2010年04月19日
パスポートは前10年2月期は減収ながら大幅増益、最終黒字転換で6円の復配
■新規出店を実質凍結し、不採算店舗の閉鎖、徹底的な経費削減を実施
インテリア・生活雑貨販売のパスポート<7577>(JQ)は、16日に大和コンファレンスホールで前10年2月期の決算説明会を開催した。
まず同社代表取締役社長水野純氏が会社の概要を説明した後で、取締役総合企画室長の久保田勝美氏が前期の決算内容を詳しく説明した。
前10年2月期業績は、売上高139億5400万円(09年2月期比6.2%減)、営業利益4億5800万円(同5625%増)、経常利益4億800万円(同2620%増)、純利益2億5600万円(09年2月期△2億1500万円)と減収ながら大幅増益、最終黒字転換となり6円の復配を果たした。
減収となったのは、直営店1店、フランチャイズ店2店を開設したものの直営店15店を閉鎖した影響による。これまでの店舗拡大策を改め、新規出店を実質凍結し、不採算店舗の閉鎖、徹底的な経費削減を実施。
これらの施策が成功し、また、第4四半期に既存店の売上が急回復したことから、2回の上方修正を行う程の大幅な増益となった。最終利益については、特別利益を計上したこともあり、過去最高益を達成。
売上高は6.2%減であり、売上原価率は09年2月期と同率であったことから、売上総利益は68億5800万円(09年2月期比6.2 %減)であったが、販売費及び一般管理費を9億500万円削減したことで、営業利益以下は大幅な増益となった。
不採算店舗の閉店と適正労働時間を維持し残業時間を削減したことで、人件費を1割以上削減。また、販売促進・宣伝費用を4割削減している。その他に毎月行っていた通常の店長会議を年2回に、その代わり、ブロック長会議を毎月行うことにしたことで、交通費を4割以上削減した。
負債の合計は、流動負債、固定負債共に減少したことで、49億6000万円と5億6500万円減少した。一方、純資産合計は、12億7100万円と2億5600万円増加している。
キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー7億2600万円、投資キャッシュ・フロー1億5400万円、財務キャッシュ・フロー△4億6800万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は4億1200万円増加し、8億円となっている。
■今期は中期経営計画の総仕上げを行い、「経営体質強化」の取組を継続・深化していく方針
11年2月期業績予想は、売上高134億円(前期比4.0%減)、営業利益4億6000万円(同0.4%増)、経常利益4億1000万円(同0.5%増)、純利益1億8000万円(同29.7%減)を見込んでいる。
今期の既存店の売上高を98.8%と見ているが、3月の売上高は前年同月比で5.6%増と足元の売上は好調に推移。最終利益は大幅減となっているが、前期の一時的な特別利益の影響である。
今期の事業方針について、水野純社長は、「現在、全社で『重点販売商品の強化徹底』と『笑顔であいさつの徹底』に取り組んでいます。次の成長ステージを見据え、必ず会社を変える、変わると思っています」と今期にかける意気込みを語った。
同社は中期経営計画「M3」を発表している。3つのMは、Merchandising、Manpower、Missionを表している。具体的には、商材を掘り起こし、人材を活かして販売することが雑貨専門店としての使命であるとしている。今期は中期経営計画の最終年度であるため、総仕上げを行い、「経営体質強化」の取組を継続・深化していく方針。