■ソーリン製品・自社製品増で今期営業利益31.6%増を見込む

会社側の出席者は、代表取締役社長鈴木啓介氏と常務取締役管理本部長政次浩二氏の2名。まず、常務取締役政次浩二氏が前期の決算内容を詳しく述べた後、今期通期業績予想のポイントについて、「今期より、前期に子会社化したJUNKEN MEDICALが加わることから連結決算となります。また、これまで他社の人工血管を販売していましたが、3月31日まで販売を終了し、4月1日より子会社のJUNKEN MEDICAL社の人工血管を販売しています。しかし、供給能力が十分でないことから、人工血管の今期の売上は20億2700万円の減少を見込んでいます。また、前期にあった為替差益がなくなることから、営業外収益は3億2900万円の減少を見込みますが、今期は保険償還価格の改定の影響がほぼ無いことから、売上増を見込みます。」と語った。
今期連結業績予想は、売上高207億9800万円(前期比7.1%増)、営業利益7億3500万円(同31.6%増)、経常利益6億9900万円(同13.2%減)、純利益3億1100万円(同67.4%増)と増収、増益を見込んでいる。なお、期末配当は25円を予定。
売上高については、今期より子会社の売上が加わり、しかも保険償還価格の改定が無いことから増収が見込める。また、収益率の高いソーリン社製品に切り替えたことと、自社製品の売上構成比率が増えたことにより、営業利益が大幅に伸びると見ている。しかし、経常利益については、先述しているように為替差益が消えることから、2ケタ減少するが、特別損失の発生は見込んでいないことから、最終利益は大幅増益を見込む。
セグメント別に分けると、リズムディバイス、EP/アブレーション、外科関連、インターベンションとしているが、その他のセグメントを加える。その他は、JUNKEN MEDICAL社の製品である、血液浄化装置、血液濾過器、ディスポーザブルトランスデューサー、リフト式体重計等のこれまで、同社が扱っていない製品。
政次氏の後を受けて、鈴木社長が「課題と展望」について語った。「売上の主力であるリズムディバイスについては、新製品リプライを前期に発売したことから、販売数量は15.5%増となり、シェアを約3%伸ばしました。また、粗利益については、収益性の高いソーリン・グループ商品の売上高構成比率が上昇したため、当初計画の8.5%アップを上回る9.1%のアップとなりました。」とこれまでの取組により、高機能であり収益性の高い商品を販売できるようになったことから、売上高、利益率共にアップしている現状を説明した。
今期は、ペースメーカー関連の売上高を10億4500万円増(同12.5%増)、ICD(植込み型除細動器)の売上高は2億円増(同17.8%増)と共に順調に推移すると見ている。またICD等の頻脈治療用ディバイスにおいては、高出力機が選択される傾向があるため、Paradym CRT/DR・VRという高出力機器の投入準備を進めている。
EP/アブレーションについては、前期は売上高構成比が18.2%まで高まり、第2の柱へと成長してきた。今期は、EP(電気生理用)カテーテルの売上高は19億5300万円(同28.9%増)を見込むが、アブレーションカテーテル(脈が速くなる不整脈<頻脈>の原因となっている刺激伝導経路を高周波電流で局所的に焼灼し治療する電極カテーテル)においては、競合製品の参入もあり、売上高15億5300万円(同15.9%減)を見込む。
自社製造製品については、売上高39億5300万円(前々期比12.4%増)、粗利高22億600万円(同5.7%増)の実績となり、全社業績に占める割合は、売上高で20.4%、粗利益で22.5%となった。中期目標として、売上高構成比を25%、粗利益構成比を30%とすることを目指す。
人工血管については、JUNKEN MEDICAL社の「J Graft」を4月1日から販売している。製品の評価は、止血性、ハンドリングの良さから高評価を得ているが、千葉の五井にある現工場の増産体制だけでは十分とはいえないため、姉ヶ崎に新工場を建設し、来期の下期から稼動する予定。中期的にはシェア3割を目標としている。
外科関連の人工弁の現況は、機械弁から生体弁、弁形成術へと治療法がシフトしている。現在同社の取扱い商品は、機械弁のみであるため、今後生体弁を持つ必要がある。そこで、ソーリン・グループ製の生体弁、人工弁輪、スーチャレス弁(縫合が不要となる低侵襲の生体弁。現在欧州で治験中)の早期導入を目指している。
インターベンション(カテーテルを用いた低侵襲な治療)では、アンプラッツァー(心房中隔欠損閉鎖システムを用いた心房中隔欠損の閉鎖治療)認定施設が17施設まで増加し、売上高4億9500万円(同35.2%増)、フィルトラップ(血栓異物除去用カテーテル)も市場での認知度が高まり売上高5億9800万円(同28.0%増)とともに売上を大幅に伸ばしているが、バルーンカテーテル(冠動脈が狭くなり詰まったりした血管の内部から風船を膨らませて血管を広げる。風船のついたカテーテル)、ガイドワイヤー(バルーンカテーテルを治療部分に導くための細く柔らかい針金。このワイヤーに沿ってバルーンカテーテルを進めて行く)は保険償還価格の影響に加え、売上数量も減少している。
そこで、9年振りにガイドワイヤーのフルモデルチェンジを行い、主力モデルの「アスリートGT」の後継商品として、「アスリート・プレミアム」を今期より本格販売している。また、今期中にPTA(末梢血管治療用)バルーンカテーテルを導入し、末梢血管領域に参入する。インターベンションについては、今後アンプラッツァー関連商品を導入して、浸透を進める。そのために、ASD(心房中隔欠損症)治療の認定施設が増加するように活動すると共に、医師、患者に対する認知度の向上にも努める。多孔性ASDディバイスについては、今期中に薬事承認を取得する見込み。PDA(動脈管開存症)ディバイスは、昨年12月に薬事承認を取得したことで、今期中の販売開始を見込む。
これらの積極的な事業展開により、今期の売上は、人工血管の売上減少をカバーし、前年同期を上回る実績で推移している模様。
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