2010年08月24日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

アライドテレシスHDの第2四半期連結業績は増収大幅増益で黒字転換


■ソリューションビジネスが好調であり、利益率の高い製品の販売が増加

アライドテレシスホームページ ネットワーク機器専業メーカーのアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)は、18日に東証アローズで今10年12月期第2四半期連結業績の決算説明会を開催した。
 第2四半期連結累計業績は、売上高177億9000万円(前年同期比17.0%増)、営業利益7億4600万円(前年同期△14億7600万円)、経常利益2億1200万円(同△9億8600万円)、純利益3600万円(同△11億7000万円)と増収大幅増益で黒字転換。
 当初の計画と比較すると、売上高0.6%増、営業利益397.3%増、経常利益112.0%増、純利益40.0%減と営業利益、経常利益ともに計画を大きく上回った。唯、国内事業が好調であったことから、法人税が増加した影響で、最終利益はほぼ計画通りとなった。

■国内の営業拠点を増やしているため前期より50名増加

 利益面を見ると、売上総利益が101億9100万円(前年同期比38.4%増)と大幅増益となり、売上総利益率は57.3%と対前年同期比で8.8ポイントアップした。これは、ソリューションビジネスが好調であり、利益率の高い製品の販売が増加したことによる。
 一方、研究開発費は18億8700万円(同6.6%増)、その他の販管費は75億5700万円(同6.9%増)であった。研究開発費は売上の10%から20%の間としているため、通常の範囲といえる。その他の販管費の増加は、国内の営業拠点を増やしているため前期より50名人員が増加したことによる人件費の増加である。
 また、前期末為替レート1ドル92.1円に比較し、今期は1ドル88.48円と円高になったことから為替差損5億1300万円が発生した。
 その結果、税引き前利益は2億4500万円(前年同期△11億700万円)と大幅増益となったが、先述しているように国内事業の好調により法人税が増加したことで最終利益は3600万円となった。

■日本での売上高は対前年同期比31.0%増と大幅増収

 世界各国で事業展開する同社の地域別の売上高を、前年同期と比較すると、日本の売上高は102億4700万円(同31.0%増)、米国29億4500万円(同1.6%増)、欧州36億5800万円(同2.7%増)、アジア・パシフィック9億3800万円(同4.0%増)となっていて、日本の大幅増収が際立っている。また、ドル建てで換算すると米国6.2%増、欧州7.4%増と伸び率は拡大する。
 地域別の第2四半期累計期間の主な活動を挙げると、まず、日本では地域密着サービスが出来る体制を構築するために、営業拠点の拡充を重要課題としていて、前期末の14拠点から第2四半期末には25拠点まで増やしている。今期中には31拠点を予定している。また、全国21ヶ所で「x900 Day 〜Solution Showcase〜」を開催する一方で、「学校ICTキャンペーン」の期間延長を行なうなど積極的な販売活動を実施した。更に、医療機関向けの「止まらないネットワーク」システム提供を推進した結果、各地での導入事例が増えている。

■世界各国の重要施設で同社製品の採用が進む

 欧州では、イタリアの空軍施設へのネットワーク機器を提供し、トルコでも34ヶ所の軍医療施設へコアスイッチ、イーサネットスイッチなどを納入している。
 米国では、オハイオ州バトラー郡政府40棟の公共施設への導入、米国CT Communications社へのIPトリプルプレイNSPサービスの提供等がある他に、米農務省農村公共サービスにおける農業開発通信ネットワークインフラ資材リストに同社の製品が追加されるなど、同社の製品は世界各国の重要施設での採用が進んでいる。

■今通期連結業績予想は、2桁増収大幅増益を見込む

 連結対照表を見ると、流動資産221億500万円(前期末比7億6600万円増)、固定資産34億2800万円(同4100万円増)となり、資産合計は255億3300万円(同8億700万円増)。流動負債109億1200万円(同13億1000万円増)、固定負債20億5700万円(同10億1100万円増)、純資産125億6200万円(同15億1300万円減)となり、自己資本比率は48.3%と7.8ポイント下がった。
 今通期連結業績予想は、売上高393億6000万円(前期比15.1%増)、営業利益13億6000万円(同159.1%増)、経常利益10億6000万円(同77.6%増)、純利益6億4000万円(同31.7%増)と2桁増収大幅増益を見込む。
 下期の環境は、欧米の景気低迷により市場動向が不確実である中、為替動向の不透明感があり、全体として不透明感が続くと見ている。一方、国内は、企業の設備投資に改善が見られ、政策による各種補助金の交付があり、しかも医療のIT化を国が推進していることから、医療関係市場の需要の増加が見込め、環境は良好と見ている。

■企業・自治体・医療・教育市場をターゲットとして売上を拡大していく方針

 そのような状況下、増収増益を達成するために、ネットワークソリューション営業の強化、高収益製品の販売、営業拠点増設による地域密着型営業力の強化を実践し、企業・自治体・医療・教育市場を営業の主なターゲットとして売上を拡大していく方針。海外については、同市場に追加して軍への営業も強化していく計画。
 一方、適正な在庫管理、適切なコストコントロール、与信管理の強化を実施することで、財務体質の強化を図るとしている。
 06年まで赤字が継続していたが、ネットワーク社会の到来で、長年同社が研究開発していたIPトリプルプレイが実用化されるとともに、業績は改善し、07年以降黒字が定着し、今期は大幅増益を見込む。
 説明会の最後に「昨年から今年の成功は、一つ一つの案件、受注だけでなく、全体的な仕組みが良くなっていると手ごたえを感じている。ソリューション販売を全体的に実施するための社内構築があたり前のようになれば、更に事業は拡大する」(木村進一代表取締役)と語り、今後の業績に自信を示した。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.08 |特集