2011年06月21日
ヤーマンの前11年4月期連結業績は4期連続の増収増益で過去最高を達成
■脱毛器no!no!HAIRと化粧品オンリーミネラルが好調
ヤーマン<6630>(東2)は、6月17日に丸の内の三菱ビルで前11年4月期決算説明会を開催した。
説明会は、前期決算の概要と今期業績予想、"チャレンジ300"中期経営計画と2部構成で行なわれた。
前11年4月期連結業績は、売上高19,668百万円(10年3月期比2.9%増)、営業利益1,724百万円(同3.2%増)、経常利益1,699百万円(同11.1%増)、純利益941百万円(同10.4%増)と増収増益。
売上高については、脱毛器no!no!HAIRと化粧品オンリーミネラルが好調で推移した。販路については店販卸・通販卸が牽引した。その結果、4期連続の増収増益で過去最高を達成した。
販管費については、販売増に伴う物流関係費等が477百万円増加した一方、効率的なインフォマーシャル(インフォメーション&コマーシャル)投資による広告宣伝費の圧縮で852百万円減少した。その結果、販管費は10,191百万円(同1.6%減)と減少した。
カテゴリー別では、家庭内エステ機器を中心とする主力部門の脱毛器no!no!HAIRが大きく牽引したことで、美容家電の売上高は11,464百万円となった。
通販卸中心に健康器具や生活家電等取扱うウェルネス家電・フィットネス器具の売上高は、レッグクイーンやイオニックポロターボ(空気清浄機)の売上が安定したことで、1,682百万円。
化粧品・バラエティ雑貨の売上高は、オンリーミネラルがリピート中心に堅調に推移したことから4,739百万円であった。
アパレル関係その他の売上高は1,783百万円。前期よりカテゴリー区分を見直したことから、10年4月期との増減は出していない。
■今12年4月期連結業績予想は2ケタ増収増益で、6円の増配を見込む
販路別売上高は、通信販売卸6,589百万円(同24.9%増)、店舗販売卸7,050百万円(同41.8%増)、直接販売5,785百万円(同31.3%減)、海外その他244百万円(同46.1%減)。
今12年4月期連結業績予想は、売上高22,020百万円(前期比11.9%増)、営業利益2,017百万円(同16.9%増)、経常利益1,939百万円(同14.1%増)、純利益1,113百万円(同18.2%増)、一株当たり配当金36円(同6円増)を見込んでいる。
今期業績を達成するため直販、通販、店販の販路別施策については、直販では、強みである顧客情報を活かし、リピート施策をより強化する。テレビ・雑誌・ネットを連動展開し、商品認知度・ブランド認知度を高めていく方針。
通販では、新商品を積極展開できるチャネルを活かし、継続的に新商品を展開する。直販と同じくテレビ・カタログ・インターネットを連動展開し、商品認知度・ブランド認知度を高めていくとしている。
店販については、脱毛市場全体を牽引しているno!no!シリーズで、リニューアル版を上市、更に売上増を目指す。化粧品は好評な百貨店での展開を更に増やしていく。
■美容・健康に特化した商品を開発する技術力を持ったメーカー
説明会の後半は、代表取締役社長山崎喜三代氏による「チャレンジ300"中期経営計画」についての説明が行われた。
同社は美容・健康に特化した商品を開発する技術力を持ったメーカーであり、しかも直販、店販卸、通販卸の3つの強力な販売体制を持っていることが特徴である。
表情筋を鍛えるプラチナゲルマローラ、脱毛器no!no!HAIR、粉状のミネラルファンデーションといったユニークな商品を開発し、独自の販路に載せてヒットを飛ばしている。
同社の経営理念は、顧客の美と健康に対する向上心をサポートするために、先端技術に裏付けられた"志"のある商品を提供することとしている。
蓄積された特許技術を活かし、顧客のニーズを反映した製品を開発し、直販、通販、店販の全販路を網羅した販売体制を構築し、販売している。販売する際は、どのような人がどのような目的で使うのかを説明したうえで販売するレスポンス営業をおこなっている。また、販売した後でも顧客のカウンセリングが出来るように、自社でコールセンターを設けている。「美容健康関連業界のソフトの面でのデファクトスタンダードを作っていきたい」(山崎喜三代社長)と意気込みを示した。
■心を捉える新商品を発表すると市場も拡大
「心を捉える新商品を発表すると市場も拡大します」(山崎喜三代社長)と語るように、美容家電関連市場の規模は年々拡大している。例えば過去5年の市場規模の推移を比較すると、メーカ出荷ベースでは、06年29,050百万円、07年32,760百万円、08年38,150百万円、09年40,990百万円、10年47,030百万円と年々拡大している。
10年には業界初のモバイル美顔器プラチナホワイトミストを販売した。その結果、1,200百万円の新市場を創出し、その内の39.5%のシェアを同社が占めている。
また、脱毛機の市場は年々縮小傾向にあったが、10年にno!no!HAIRを市場投入したところ、市場規模8,350百万円まで拡大し、マーケットシェア66.7%を取っている。
一方、ファンデーション市場は縮小傾向にあるが、同社が4年前に市場投入したミネラルファンデーションの市場は拡大している。市場規模15,500百万円のシェア18.8%を占め、10社強の中でシェアトップを占めている。
■中期経営計画では、販路の拡大を重視
同社で開発した商品はいずれも人気があることから、中期経営計画では、販路の拡大を重視している。10年の美容家電製品取扱店舗数は4,992店舗、今後3年間で11年8,022店舗、12年9325店舗、13年12,997店舗と店舗数の急拡大を計画している。化粧品取扱店舗数についても10年の2,702店舗から11年3,044店舗、12年3,388店舗、13年4,532店舗とこちらも大幅増を計画している。
一方で、商品のラインナップ充実を図っている。07年美顔器、08年痩身アイテムを加え、09年にはミネラルコスメを追加、10年には脱毛器を、11年にはミスト器を加え、合計主要5アイテムとその他の商品となっている。12年には更にヘアケアを加え、商品のラインアップの充実を図っている。「今月から深層表情筋を鍛える新商材を販売開始します。年間2、3機種発売しています。一方で、新カテゴリーも増やしていきます」(山崎喜三代社長)と今後の方針を語った。
■医療機器分野への進出も視野に
業績の目標値は、13年4月期売上高25,000百万円、営業利益2,400百万円、経常利益2,300百万円、純利益1,300百万円、14年4月期売上高30,000百万円、営業利益3,100百万円、経常利益3,000百万円、純利益1,700百万円。
また、医療機器分野への進出も視野に入れている。「3年、4年かかると見ているが、新規医療機器の認可を取りたい、認可を取得すると3年間は他社の参入は無いので、独占できます。また、海外医療機器分野へも進出します。既にFDA(北米食品医薬品局)の認可を受けたものが2つあります。1年から3年のスパンではじめます」(山崎喜三代社長)と医療分野での新製品開発に意欲を示した。
海外進出に関しては、12年4月期までは準備期間として捉えていて、中国・アジアマーケットについては、現地のニーズをマーケティングの上で、日本国内製商品を主に展開していく。欧米マーケットについては、医療機器分野の開拓を目指している。
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