■新製品開発に注力

代表取締役社長小根田育冶氏は、09年3月期業績の概略を説明した後、10年3月期の計画、達成策とトピックスについて語った。
09年3月期よりセハージャパンを子会社としたため、初めての連結決算となる(08年3月期はB/Sのみ連結決算)。09年の業績は、売上高52億5500万円、営業利益2億7300万円、経常利益2億8200万円、純利益1億6900万円であった。
同社の特長は、米飯加工機械業界で断トツの開発力にある。前期は究極の寿司ロボットと呼ばれる超小型シャリ玉ロボットSSN−FLAを開発した。シャリを傷めない独自の計量方法で、これまでにないふんわり感を持っているのが特長、しかも1時間に3600個のシャリ玉を作れる画期的な製品。また、機械もコンパクトに作っていて、使用後の洗浄の際もパーツを少なくし、しかも部分ごとに色分けしているため簡単に分解できる等、使う側に立って開発した製品である。
また、同じ量のご飯を、瞬時に計量して盛り付けるシャリ弁ロボGST−FBAも開発している。従来の製品と違っている点は、容器を載せる下に計量装置があるのではなく、容器の上に計量装置があるため、タッチッパネルでご飯の量を設定すれば、瞬時に同じ量のご飯を連続で盛り付け出来る。盛り付けの量は50g〜500gまで、7種類の設定が可能で、弁当箱、カレー皿、どんぶりと容器の種類は問わない。盛り付けは1時間で720食が可能となっている。「市場規模は寿司ロボットの数倍と推定しています。4月から販売を開始し、販売台数は好調に伸びています。和食、洋食を問わず、仕出し屋、弁当屋、病院や学校等の給食、社員食堂、ファーストフード店などをターゲットに売上を伸ばします。」と小根田社長は語った。
前期に、この2種類の新商品を開発したことで、設備投資・研究開発費は3億900万円であったが、今期は1億3800万円と半減する一方で、画期的な商品を揃えたことで、更に営業力がアップしている。
財務的な特長は、自己資本比率の高さにある。前期末の自己資本比率は86.9%と更にアップし、3.1ポイント改善している。キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー2億9400万円、投資キャッシュ・フロー△3億4400万円、財務キャッシュ・フロー△8100万円となり、現金及び現金同等物は21億100万円と潤沢な手元資金を持っているため、100年に1度の大不況といっても資金面での不安要因がないのも特長といえる。
今10年3月期連結業績予想は、売上高54億8000万円(前期比4.3%増)、営業利益3億6500万円(同33.6%増)、経常利益3億6500万円(同29.1%増)、純利益2億900万円(同23.6%増)と増収大幅増益を見込む。配当は期末15円(配当性向35.6%)を予想している。
セグメント別の売上予想は、製品41億1000万円(同3.5%増)、商品12億7000万円(同7.6%増)、その他1億円(同2.9%減)。国内、海外に分けると、国内47億7000万円(同3.4%増)、海外7億1000万円(同10.2%増)を見込んでいる。海外の売上については、アジア、北米、ヨーロッパ、オセアニア共に前期を上回ると見ている。特に、ヨーロッパでの需要が伸びている。
子会社でアルコール系除菌剤を販売しているセハージャパンは、「衛生管理判定システム」の販売を進めている。何よりも食の安心・安全が求められている時代である。料理を提供する店舗にとってはなくてはならないものである。一旦ノロウィルス等の事件が発生すると、中小の外食産業であれば、致命傷となることから、セハ―が提案する「衛生管理判定システム」は業界で注目を浴びている。
まず、衛生管理判定システムの具体的な内容は、セハ―SSキットという5本のカプセルに入った判定液を使用して、実施方法に従い各店舗の衛生検査を行い、その検査結果を、セハ―と契約している検査機関に送り、検査の結果を判定してもらうというもの。検査機関は報告書を作成し、各店舗の責任者は報告書の内容に従い、衛生管理を実施する。単なるキットの売切りではなく、キット・検査・コンサルを含んだシステムを販売しているところが今までと違っている点。衛生管理は、継続性が求められることから、ストック型のビジネスといえる。まずは、鈴茂器工の顧客約2万社に向けての販売を開始し、徐々にサービスの領域を広げていく方針。
一方、利益率に関しては、前期にセハージャパンを子会社化したため、利益率が下がったが、今期は利益率の高い製品を販売し、販売管理費の削減に努めることで、営業利益率6.6%と1.5ポイントの改善を目指す。特に設備投資が前期の2億2300万円から今期は3700万円と大幅に減少することも、利益率改善の要因といえる。
今期は、究極の寿司ロボット、シャリ弁ロボGST−FBA,セハ―の衛生管理判定システムと材料が揃っていることから営業次第では、大幅増収も期待できる。
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