■国内外のユーザーから引き合い活発、今後同社のフラッグシップ商品となる
共和電業<6853>(東1)は、6月24日に今年完成した調布の新社屋で創業60周年記念パーティーを開催したが、今後同社の主力商品となる新製品の発表もあり、60周年を祝うにふさわしい話題豊富なパーティーとなった。
同社はひずみゲージをコアとした応力計測の専門企業で、応力に関するあらゆるものを計測する計測器メーカーである。新製品を開発するほとんどのメーカー企業は、開発段階から同社の計測器を使って、製品の安全性を確かめている。その代表的なものが、自動車メーカーである。自動車メーカーでは、新車の開発の段階から、安全な自動車を生産するため、同社の計測器を使い、データの収集・分析を図っている。
60周年のパーティー会場は5階であったが、1階エントランスでは近日発売予定の新製品、19製品を展示してあった。その中の一つである7月1日販売開始予定の、世界で唯一の950度Cの状況下で材質の変化を計測できる「950度Cカプセル型高温ひずみゲージ」が最も注目を浴びていた。
同製品は、使用可能最高温度が950度Cと世界トップレベルで、これまでの最高使用温度が800度Cであったことから比較すると画期的な新製品といえる。発売前に、国内外から引き合いが活発化している状況。
高温ガスタービン動静翼、航空機のジェットエンジンタービン、焼却炉・熱処理炉、石油化学反応装置など高熱の発生する箇所でのデータ収集に用いられる。原子力エネルギー・火力発電・航空機・プラント関連等で使用されることになる。これまで不可能とされていた950度Cという高温領域での実測によるデータ収集が可能となるため用途は豊富といえる。
同社の製品は、実験研究や開発用途が中心となるため、メーカー企業からの需要は比較的安定している。しかし、100年に1度といわれるリーマンショックの影響を免れることはできず、今12月期業績予想は、売上高125億円(前期比15.7%減)、営業利益3億3000万円(同78.3%減)、経常利益2億4000万円(同80.9%減)、純利益4000万円(同93.1%減)と大幅減益を見込んでいる。
しかし、先述している新商品「950度Cカプセル型高温ひずみゲージ」が好評で、今期は6ヶ月間で100個を販売する。1個当たりの単価は26万円。本製品の他、同時発売となる動ひずみ測定器、DPM−911A、912Aなど新製品の拡販効果による業績の急回復も期待される。