2009年10月15日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

日本エンタープライズ:第1四半期より回復の兆し表れる


経常利益、経常利益率共に急回復

日本エンタープライズホームページ 携帯用コンテンツの開発・配信、企業向けソフトの開発を手掛ける日本エンタープライズ<4829>(東2)は、今10年5月期第1四半期の決算短信を発表している。
 連結売上高5億7100万円(前年同期比15.5%減)、営業利益6100万円(同51.9%減)、経常利益6700万円(同50.0%減)、純利益2900万円(同61.7%減)と減収大幅減益で一見して業績が悪化しているように思われる。
 しかし、08年からの4半期毎の売上高、経常利益を比較すると現況は全く異なり、回復の兆しが表れているのが実情。
 同社のセグメント別売上高は、コンテンツサービス、ソリューションに分けられる。
 コンテンツサービスの4半期別の売上高は08年1Qに5億400万円あったがその後減少を続け、09年4Qには2億9400万円まで落ち込んだ。ところが、今期の1Qに3億円とわずかではあるが、増収となっている。同社代表取締役社長植田勝典氏の言葉を借りると「下げ止まったというより、下げ止めたというのが実情。何にもしなかったら下げ続ける。会員の入会も多いが、退会も多いので、この退会を止めるのが課題である。また、今期中に女性向けの新サイトを立ち上げると共に、アイフォン向けのコンテンツを投入し、コンテンツの売上をここから回復したい」とこれからの施策を語った。実際、ほぼ毎日といえるように、1週間に5種類の新コンテンツを発表する程、コンテンツの開発に注力している。
 もう一方のソリューション事業は、08年2Qの売上高3億8000万円をピークとして下降トレンドにあり、09年4Qの2億6000万円まで減少した。しかし、今期の1Qは2億7100万円と回復している。
 また、4半期毎の経常利益、経常利益率を見ると、08年2Qの2億円、23.7%をピークに、09年4Qの1000万円、1.8%まで下げた。ところが、今期の1Qは、6700万円、11.8%と急回復している。
 07年当時は、モバイルのコンテンツ開発・ソリューション事業を行っている競合企業は多かったが、現在では、徐々に減少してきており、営業先ではあまり競合他社の名前は聞かない状況である。従って、企業からの開発案件も増えてきている状況である。
 海外事業については、中でも特に中国での売上拡大が期待されているが、現在中国でモバイルは7億台を突破しているが、そのほとんどが2Gである。同社がターゲットとする3Gは、チャイナモバイル、チャイナテレコム、チャイナユニコム合わせて100万台に届くか届かないというところ。従って、まだ売上を伸ばすまで入っていない。しかし、電子書籍(マンガ)、着せ替えのコンテンツの関心は高い。特に、電子書籍の関心は高いことから開発していて、採用というのもあるが、まだ発表できない状況。しかし、来年1月以降3Gの普及が急拡大するという話も出てきているので、要注目というところ。
 インドに関しては、10月に子会社を設立する計画。現在モバイルの台数は4億5000万台。現在現地のキャリアとコンテンツ配信の話を進めているところ。
 今期通期の連結業績予想は、売上高25億7800万円(同4.1%増)、営業利益3億2700万円(同11.8%増)、経常利益3億5000万円(同10.1%増)、純利益2億円(同13.9%増)と増収増益を見込む。
 しかし、今期の計画には、海外・新規コンテンツ・アイフォンのコンテンツ・女性用サイトの売上は見込んでいない。極めて固めの数値といえる。