2011年05月30日
うかい:5月27日に東京証券会館で決算説明会を開催
■震災の影響で3月の売上高は前年同月比60.1%
高級和食・洋食レストランを多店舗運営しているうかい<7621>(JQS)の株価は、3月11日の大震災の影響で3月16日ザラ場で1,473円を付けたが、5月16日には、更にその株価を下回る1,430円を付けている。
株価が震災直後のパニック売りで付けた安値を更に下回った原因は、震災が同社の業績に与えた影響が大きかったことによる。
震災以降、計画停電による営業日数、営業時間の減少や、ガソリン不足、電力不足により自動車、電車の運行が極端に制限されたことで、予約のキャンセル等により、来客数が減少し、3月の売上高は前年同月比60.1%となった。
5月20日に発表された前11年3月期連結業績は、売上高11,809百万円(前年比4.1%減)、営業利益190百万円(同59.0%減)、経常利益53百万円(同82.8%減)、純利益△700百万円(前年96百万円)。
純利益が大幅な赤字となった要因は、河口湖うかいの株式売却損124百万円、災害の損失45百万円、資産除去債務54百万円を特別損失として計上したうえに、繰延税金資産を取り崩したことによる。
■3月の業績が前年並みであったら、前期営業利益予想を大きく上回ったはず
5月27日に東京証券会館で決算説明会が開催された。最も注目された点は、東日本大震災の影響である。最も影響が出た3月の売上高、営業利益を前年3月と比較すると売上高575百万円(10年3月987百万円)、営業利益△100百万円(同132百万円)である。つまり3月の営業利益は前年に比較すると232百万円下回ったことになる。
もし地震も無く、3月の業績が前年並みであったら、営業利益は190百万円プラス232百万円の422百万円を確保していたことになる。11月5日に発表している前期営業利益予想325百万円を大きく上回ったはずである。
それだけに、「2月までは売上も計画通りでした、利益についてはむしろ上ぶれる程でした」(代表取締役社長大工原正伸氏)という言葉にはうなずける。
また、同社が重要視している有利子負債については、7,194百万円(前年比628百万円減)と削減が行なわれている。一方で、年間配当5円を実施している。
■今期業績予想は、減収ながら大幅増益を見込む
今期は、河口湖うかいの株式の一部を譲渡したことから単体の決算となる。業績予想は、売上高10,461百万円(前期比5.7%減)、営業利益456百万円(同2.87倍)、経常利益305百万円(同6.78倍)、純利益137百万円と減収ながら大幅増益を見込む。
飲食事業の4月の売上速報値は、対前年同月比92.7%と3月の60.1%から大きく戻している。5月のゴールデンウィークも客足は戻ってきている。
また、うかい鳥山の「ほたる狩り」、うかい竹亭の「ほたるの夕べ」、とうふ屋うかい大和田店の「ゆかた祭り」、とうふ屋うかい鷺沼店「寄せとうふを食す」「七五三」のイベントが定着していることも業績回復の後押しとなっている。
株価は、底値圏で推移しているが、売上回復が鮮明となるに伴い、株価の見直しが始まるものと予想される。
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