2010年11月29日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

うかいは今11年3月期第2四半期連結業績の説明会を開催


■売上高は来客数の減少を主因に、計画比4.2%の減収

うかいのHP 高級和食・洋食レストランのうかい<7621>(JQS)は、11月26日に東京証券会館で今11年3月期第2四半期連結業績の説明会を開催した。
 まず、常務取締役峰尾亨氏が、第2四半期連結業績の説明を行った。
 上半期の話題は、4月うかい竹亭35周年企画〜春〜を銀座うかい亭にて開催。7月通販サイトのリニューアルオープン。8月営業推進室にマーケティング課を設置。9月うかい竹亭35周年企画〜秋〜で片岡鶴太郎の展覧会「秋月照葉」を開催。同じく9月に東京芝とうふ屋うかい5周年記念として新内流し・琴演奏を開催。また、海外との人材交流として、シンガポールへ社員を派遣していること等を紹介した。
 第2四半期連結業績は、売上高61億1000万円(前年同期比1.1%減)、営業利益1億5200万円(同6.6%増)、経常利益7900万円(同33.2%増)、純利益△2億6800万円(前年同期△3300万円)。
 売上高は来客数の減少を主因に、計画比4.2%の減収となった。営業利益については、前年は「GRILLうかい」の開業費があったことから、前年比6.6%の増益。計画に対しては売上高の減収に伴い、大幅減益となった。純利益については、繰延税金資産の取り崩し等を行い、2億7100万円を法人税調整額等に計上したことにより赤字幅拡大となった。

■飲食事業は減収ではあったものの、ほぼ前年並みで推移

 事業別売上高は、和食事業26億9900万円(前年同期比0.9%減)、洋食事業22億8700万円(同1.6%減)、通販3500万円(前年同期0円)、文化事業10億8800万円(前年同期比3.5%減)。
 飲食事業は減収ではあったものの、ほぼ前年並みで推移したが、文化事業は団体客の影響が大きく減収となった。
 和食・洋食事業の店舗毎の売上高、来客数、客単価を前年同期で比較すると、全部門とも上回っているのは、東京芝とうふ屋うかいのみで、売上高2.6%増、来客数1.1%増、客単価1.5%増となっている。次いで好調なのが、表参道店で、売上高4.3%増、来客数6.5%増、客単価2.1%減と売上高、来客数の伸びは、東京芝とうふ屋うかいを上回っている。また、和食事業の全店舗の客単価が上昇し、前期比2.3ポイントアップしている。
 文化事業の売上高、来客数、客単価を前年同期で比較すると、箱根2.2%減、4.0%減、1.9%増、河口湖5.6%減、10.6%減、5.7%増となっている。
 既存店の来客数の減少による減収を客単価・原価率の改善で補っている。原価の内訳を前年同期と比較すると、仕入原価16億2300万円(前年同期比2600万円減)、人件費21億9300万円(同4300万円減)、その他の経費21億4100万円(同700万円減)と経費の削減は実現している。そのため、減収にもかかわらず、営業利益は6.6%の増益となっている。

■有利子負債80億9400万円と前期末比6億1800万円の減少

 バランスシートを見ると流動負債36億9700万円(前期末比5億3100万円減)、固定負債61億6400万円(同9100万円増)、自己資本39憶9500万円(同3億2100万円減)となり、自己資本比率は28.6%と0.7ポイント低下している。
 繰延税金資産8億400万円(同2億6900万円減)、有利子負債80億9400万円(同6億1800万円減)。
 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー4億1900万円(前年同期比1億1800万円増)。減価償却費2億7900万円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額5400万円が主因。
 投資キャッシュ・フロー△1億6700万円(同5700万円減)。固定資産の取得による1億5200万円の支出が主な要因。
 財務キャッシュ・フロー△6億7300万円(同3億9500万円減)。有利子負債の返済で6億1600万円の支出、余剰金による配当の支出4900万円が主な要因。現預金の期末残高は、8億9000万円(同5億4900万円減)。
 今通期連結業績予想は、売上高123億円(前期比0.1%減)、営業利益3億2500万円(同30.1%減)、経常利益1億7000万円(同45.6%減)、純利益△2億3000万円(前期9600万円)と減収大幅減益を見込む。
 事業部別の売上高予想は、和食事業54億円(前期比0.4%増)、洋食事業47億8700万円(同1.0%減)、通販6300万円(前期0円)、文化事業20億5000万円(同2.3%減)を見込んでいる。

■伝統は深化を、体制は進化させ、ブランド価値、ロイヤリティの向上を推進

 第2四半期業績、今通期業績予想の説明に引き続き、代表取締役社長大工原正伸氏が中期経営計画の基本方針と今後の展望について語った。
 中期経営計画の基本方針は、成長ステージを見据え、「深化と進化」を図るとして、「最も大切な企業価値=独自の食文化」を見失うこともなく、時代の変化に即し、伝統は深化を、体制は進化させ、新たな魅力を創出し、ブランド価値、ロイヤリティの向上を推し進める方針。
 計画の骨子は、収益性の向上、成長性の追求、有利子負債の削減の3点。
 まず、収益性の向上として、経営体制の強化、全社的営業推進による既存店の強化、ブランド発信、人材の育成と登用、経費構造の見直しと流れの再構築、オンラインショップのリニューアル、安全・安心の取組と7つの取組を挙げている。
 経営体制の強化については、経営企画室、営業推進室、危機管理室とともに各事業所の組織を強化するとしている。
 全社的営業推進による既存店の強化については、催事・イベント・企画・広報を強化することで、既存店を強化する方針。既に、各店舗での季節に合ったフェアを行う等活性化は進んでいる。また、うかい竹亭の35周年記念イベントとして、春、秋と展示会などを開催し、既存店の魅力をアッピールしている。
 ブランドの発信としては、海外におけるうかい亭フェアを開催し、海外でうかいの広報に努める。また、人材の交流も行う。既に和久田哲也氏がオーナーを務めるマリーナペイサンズホテル(シンガポール)にトレーナーと研修目的で社員4名を派遣している。
 人材の育成と登用については、自信につながる教育を行う。また、計画実行に対する意識の強化も行う。
 経費構造の見直しと流れの再構築については、スケールメリットを活かした計画的仕入れをおこなうとしている。一方、非営業部門の経費削減に努める。
 オンラインショップについては、うかい独自のこだわりの商品作りに努め、とうふ屋うかいのお取り寄せショップとして展開していく。
 安全・安心の取組については、危機管理室を中心に各店舗と第三者機関と連携して安全・安心を実現していくとしている。

■全社一丸となり不退転の決意を持って職責を全うして行く証しとして、役員報酬のカットを決議

 11月5日に今第2四半期、通期連結業績予想の下方修正及び繰延税金資産の取り崩しと役員報酬のカットを発表しているように、厳しい状況である。
 役員報酬のカットについて、「今後、全社一丸となり不退転の決意を持って職責を全うして行く証しとして、本日開催の取締役会において役員報酬のカットを決議しました」と発表。
 役員報酬のカットの内容は、代表取締役社長の報酬月額の50%カット、常務取締役30%カット、取締役10%カット、執行役員8%のカットとなっている。対象期間は11月から3カ月間。
 長引く世界的な不況の影響で、売上高が伸び悩んでいるが、次々と新しいアイデアを出し、積極的にイベント、フェア等を行い、うかいの魅力をアピールしていることが実り、8月は、売上高、客数、客単価全て対前年同月比で100%を超えた。9月は、売上高、97.0%、客数92.7%、客単価104.7%と減少したが、10月は今期2回目全て100%を超えたことから、同社の取組の成果が表れつつある。

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