2010年12月13日
魚力:足元の10月、11月の売上は99.5%、98.5%と回復傾向
■下半期の巻き返しに期待
鮮魚小売りの魚力<7596>(東2)の今11年3月期第2四半期連結業績は、売上高116億9200万円(前年同期比1.7%減)、営業利益500万円(同97.8%減)、経常利益△6200万円(前年同期1億4300万円)、純利益△600万円(同7000万円)と減収大幅減益であった。
今第2四半期の業績不振の最大の要因は、6月〜9月の気候が暑過ぎたことによる。従来は、1日に3回売上の山があった。時間帯でいうと、午前11時、午後2時、夕方の4時から6時半の3回である。ところが、猛暑の影響で11時、2時の山は無くなり、夕方からの来店があるくらいで客足は全く伸びなかった。
また、同社の顧客は、遠くから電車を使ってくる客が多い。ところが、今年は、購入した魚が傷まないように、氷を入れても猛暑の影響で、長時間持たないという懸念から、遠くのお客が買ってくれなかったことも原因の一つ。
更に、猛暑により、海水の温度が下がらず、サンマの漁獲量が減り、7月下旬から8月にかけて、通年低価格で旬の魚を売って売上を伸ばしていたが、今年はサンマが入らなかったことにより、売上が例年程つくれなかった。
その結果、減収減益。しかし、足元の10月、11月の売上は7月、8月、9月の既存店前年同月比95%に比較し、99.5%、98.5%と回復傾向にあり、下半期の巻き返しに期待が持てる。
■鮮魚小売店業界で最も経常利益率の高い企業
同社の創業は、1930年と古く、今期は創業80周年を迎える。9月現在の社員数は499名、パートアルバイト638名と80年間で順調に事業規模を拡大している。
事業は鮮魚小売り、卸売り、飲食事業の3事業を展開している。
売上の主力である小売事業は、集客率の高い百貨店、駅ビル、スーパー等にテナント出店。11月現在で首都圏を中心に39店舗展開している。
卸売事業は、97年10月より開始。飲食事業は2000年12月より開始。11月現在で、一般寿司飲食5店舗、海鮮居酒屋4店舗。
鮮魚小売店業界で最も経常利益率の高い企業であり、安定成長と堅実経営には定評がある。現在も無借金経営であり、収益重視の出店を行う一方で、新規事業への取組には積極的である。
鮮魚販売の企業化への取組として、労働条件の改善による人材確保と育成、仕入れルートの革新、鮮度を重視した物流機能の改革の3つの課題解決に注力している。
同社グループは、魚力、UORIKI FRESH,INC.、UKトレーディングの3社。
■新規出店は、4月目黒店(飲食)、5月川越店、8月東急本店の3店舗
魚力の第2四半期売上高は、108億6100万円(前年同期比4.0%減)。部門別の売上高は、鮮魚72億3600万円(同5.7%減)、寿司17億8100万円(同1.7%減)、卸売13億300万円(同2.9%増)、飲食5億4000万円(同5.1%減)。
新規出店は、4月目黒店(飲食)、5月川越店、8月東急本店の3店舗。退店舗は8月西国分寺店、8月桶川店、9月名古屋店(飲食)の3店舗。9月末の総店舗数は48店。
卸売店舗は、10社94店舗。
粗利益高は、45億2000万円(同4.7%減)、粗利益率41.6%(同0.3%の下降)。
販管費は、45億円(同0.3%減)、販管比率41.4%(同1.5%上昇)。
■UORIKI FRESH,INC.ドルベースでの売上は伸長
米国のUORIKI FRESH,INC.の第2四半期売上高は、8億8800万円(同0.3%減)。ドルベースでの売上は伸長したが、為替レートの関係で円ベースでは減少となった。
粗利益高は、1億3100万円(同2.3%減)、粗利益率14.8%(同0.3%下降)。
販管費は、1億2300万円(同13.5%増)、販管比率は13.8%(同1.6%上昇)。
営業利益は、800万円(同1700万円減)、営業利益率1.0%(同1.9%下降)。
■大型店舗である吉祥寺店9月21日より新装開店、下半期の売上回復に期待
UKトレーディングの第2四半期売上高は、4億6200万円、グループ外取引2億1100万円(売上シェア45.7%)。
粗利益高は、2500万円、粗利益率5.45%。
販管費は、4400万円、販管比率は9.56%。
営業利益は、△1900万円、営業利益率は、△4.11%。
グループでの今期通期の連結業績予想は、売上高250億円(前期比0.5%増)、営業利益5億5000万円(同34.6%減)、経常利益5億2000万円(同39.0%減)、純利益2億5000万円(同39.7%減)を見込む。
今年は猛暑の影響で、第2四半期までは業績不振となっているが、下半期に2店の新店舗出店を計画しているうえに、大型店舗である吉祥寺店の改装が終了し、9月21日より新装開店していることから下半期の売上回復に期待がかかる。
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