
しかし、昨年から1円パチンコの導入を始めるなど、本来のレジャーとしての面を復活させたことで、新しい客を呼び込み、減少を続けていた来店者数が下げ止まってきている。
そのような状況のなか、玉積みを必要としないパーソナルPCシステムを開発したことで、業界の注目を浴びているマースエンジニアリング<6419>(東1)は、1日で設置できるパーソナル2(パーソナルPCシステムの簡易版)を開発したことで、売上を伸ばしている。
パチンコ業界の1位、2位が今中間期で過去最高益を更新している。要因は、売上にこだわらず、利益重視策をとり、経費の掛からない店舗運営を実施したことによる。それを可能としたのが、パーソナルPCシステムである。
ギャンブル性の高い機種の使用が不可となったことで、1円パチンコを導入しレジャーの面を回復させたため、長時間遊べるようになり、パチンコ台の稼働率が大幅にアップした。しかし、4円パチンコに比較して売上は伸びないので、人件費を増やすことはできない。そこで玉積みを必要としないパーソナルPCシステムを採用すると、人件費を70%削減できることから、採用に踏み切る店舗が増えてきている。これまで不採算店舗であった店舗が黒字化するなど結果も伴ってきている。
同社では期初のパーソナル販売目標を126件としていたが、中間期末までに95件販売し、前期末の85件とあわせると180件となっている。第3四半期はまだ終了していないが、最新の販売件数は累計で200件と期初の計画を越えるペースで推移している。
11月5日に発表された第2四半期の進捗率は、売上高51.3%、経常利益64.5%、純利益59.8%と利益面での上振れは期待できる。しかも、全国のパチンコ店舗は約1万2000店舗で、そのうちパーソナルが導入できるプリペイドカードを使用している店舗は1万店舗あり、パーソナルPCの導入が本格化すると、同社の売上は一気に急拡大すると予想される。しかも競合相手は皆無に近いことから、同社の一人勝ちといえる。