2009年12月08日
鈴茂器工:通期業績予想は、第2四半期とは一転様変わりの増収増益を見込む
■第2四半期業績は、リーマンショックの影響で、減収減益
米飯加工機でトップの鈴茂器工<6405>(JQ)は、12月1日に兜町平和ビルで、今10年3月期第2四半期連結決算の説明会を開催した。
今期の第2四半期連結業績は既に発表済みで、売上高25億2600万円(前年同期比7.7%減)、営業利益7600万円(同53.7%減)、経常利益8300万円(同51.7%減)、純利益4500万円(同55.0%減)とリーマンショックの影響で、同社の取引先も設備投資の抑制するところが出てきた影響で、減収減益となった。
セグメント別売上高は、寿司ロボットなど同社の開発した製品の売上高は18億4100万円(同10.8%減)、仕入れて販売する商品の売上高は6億2400万円(同1.1%増)、その他6000万円(同13.2%増)と、主力である製品の売上だけが減収で、商品、その他の売上高は増収となっている。
地域別売上高は、国内21億6100万円(同14.4%減)、海外3億6500万円(同10.5%減)と内外ともに2ケタの減収。
100年に1度の不景気であるため、原価の低減、販管費の削減に努めたが、原価率は55.9%と0.5ポイント改善したものの、社員数が3名増えたが、販管費はほぼ横ばいとなっている。
しかし、キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー3億1200万円、投資キャッシュ・フロー△3300万円、財務キャッシュ・フロー△8400万円となり、現金及び現金同等物は22億9600万円と前期末比1億9500万円増となっていることから窺えるように、手元資金は潤沢である。
■セハージャパンの伸びを繋げて通期予想の数字を達成
下期には5800万円の研究開発費を使用する予定であり、上期と併せ1億100万円を見込んでいる。大不況でも前期の8600万円を上回る研究開発費を使い、業界のリーディングカンパニーとして、最先端の製品開発に注力している。
一方、設備投資は、前期新型機の樹脂金型に2億2300万円使ったが、今期は金型を作る必要がないことから、上下併せて3700万円の予定。
今通期連結業績予想は、売上高54億8000万円(前期比4.3%増)、営業利益3億6500万円(同33.6%増)、経常利益3億6500万円(同29.1%増)、純利益2億900万円(同23.65増)と第2四半期業績とは一転様変わりの増収大幅増益を見込む。
代表取締役社長小根田育冶氏は、「中間が厳しい数字であるのに、通期でこの数字が達成できるのか?と思っていらっしゃる方がほとんどだと思いますが、子会社のセハージャパンのアルコール製剤の売上が伸びています。下期は昨年の3倍の売上を見込んでいますので、セハーの伸びを繋げて通期予想の数字を達成したい」と語った。
新型インフルエンザの影響で、アルコール製剤の売上が7月以降から急に伸びている。今年に入って一般で使用したアルコール製剤は昨年の7倍という。まるで見通していたかのように、アルコール製剤を手掛けるセハージャパンを前期に子会社化したのも小根田社長の先見の明か、それとも引きの強さといえる。
下期には、新製品である包装寿司、大型のおにぎり機等の売上も見込まれている。