■生産体制を順次2直制に切り替える
自動車のバンパー、グリル、スポイラー、ライセンスプレートガーニッシュ等を製造しているイクヨ<7273>(東2)は、7月以降徐々に受注が回復している。そのため、現在の1直制である朝8時30分から夕方5時までの生産体制に、夕方5時から深夜1時30分までを加えた2直制に順次切り替える方針。(写真=パジェロ ライセンスプレートガーニッシュ)
同社もリーマンショックの影響を受け、今年1月から3月までの月間売上高は激減し、前年同月比の3分の1まで落ち込んだ。そこで、パート等の契約を見直すと共に、希望退職者を募り、合計220名を削減。山口工場も3月末に一時閉鎖している。売上高は4月以降6月まではほぼ横ばい状態で推移している。
メーカー先売上構成比率は、三菱自動車45%三菱ふそう20%、いすゞ10%、トヨタ系7%、マツダ系6%、と三菱自動車向けが主。そのため、三菱自動車の02年度、05年度の大量リコールの影響を受けて、業績は低迷していた。しかし、何とか乗り越えて08年3月期は売上高200億円を達成し、黒字化した。ところが、リーマンショックのため09年3月期は再度赤字転落。
しかし、「無駄を取り省く努力をした結果、従来の売上の7割でも収支均衡できるように体制を再構築してきた。」(同社IR担当者)と表情は明るい。
利益の出せる体制作りを済ませたところに、受注が回復している。「7月で5割から6割まで戻ってきましたので、9月から生産体制を順次2直化します。従って、下半期は黒字化を目指しています。最悪でも収支均衡までは持って行きたいです」(同)とのことである。
また、同社の米国子会社は、GM向けに外装のピーラー類を製造しているが、米国政府の自動車買い替え促進策でGMの売上は順調であることから、同子会社の売上も順調に回復してきている。唯、買い替え促進策は予定より早く打ち切られるため、今後の売行きが懸念されるが、まだ供給不足であることから販売台数は伸びると予想する意見もある。
今通期連結業績予想は、売上高102億円(前期比29.4%減)、営業損失9000万円、経常損失3億4500万円、純損失4億4000万円を見込んでいるが、下半期の受注回復で、上方修正も期待できる。