2010年01月29日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

中北製作所:バタフライ弁、遠隔装置、調節弁を一括製造する世界唯一のメーカー


■海運造船市況の低迷による新規造船商談ストップの影響は大きい

中北製作所ホームページ バルブをコアとした流体制御の中北製作所<6496>(大2)は、1月27日に野村證券本社6階で今10年5月期第2四半期決算説明会を開催した。
 第2四半期業績は、1月12日に発表されているように、売上高122億1500万円(前年同期比13.2%減)、営業利益12億円(同14.0%減)、経常利益12億3800万円(同11.3%減)、純利益7億100万円(同41.3%増)と2ケタ減収、営業・経常利益とも2ケタ減益であるが、前期にあった投資有価証券評価損5億3300万円が今期は大幅に縮小したことから、最終利益は大幅増益となっている。
 主要な販売先である造船業界だけでなく、陸上部門でも実績のあるガスタービン用バルブや今後期待できる原子力発電プラント関連の受注について積極的な受注活動を展開する一方で、社内生産部門では、原子力発電所向けバルブの専用組立工場を整備した。しかし、最近の海運造船市況の低迷による新規造船商談ストップの影響は大きく、十分な受注を確保するには至らなかった。
 売上高では、受注品のキャンセルや納期の先延ばしの影響もあり、減収となり、予想を下回わった。自動調節弁は42億6300万円、バタフライ弁は40億5500万円、遠隔操作装置38億9600万円となり、すべて前年同期を下回る結果となった。
 同社はバルブ業界のトップメーカーで、「中北のバルブを使っている船であれば、販売するときに有利だ」と言われる程、船舶業界では信頼が高い。また、同社は、バタフライ弁、遠隔装置、機関室用調節弁を一括製造している世界でも唯一のメーカーでもある。同業他社は一括受注が出来ないうえに、アフターサービスも十分でない。その点、同社では、質・量共に客先の注文に応える生産体制を整えているうえに、船主の細かい注文にも対応するなど他社との差別化を図っている。

■今後成長が期待できる環境にやさしいエネルギー分野に注力

 しかし業界の環境は、造船メーカーの手持ち工事量の減少に加え、大幅な納期延長もあり、上期の受注高は96億円と減少している。下期もこの傾向は続くと見られ、通期で190億円を見込んでいる。
 今期の経営課題と戦略の一つに、船以外の受注を拡大するために、原子力弁に注目し、原子力弁工場の整備を取り上げていたが、第2四半期で既に原子力弁工場の整備は完了し、品質管理体制強化を主眼とした生産体制を整えている。
 今後は原子力発電分野での納入範囲の拡大を目指す。また、ガスタービン発電向けの生産体制も既に準備済みで、将来的にはアクチュエーターと、その周辺機器であるパワーユニット、アキュミュレータユニットも合わせた、バルブとの一体販売も図る方針。
 同社としては、造船業界の環境が激変し、先行き不透明なので、新NAPS(ナカキタプロダクションコントロールシステム)の高度利用により、コスト・品質・納期・で競争力を強化し、業績の維持向上を図るとともに、今後成長が期待できる環境にやさしいエネルギー分野に注力していく。
 今5月期通期業績予想は、売上高230億円(前期比19.0%減)、営業利益21億円(同30.0%減)、経常利益22億円(同26.8%減)、純利益12億7000万円(同16.1%減)を見込む。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.01 |特集