同社はモバイルに特化した、コンテンツ、ソリューション事業を展開している。コンテンツは音楽、ゲーム、画像・ツール等の分野に、ソリューションではソリューション、ソリューションコンテンツ、物販、広告の分野に分けられている。
売上を見るとコンテンツ3億5400万円(同29.7%減)、ソリューション3億2100万円(同11.9%増)とコンテンツは苦戦しているが、ソリューションは好調に推移している。しかし、コンテンツの売上の落ち込みをカバーするまでには至らなかったことで、2ケタの減収になった。一方利益面では、制作コストの減少により原価率が1.6%改善したうえに、広告宣伝費の削減、昨年あった上場費用、サポートセンターの移転費用が消えたことにより販売管理費は2億9900万円と前年同期より5700万円減少し大幅最終増益となった。
モバイルコンテンツ事業の売上が減少していることが悩みの種であるが、モバイルコンテンツ市場は04年2603億円、05年3150億円、06年3661億円、07年4233億円と順調に拡大している。
コンテンツは自社制作のオリジナルコンテンツを提供している。また、着うたフルサイトのブランド力を強化するために、分社化し「アットザラウンジ」という専門の企業を今年7月に設立し、顧客満足度の高い商品の開発に取り組んでいる。ゲーム分野ではサイト品質の改善、画像・ツール分野ではデコメに新機能を導入している。また、車関連の総合サイト「楽楽車」も今年7月に開設するなど事業巻き返しに積極的に取り組んでいる。
ソリューション事業では、企業における携帯電話を活用したビジネス展開が徐々に拡大している。社員数5000名以上の企業の37.4%がモバイルサイト・PCサイトをビジネスで活用している。1000名から5000名未満の企業では全体の38.1%が活用している。市場が拡大していることから同社の売上も拡大している。今後は、モバイルを活用していない残りの6割の企業をターゲットに営業を行っていく方針。
10月1日の決算説明会で代表取締役社長植田勝典氏は『サイトバリューが低い時いくら広告宣伝費を使っても売上は伸びない。しかし、サイトバリューを高めると売上は自然と伸びる。その時広告費を積極的に使い、更に売上を伸ばします。現在、サイトの質がよくなっているので、第2四半期は積極的に広告費を使います。』と語った。
09年5月期連結業績予想は、売上高30億円(前期比4.0%減)、経常利益3億1000万円(同46.4%減)、純利益1億7500万円(同35.8%減)と減収大幅減益を見込んでいるが、第1四半期の純利益は、既に中間期業績予想の純利益を10%超えている。しかも、今第1四半期のROAは4.43%と前年同期より0.67ポイント改善している。また自己資本比率も88.8%と前期末より2ポイント改善し、財務内容は超健全といえることから、先述しているように売上拡大のために第2四半期から広告宣伝費を積極的に使える状況である。したがって、当初業績予想を上回る可能性が高いといえる。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.10 |特集