2011年11月15日
ワークマン:今12年3月期第2四半期業績は2ケタ増収大幅増益
■重点開発エリアの福岡県に7店舗出店
ワークマン<7564>(JQS)は9日、今12年3月期第2四半期決算説明会を開催した。
代表取締役社長栗山清治氏は、決算概要、今通期の見通しなどについて説明を行った。
第2四半期業績は、チェーン全店売上高283億17百万円(前年同期比16.2%増)、営業総収入206億74百万円(同19.1%増)、販管費39億32百万円(同6.0%増)、営業利益28億97百万円(同60.2%増)、経常利益33億64百万円(同49.2%増)、特別損失16百万円(同96.3%減)、純利益18億3百万円(同92.1%増)、1株当たり四半期純利益88円40銭(同42円37銭増)と2ケタ増収大幅増益となった。
上半期の決算ポイントは、出店状況、店舗運営形態、販売強化の3つ。
出店状況は、新規開店は10店舗、スクラップ&ビルド1店舗、閉店1店舗であった。重点開発エリアの福岡県には7店舗の出店が行われた。その結果、9月末の総店舗数は前期末比9店舗増の674店舗となっている。
店舗運営形態は、FC店527店舗、前期末比で19店舗増となっている。FC店舗比率は78.2%で前期末比1.8ポイントのアップ。
販売の強化策に関しては、プライベート・ブランド商品の開発でエブリデー・ロー・プライス政策を強化している。コア商品を明確にした売り場作りを推進すると共に、スーパーバイザー(店舗指導員)の教育強化で加盟店舗の在庫管理と発注精度を向上している。
■震災の影響で東日本の売上が伸びる一方、西日本エリアでも認知度が高まるにつれて売上が伸びる
第2四半期の販売状況に関しては、チェーン全店の売上高は前年同期比16.2%増、客数同13.3%増、客単価2,244円(同2.6%増)、1品単価802円、1人当たり買上点数2.8点となっている。特に、東日本エリアでの既存店での売上の伸びが高く、前年同期比で18.6%増、それに対して西日本エリアは同9.7%増であった。震災の影響で、東日本での売上が伸びたことが鮮明となった。
県別既存店売上高の対前年同期比の伸び率を、震災による復旧・復興作業の影響が出ている地域で見ると、宮城県87.5%増、福島県50.9%増、岩手県45.8%増、茨城県24.9%増と大幅に増えている。
西日本エリアを見ると、山口県41.9%増、広島県23.1%増、岡山県22.6%増、愛媛県21.6%増と、新規地区の多い西日本エリアでも同社の認知度が高まるにつれて売上が伸びている。
■吸汗速乾、消臭加工、通気性等、機能性に優れた作業服、半袖Tシャツ、靴下等の販売が好調
商品別売上高を見ると、ファミリー衣料(肌着・靴下・帽子・タオル・エプロン等)25億63百万円(同16.0%増)、カジュアルウエア(ポロシャツ・Tシャツ・ハイネックシャツ・ブルゾン等)30億60百万円(同24.4%増)、ワーキングウエア(作業ジャンパー・作業ズボン・つなぎ服・鳶衣料等)81億91百万円(同15.0%増)、履物(安全靴・安全スニーカー・地下足袋・長靴・厨房シューズ等)59億87百万円(同16.9%増)、作業用品(軍手・皮手袋・加工手袋・合羽・ヘルメット・マスク等)74億83百万円(同16.6%増)、その他(食品白衣・医療白衣・オフィスユニフォーム・不織布作業服等)10億30百万円(同0.2%増)となった。
ファミリー衣料、カジュアルウエア、ワーキングウエアは、夏場の気温が高めに推移したことと、節電による職場環境の変化もあり、「涼しく快適」な衣料品の需要が高まったことで売上が伸びた。中でも、吸汗速乾、消臭加工、通気性等、機能性に優れた作業服、半袖Tシャツ、靴下等の販売が好調であった。
履物は、安全スニーカー、安全長靴、踏み抜き防止の中敷きなど工事現場での安全を確保するための履物が好調であった。
作業用品は、軍手、ビニール手袋、合羽の売上が好調であった。
その他では、不織布用品である使い捨てタイプのツナギ服、ヤッケ、マスク等の販売が伸びた。
■第2四半期の業績が当初予想を上回ったことから通期業績予想を上方修正
今通期業績の見通しは、チェーン全店売上高586億44百万円(前期比12.9%増)、営業総収入419億1百万円(同13.2%増)、販管費78億80百万円(同4.0%増)、営業利益60億85百万円(同35.9%増)、経常利益70億3百万円(同29.9%増)、特別損失66百万円(同88.2%減)、純利益39億57百万円(同44.3%増)、1株当たり純利益193円98銭(同59円54銭増)、1株当たり配当金40円(前期40円)を見込んでいる。
通期業績の見通しのポイントは、通期業績予想の上方修正と下半期の展望の2点。
通期業績予想の上方修正の要因は、第2四半期までの業績が当初予想を上回るペースで推移したことが挙げられる。
通期チェーン店全店売上高を586億円(前期比12.9%増)と見込んでいる。既存店売上高を前期比11.3%増、既存店客数を同9.0%増、既存店客単価を2.5%増と見ている。
下半期の展望としては、震災復興作業と節電による職場環境の変化で防寒対策商品の需要増を見込んでいる。また、店舗年齢の若い近畿・中国・四国エリアで知名度が向上していることから客数の増加も見込まれる。下半期のチェーン全店売上高は303億円(同10.0%増)を予想している。内訳としては、既存店の売上高8.4%増、客数6.0%増、客単価2.5%増を想定している。
出店計画としては、上半期は10出店しているが、下半期で11店の出店を計画している。内訳は、関東3店舗、近畿2店舗、中国地方2店舗、四国1店舗、九州は更に3店舗を予定している。特に福岡県には今期で10店の出店を計画し、客数の増加を狙っている。
FC化の促進については、個店の売上高の向上により、FC化を促進していく計画。今期の計画では、FC店554店舗(前期比46店舗増)を計画している。
■今期のEDLP商品開発計画は新規に150アイテムを展開する予定
EDLP(エブリデー・ロー・プライス)政策については、今期の計画では、チェーン全店売上高に占めるELP商品販売構成比43.0%(前期比1.7%アップ)としている。第2四半期の状況は、39.1%で前年同期より2.6%ダウンしている。EDLP商品の売上高は110億円(前年同期比9.0%増)と売上高は伸びているが、それ以上に全体の売上が伸びているため、販売構成比率は下がっている。
11年9月末現在の全取扱商品は約1,500アイテムある。そのうちEDLP商品とPB商品合計で778アイテムである。今期のEDLP商品開発計画は新規に150アイテムを展開する予定である。9月時点で既に99アイテム導入済みである。PB商品58アイテムのうち「WORKMAN BEST」は46アイテムある。「WORKMAN BEST」は、品質、機能、価格を差別化した戦略商品である。今期の防寒商品では、蓄熱制電ジャンパー、リップストップV衿ウィンドブレーカー、ヒートアシスト吸湿発熱長袖ハイネックシャツ、スノーエリア防寒手袋といった機能性商品をうちだしている。
大震災による復旧・復興の需要も大きいが、新しいエリアでの認知度が高まっているうえに、重点出店エリアとして福岡県に10店舗出店する等、営業エリアの開拓を進めると共に、「WORKMAN BEST」に代表されるように、機能性の高い商品を開発することで、売上の拡大を継続している。
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