2011年05月25日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

日本ライフラインは11年3月期連結売上高は保険償還価格の引下げも増収確保


■純利益は独占販売契約終了に伴う補償金の計上により大幅増益

日本ライフラインのHP 日本ライフライン<7575>(JQS)の前11年3月期連結業績は、売上高22,361百万円(前年期比1.2%増)、営業利益973百万円(同26.2%減)、経常利益1,082百万円(同24.0%減)、純利益772百万円(同37.4%増)であった。
 保険償還価格の引下げにより、主力のペースメーカでは12.8%と大幅な引下げであったにもかかわらず自社製品の販売が堅調に推移したことで、増収となった。
 利益面では、保険償還価格の引下げの影響により売上総利益11,006百万円(同0.5%減)となった一方で、販売管理費10,033百万円(同2.9%増)となったことから営業利益、経常利益は大幅な減益となった。しかし、純利益については特別利益として独占販売契約終了に伴う補償金が計上されたことにより大幅増益となった。

■今12年3月期業績予想は増収大幅増益を見込む

 今12年3月期業績予想は、保険償還価格の引下げが行なわれないことに加え、販売数が伸長する見通しであることや、自社製品を拡充することから増収増益を見込んでいる。更に、特別利益としてアンプラッツァービジネスの承継対価として496百万円を計上する。
 その結果、今12年3月期業績予想は、売上高24,021百万円(前期比7.4%増)、営業利益1,454百万円(同49.4%増)、経常利益1,450百万円(同33.9%増)、純利益1,078百万円(同39.6%増)と増収大幅増益を見込む。
 品目別売上高予想は、リズムディバイス11,485百万円(同9.1%増)、EP/アブレーション4,978百万円(同7.5%増)、外科関連2,462百万円(同3.1%増)、インターベンション3,634百万円(同10.6%増)、その他1,461百万円(同4.0%減)。
 設備投資額は1,700百万円(同18.7%減)、減価償却費519百万円(同72.4%増)、研究開発費516百万円(同38.7%増)を見込んでいる。

■EPカテーテルは中国市場での販売を今上期に開始する予定

 各製品の今後の見通しについては、ペースメーカ関連は、売上高9,014百万円(同1.8%増)を見込んでいる。更に、自社ブランドのペースメーカリードへの切り替えにより、今期は前期に比較し約500百万円の利益改善を見込んでいる。
 ICD関連(ICD、CRT−D)は、今年2月に販売を開始した新商品「PARADYM CRT−D」を拡販する計画で、売上高2,261百万円(同41.2%増)と大幅増収を見込んでいる。
 EPカテーテルは、今期売上高3,278百万円(同19.4%増)を目指す。また、中国市場での販売を今上期に開始する予定。
 ABLカテーテルの今期売上高は1,582百万円(同11.0%減)を見込んでいる。また自社開発をしている心腔内除細動システムの早期上市を目指しており、今第4四半期には承認を取得する予定。

■バルーンカテーテルの新商品「LIFESPEAR」が高い評価を得る

 人工血管は、子会社のJUNKEN MEDICAL社の新工場が稼動を開始し、今12年3月期売上高は、1,368百万円(同11.6%増)を見込んでいる。
 人工弁については、市場動向が機械弁から生体弁へと移行するなか、同社では今期第4四半期に生体弁「Mitroflow」を発売し、早期の市場浸透を目指す方針。今期の人工弁全体の売上予想は、787百万円(同8.6%増)を見込んでいる。さらに13年3月期第1四半期には、人工弁輪「Memo3D」の発売を予定している。
 バルーンカテーテルでは、新商品「LIFESPEAR」が高い評価を得ており、今期の売上高は、1,457百万円(同24.3%増)と前期に引き続き大幅増収を見込んでいる。
 自社製造製品のガイドワイヤーについては、今期の売上高を、545百万円(同12.6%増)と見込んでいる。今後は市場性の高いSFA(表層大腿動脈)領域への参入も目指している。また生産面では、海外への製造移転を進め原価の低減を図る方針。
 アンプラッツァー(構造的心疾患治療器具)については、AGA社製品の販売が今年の12月に終了することから、今期の売上高は、508百万円(同25.7%減)を見込んでいる。なお、AGA社製品の販売終了に伴い、既に同社は、オルテック社と構造的心疾患関連製品の独占販売契約を5月2日に締結している。

■戸田新工場の生産能力は現工場の2倍以上

 自社製品の売上構成比は29.9%と年々アップしている。同社では、自社製品を引き続き拡充するために、戸田新工場を建設しており、今期の第4四半期の稼動開始を予定している。生産能力は現工場の2倍以上。研究開発、生産機能を現工場から戸田新工場へ移転し、グループの研究開発、生産活動の中核拠点とする。
 将来を見通した計画的な事業運営により、売上高は年々拡大している。今後も更に同社の業績は拡大すると思われる。そのような状況の中で同社は、5年後である2016年3月期経営目標として、連結売上高340億円、連結営業利益率10%以上を発表している。

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