■前期は表参道うかい亭が通年で寄与

リーマンショック以降、世界的な金融不安の影響で、消費不況といわれる真っ只中で高級レストランの決算説明会が開催されたため、同社の業績に注目が集まり、多数のアナリストが出席し、満席状態であった。
前09年3月期連結業績は、売上高131億9500万円(前期比0.4%増)、営業利益6億500万円(同6.4%減)、経常利益4億3500万円(同6.5%減)、純利益5100万円(同73.4%減)と増収であったものの、うかいリゾートの閉店のため、特別損失3億6800万円を計上したことから、大幅な最終減益となった。
消費が落ち込む中で、同社では営業推進室を設け、全店舗の売上拡大策を検討し、実践すると共に、積極的に構造改革を実践しているが、消費不況の影響でほとんどの既存店の売上が減少。しかし、表参道うかい亭が通年で寄与したことにより、既存店の減収をカバーし、10期連続の最高売上高更新となった。更に、有利子負債は、4億7200万円減少して89億4900万円となった。
事業部別に見ると、和食事業56億3100万円(同1.1%減)、洋食事業52億8500万円(同2.1%増)、文化事業22億7700万円(同0.3%増)と洋食、文化事業の売上が伸びた。
店舗別で売上の上位5店舗を挙げると、東京芝(和食)22億3600万円(同3.7%増)、箱根(文化事業)13億8300万円(同2.6%減)、鳥山(和食)13億4500万円(同4.8%減)、横浜(洋食)12億7300万円(同7.5%減)、銀座(洋食)11億5200万円(同5.1%減)の順となっている。上位5店舗の中で、増収となったのは芝の店舗だけで、いずれも他の店舗は減収と不況の影響を受けているが、全体で増収となった要因は、表参道(洋食)8億2200万円(同259.7%増)、河口湖(文化事業)8億9400万円(同5.1%増)の売上増が貢献している。
今期連結業績予想は、売上高132億円(前期比0.04%増)、営業利益5億8000万円(同4.3%減)、経常利益3億8000万円(同12.8%減)、純利益1億8000万円(同247.9%増)と売上は微増収で、営業利益・経常利益とも減益であるが、前期の大きな特別損失が消えるため、大幅最終増益を見込む。
今期の一番のトピックスは、9月に丸の内パークビルディング2階に「GRILLうかい」をオープンすることである。店舗面積330u、客席60席、ランチ3500円、ディナー7000円〜12000円。今期7カ月で2億円の売上を見込んでいる。
その他は、恒例ではあるが、「うかい竹亭」「うかい鳥山」の6月上旬から7月中旬にかけての「ほたる狩り」、7月1日〜8月31日までの「ゆかた祭り」、9月下旬から11月下旬までの奥高尾の「紅葉まつり」と、自然豊かな環境を備えている店舗ならではのイベントである。
洋食事業では、食を中心とした企画を満載し、季節毎の特色あるメニューを紹介する。一方、文化事業では、世界各国の一流品を集めた特別企画を行う。今期は箱根ガラスの森美術館で、「黄金時代のヴェネチアン・グラス展」を行っている。また、河口湖オルゴールの森美術館では「王侯貴族が愛した薔薇の庭園」と題して、ローズガーデン&ローズショップをオープン。
様々な施策を実行するが、その根底に流れている同社の基本理念は「利は人の喜びの陰にあり」であり、企業として成長し続けるには、如何に素晴らしいもてなしを行うことが出来るかにかかっている。その根幹は、如何にして人材を育てることが出来るかにかかっている。マニュアル通りの薄っぺらな決まり文句ではなく、幅広い知識を持ち、真心のこもった言葉使いが出来るよう、先輩が指導員となり、マンツーマンで伝える人材育成法を行っていることが強みといえる。
同日に、中期経営計画の数値目標も発表された。2011年3月期連結業績は、売上高138億円、営業利益6億9000万円、有利子負債82億3000万円。2012年3月期売上高146億7000万円、営業利益11億2000万円、有利子負債67億4000万円を計画している。
2010年11月に日本橋とうふ屋うかい(仮称)を出店する。客席180席、初年度売上高3億4200万円(5ヶ月間)を見込む。1964年に創業したうかいの真髄が江戸文化発祥の地である日本橋に紹介される。これまでに集客力のある都心に進出し、大成功を収めていることから、今後の業績拡大が予想される。
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