2011年1月24日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

日本エム・ディ・エムは今11年5月期第2四半期の決算説明会を開催


■米国の売上高は7億6700万円(前年同期比16.2%増)と2ケタ増収

日本エム・ディ・エムホームページ 骨接合材の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、1月20日に大手町サンケイプラザで今11年5月期第2四半期の決算説明会を開催した。
 今第2四半期連結業績は、売上高45億6100万円(前年同期比4.6%減)、営業利益2億2100万円(同44.8%減)、経常利益2000万円(同60.0%減)、純利益△3800万円(前年同期△27億3100万円)と売上高、営業・経常利益共に前年同期を下回ったが、最終利益は棚卸評価損が大幅に減少した影響で大幅な赤字幅縮小となった。
 売上高を見ると、国内の売上高は37億9300万円(同8.0%減)と償還価格引下げの影響により、減収であった。その内訳は、骨接合材料19億1500万円(同3.4%減)、人工関節11億7800万円(同16.8%減)、脊椎固定器具3億2900万円(同3.1%増)、その他3億7000万円(同8.0%減)であった。
 しかし、米国の売上高は7億6700万円(同16.2%増)と2ケタ増収。ドルベースで比較すると24.6%増と増収率はさらに伸びる。その内訳は、人工関節5億8300万円(同25.5%増)、脊椎固定器具1億7700万円(同7.9%減)、その他600万円(同2.47倍)となっている。米国の売上は、順調に伸びて過去最高を記録。全売上に対する自社製品比率は36.1%と前年同期より0.5ポイント伸びている。

■棚卸資産、有利子負債の圧縮により、財務体質は大幅に改善

 一方、販売費および一般管理費は、25億6700万円(同3.0%減)と経費削減が実現されている。その内訳は、販売関係費は1億5200万円(同2.2%減)。人件費は、物流を見直すと共に、営業の効率化を進めたことで10億9500万円(同2.2%減)となった。一般経費は、iPを活用したことにより、通信費を削減し2億6800万円(同4.8%減)。設備費用については、資産効率運用に伴う医療工具購入を抑制したことにより償却費を削減し、更に、物流拠点などを移転して賃借料を削減したことで、5億3900万円(同16.4%減)となった。ところが、政策的費用は、骨接合材の開発を行うために、研究開発費用が増加したことで、1億4900万円(同48.6%増)と大幅増となった。また、支払い費用については、米国の売上が好調であったことから、ロイヤリティ&コミッションの増加により3億800万円(同13.9%増)。その他は、5300万円(同26.4%減)とコストの削減を図る一方で、新製品の開発費は積極的に投資している。
 営業外損益は、△2億円(前年同期△3億4900万円)と1億4900万円の改善となった。主な要因は、有利子負債削減に伴い、支払利息が前期の△7700万円から今期△4300万円と3400万円減少。また、円高に伴うODEV社への外貨貸付金の為替換算差損を主とした為替差損が前期の△2億3500万円から今期△1億3300万円と1億200万円改善したことによる。
 特別損失は、前期は棚卸資産評価損を主とした37億8600万円を計上したが、今期は医療工具の評価損と資産除去債務を含む3700万円と大幅に減少。
 棚卸資産の推移を見ると、08年5月期137億7500万円、09年5月期122億700万円、10年5月期70億300万円と順調に棚卸資産の圧縮が進んでいる。今11年5月期は、57億円と更に削減する方針。
 有利子負債の推移は、08年期112億2300万円、09年期80億3400万円、10年期56億2300万円と2年間で半減している。今5月期には43億円まで削減する見込み。自己資本比率は07年5月期40.0%であったが、10年5月期は61.0%となっていることから、棚卸資産、有利子負債の圧縮により、財務体質は大幅に改善している。

■2万症例のデーターを示し、過去10年間で何の問題も起きていないことで、医者の信頼を得る

 第2四半期業績は、減収、営業・経常減益という結果に終わったが、通期業績予想は、従来通りに据え置いている。代表取締役社長大川正男氏は、その点に関して、「現在1ドル82円のところを92円で換算していますが、下半期には更に売上の上乗せを実現し、販管費も更に削減するので、円高をカバーし、従来予想の業績を達成できると見ています」と説明した。
 今11年5月期連結業績予想は、売上高102億円(前期比3.1%増)、営業利益7億円(同14.5%減)、経常利益5億2000万円(同9.3%増)、純利益3億円(前期△23億5800万円)と最終黒字転換を見込んでいる。
 下半期の売上の上乗せに関する質問について、大川正男社長は、「売上の増大が見込めるものが現在出てきています。特に北米では、これまでの2万症例のデーターを示し、過去10年間で何の問題も起きていないことが医者の信頼を得ています。その結果、顧客層が増えています。また、下半期には人工股関節の新商品を投入します。更に、ブラジルへの売上も見込んでいます」と説明した。
 商品別の自社製品の比率についての質問には、「骨接合材料は自社製品でありません、すべてジョンソン&ジョンソン社の製品です。人工関節は7割が自社製で、3割が日本メディカルマテリアル社の製品です。脊椎固定器具は9割がジンマー社で、1割が自社製品です。米国販売は、全て自社製品です。現在の自社製品比率36.1%は低いと認識しています。中期経営計画では40%まで持っていきたいと思っています。12年6月になると自社製の骨接合材を販売しますので、50%を超えると予想します。現在開発している骨接合材については、他社製品より良い製品で、日本人に合った製品というコンセプトで開発を進めています」と12年6月に向けて骨接合材の新製品の開発に取り組んでいることを紹介した。
 償還価格の引下げにより、国内は減収となったものの、既に自社製の骨接合材の開発は進んでいて、12年6月からの販売開始に向けて準備は整っている。更に、北米の売上は好調であり、新市場のブラジルへの販売も開始する一方で、中国市場も視野に入れて伊藤忠商事の協力を得ていることから、中期経営計画は着実に実施されているといえる。

>>日本エム・ディ・エムのMedia−IR企業情報