■前10年3月期は減収ながらも大幅増益を達成、純利益99.3%増

前10年3月期連結決算は、14日に発表しているように、売上高137億2500万円(09年3月期比9.5%減)、営業利益6億8100万円(同332.0%増)、経常利益6億6400万円(同44.8%増)、純利益3億5000万円(同99.3%増)と減収ながらも大幅増益を達成している。
同社代表取締役社長児島一登氏は、前期を振り返り「第1四半期は受注が半分で厳しかったが、夏以降に一気に立ち上がりました。そのためどうにか見栄えのする決算が出せたと思っています。今期も受注が取れているので、4月、5月もいい数字が出せると思っています」と語った後、会社の話題として、09年12月にプロセス・ラボ・ミクロンと業務提携し、電子部品を基板に実装する際に使用する搬送用冶具を作る会社として、「京写・プロセス・ラボ・ミクロン」を設立し、2月1日から製造開始していることを報告した。
経常利益は、売上減少により2億4300万円減、営業外収支で6800万円の減益があったものの、原価率が2.41%低下したことから3億3000万円、販管費の減少により1億8600万円の増加要因が加わったことから1.4倍強の大幅増益となった。
4半期毎の売上高、経常利益を見ると、第1四半期26億5600万円、△3500万円、第2四半期35億6100万円、2億100万円、第3四半期36億8900万円、2億6000万円、第4四半期38億1800万円、2億3800万円と売上高、経常利益共にほぼ順調に伸びている。
製品別の売上高は、片面板75億8200万円(同12.7%減)、両面板(多層板、銀スルーホール基板を含む)40億3300万円(同13.7%減)、その他21億900万円(同17.3%増)。
地域別の売上高は、日本は自動車の回復で58億6500万円(同2.4%増)、中国はプリンターが落ち込んだことから48億4300万円(同21.3%減)、東南アジアは、映像関連が好調であったことから25億7500万円(同7.6%増)、北米は自動車の減少により2億7600万円(同59.7%減)、欧州は1億6500万円(同18.3%減)であった。
製品用途別売上高は、映像関連(薄型テレビ、DVD、TVチューナー)39億6200万円(同14.7%減)、家電製品(エアコン、照明機器、洗濯機等)23億9600万円(同7.7%減)、自動車関連(自動車電装品、カーオーディオ)20億1300万円(同18.9%増)、事務機(複写機、プリンター)15億8700万円(同28.9%減)、アミューズメント(家庭用ゲーム機、パチンコ、パチスロ)10億5300万円(同2.8%増)、その他(電子部品、音響機器)27億1400万円(同8.6%減)。
貸借対照表を見ると、流動資産68億7000万円(同7億9400万円増)、現預金27億4900万円(同4億3700万円増)、売上債権27億6500万円(同3億1100万円増)、棚卸資産11億4000万円(同7000万円増)。固定資産39億3700万円(同2億5900万円減)。流動負債61億1800万円(同1億6400万円増)、仕入債務25億5300万円(同6億5600万円増)、短期借入29億700万円(同6億6900万円減)。固定負債20億3600万円(同4600万円増)。純資産26億5300万円(同3億2400万円増)。その結果、流動比率は112.3%と10.3ポイント改善、有利子負債依存度も41.3%と7.5ポイント改善、自己資本比率も23.3%と1.5ポイント上昇している。
■中期経営計画の目標は、15年3月期売上高250億円、営業利益率8%、ROE(自己資本利益率)15%以上 ROA(総資産利益率)8%以上
今11年3月期連結業績予想は、売上高150億円(前期比9.3%増)、営業利益7億円(同2.8%増)、経常利益7億円(同5.3%増)、純利益4億5000万円(同28.4%増)と増収増益を見込む。
しかし、銅の価格が高騰していることから、価格転嫁が必要であり、5月から値上げの交渉に入っている。また、海外ではインドネシア、中国の人件費が上昇していることから如何に生産工場を省人化していくかが課題となっている。
その様な状況の中で、今後の成長を確実とするための新中期経営計画が発表された。
基本戦略として、環境対応の技術開発に取り組み、ボリュームゾーン商品で世界bPの企業となることを目標としている。
今後は、従来の先進国ユーザー中心から新興国ボリュームユーザーへの対応を推進し、家電・映像分野中心から環境対応製品への展開し、日系セット顧客中心から非日系・EMS(他メーカーから受注した電子機器の受託生産を専門に行う企業)への拡販を目指すとしている。
そのために、5つの重点戦略を挙げている。まず、環境対応戦略として、環境対応の成長分野で技術優位性を確立し、他社との差別化を推進する。具体的には、放熱基板、粉レス、厚銅箔基板の開発を推進するとともに、日系ユーザー及びグローバルユーザーへ展開することで、グローバル生産体制を確立する。売上目標として、2015年3月期には環境対応製品の売上高35億円を掲げている。
次にボリュームゾーン戦略を掲げているが、片面板の世界シェアトップという強みを活かし、更にシェアを伸ばし、ボリュームアップを図る。そのために、「新生産技術の開発」「原材料の見直し、材料メーカーとの提携推進」「グローバルトップメーカーとの取引関係の構築」と3つの目標を策定している。この3つを実現することで、2015年3月期には片面板の売上高を現在より50億円増やし、125億円とする計画。
次の戦略はグローバル戦略である。背景に顧客の海外シフトの加速化がある。そのため、国内で技術を確立し、海外で生産の拡大を図る方針。そのためには、両面板の一貫生産体制、実装冶具の生産体制、環境対応製品の生産体制の確立が前提となる。既に、両面板は新潟工場、実装冶具は三和電子で進められている。目標として、2015年3月期の売上高は、両面板95億円、実装関連30億円としている。
4番目の戦略は、収益力強化。収益力を強化するには、技術革新とコスト対応力の強化が必要としている。そのための対応策として、新工法の開発、内製化の推進、購買体制の革新を挙げている。2015年3月期までに既存製品の利益率を10年3月期より1.5%アップし、6.5%以上とする計画。
最後に、基板、実装関連に次ぐ、第3の事業として新規事業を確立する。そのためには、産学連携、研究機関との開発提携を進める一方で、部門の充実、人材確保を推進するとしている。2015年3月期までに新規事業を立ち上げる。
中期経営計画の目標は、15年3月期売上高250億円、営業利益率8%、ROE(自己資本利益率)15%以上、ROA(総資産利益率)8%以上としている。
「片面プリント板をグローバル展開しているのは、京写だけです。今後、日系だけでなく韓国、台湾メーカーの需要も取り込んでいきます。また、材料の一括購入、金型、メッキ関連の内製化を進めます」(児島一登社長)と売上の拡大と、コスト削減に自信を示した。
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