2010年09月07日
昭和情報機器は今10年第2四半期決算説明会を開催
■第2四半期は思わぬ苦戦となるが、通期では経常・純利益共に増益を見込む
漢字プリンタの昭和情報機器<6922>(JQ)は、8月24日に兜町平和ビルで、今10年第2四半期決算説明会を開催した。
今第2四半期決算は、売上高63億5100万円(前年同期比16.4%減)、営業利益△600万円(前年同期3億5000万円)、経常利益△200万円(同3億2700万円)、純利益△5300万円(同2億500万円)と2ケタ減収大幅減益で赤字となった。
広告制作プリンタの売上高は8億8100万円(同2.6%減)、保守料等収入は9億9800万円(同3.1%減)と共に一桁の減収であったが、売上の主力であるモノクロのプリンタSXの売上が5億4700万円(同61.4%減)、インクジェットプリンタ7億2600万円(同37.8%減)と大きく売上を落としたことにより、全体でも大幅減収となった。
貸借対照表を見ると、流動負債は支払手形・買掛金が増加したことから54億2900万円(同19.6%増)、固定負債は長期借入金が減少したことから12億7200万円(同28.2%減)、純資産は55億400万円(同6.4%減)となり、自己資本比率は45.1%と3.1ポイント下がった。
第2四半期までは思わぬ苦戦となっているが、今通期業績予想は、売上高139億3500万円(前期比2.5%減)、営業利益2億9200万円(同5.5%減)、経常利益2億7000万円(同3.7%増)、純利益2億1400万円(同110.2%増)と売上高、営業利益は減少する見込みであるが、経常利益、純利益は増益を見込んでいる。
■代表取締役社長中澤祐一氏プリント業界の現状について語る
富山貢太郎会長の決算についての説明の後で、代表取締役社長中澤祐一氏は、プリント業界の現状について、「デジタルカラープリンタの方向に進だろうと予測していましたが、現状はその方向には進んでいません。どういう方向に進むべきか悩んでいたのが実状で、欧米と、日本の進む方向は違っているようであります」と語り始めた。
「ようやく下期になって流れが分かってきました。例えば、VISA、JCBの利用明細書は全部カラー化されると思っていましたが、利用明細書の一部分がカラー化されるだけで、他はモノクロです。また、電話の請求書はWeb化される動きが出てきています。そのため、データプリントサービスが大きく変わってきています。モノクロ印刷も2極化しています。クオリティは良いが価格が高い電写式プリンタとクオリティは少し劣るが価格が安いインクジェットプリンタがありますが、今後は電写式からインクジェットへ徐々に変わっていくと思っています。
■電子書籍化が進むことは、大きなビジネスチャンス
一般印刷については、電子書籍化が進むことによって、ペーパーレスになると捉えていません。逆に大きなビジネスチャンスが出てくると捉えています。電子書籍は、読む文化ではなく、見る文化といえます。これまで、電子書籍でヒットした本は、必ず本として出版されています。今後は、大量に出版するのではなく、デジタルオンデマンド印刷が進み、需要に合わせた部数を刷るようになります。そのため、デジタルオンデマンドのニーズが高まってきます。教科書、法令集などもデジタルオンデマンドで必要な分だけ印刷されるようになると思われます。これからは、コストパフォーマンスを意識して動き、ブックオンデマンドのマーケットを捉えていきます。また、広告宣伝分野では、これまでスーパーマーケット等各店舗でPCとプリンタでPOPを作っていたが、これからは本部で装置を備え、データを各店舗に流し、印刷だけを各店舗で行なうようになります。また、量販店、スーパーでは海外の客も多いことから、外国語のPOPの需要が高まっているため、来春までには外国語対応のPOPを出す予定です」と現況の分析、今後の業界の流れ、同社の進むべき方向性を語った。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.09 |特集