億86百万円となり、受注額の面でも上回っている。
 今通期業績予想は、売上高58億26百万円(前期比4.1%増)、経常利益2億99百万円(同1.7%増)、純利益1億54百万円(同10.0%増)と増収増益を見込む。
 市場状況は相変わらず厳しい状況であるが、中期経営戦略を着実に実行に移し、成果を出している上に、今期の受注状況も良好であることから、08年以来の増収増益が期待できる。

>>インフォメーションクリエーティブのMedia−IR企業情報