
11日に東京で開催された決算説明会の挨拶に立った代表取締役社長児嶋雄二氏は今期50周年を迎えるにあたり、既に発表されている記念配と30万株の自社株買いを改めて発表した。
同社は片面プリント配線板をメインとする企業で国内はもとより、海外にも進出している。中国には京写香港(販売会社)、京写広州(片面・両面プリント配線板の生産会社)の2社、東南アジアには京写インドネシア(片面プリント配線板の生産会社)、北米には京写ノースアメリカ(販売会社)と5社の子会社がある。
国内では実装に必要なメタルマスクを作るメタックス、更に今年5月に子会社化した三和電子がある。三和電子を子会社化したことで、プリント基板メーカーとしてだけでなく実装メーカーとしても顧客の要望に応えることが出来ることから、今後の売上拡大が期待されている。
米国のサブプライム問題発生以降、世界の経済は急速に悪化しているが、プリント配線業界では、自動車分野など一部の需要は好調に推移したものの、薄型テレビをはじめとするデジタル家電の成長鈍化や、携帯電話端末の需要減速が鮮明となり、一方では、原材料の高止まりが続いていることから、厳しい環境にあるといえる。
しかし海外、特に中国では需要は全般的に好調に推移し、片面プリント配線板は、エアコンなどの家電製品や自動車関連が堅調に推移し、両面プリント配線板では家庭用ゲーム機などのアミューズメント関連分野や自動車関連分野が売上を伸ばした結果、現地通貨ベースでは前年同期の売上を上回った。
また、自動車関連は良くないと思われがちだが、自動車に使用されているワイヤーハーネスの使用比率が減少傾向にあり、代わりにプリント配線板の使用が増加傾向にある。今後、更にプリント配線板の使用比率が高まると見込まれ、同社の場合は比較的売上が好調な小型車がメインであることから売上の増加が期待できる。自動車関連の売上高は10億100万円(前年同期は8億3100万円)と円高をはね返し増収と好調である。
その他の製品用途別売上高を見ると、映像関連(薄型テレビ、DVD、TVチューナー等)24億9900万円、家電製品(エアコン、照明機器、洗濯機等)14億300万円、事務機器(複写機、プリンター等)12億700万円、その他(アミューズメント、電子部品、音響機器等)20億300万円と、前期と比較し円高の影響で売上は落ちているが、映像関連以外は全部前期の為替レートで計算すると売上を伸ばしている。
通期連結業績予想は、売上高165億円(前期比4.7%減)、経常利益7億7000万円(同13.6%減)、純利益4億8000万円(同4.4%増)を見込んでいる。
下期からは、京写インドネシアの売上拡大が見込める上に、国内では10月よりデンソーとの提携により、次世代基板(PALAP基板)の生産が開始されるなど、厳しい環境ではあるが、明るい話題も出てきている。
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