2013年11月12日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

JSP:今第2四半期業績は概ね期初予想を上回るペースで推移


■押出事業は増収ながら減益、ビーズ事業は2ケタの増収増益

 高機能発泡樹脂製品の大手JSP<7942>(東1)の今期14年3月期第2四半期連結業績は、円安により原料価格は高止まりという厳しい環境であったが、北米、南米の自動車販売台数が好調に推移したことと円安効果から、海外の売上高が伸びたこともあり、概ね期初予想を上回るペースで推移した。

 売上高544億65百万円(前年同期比13.1%増)、営業利益27億98百万円(同1.1%減)、経常利益30億95百万円(同5.2%増)、純利益22億78百万円(同12.8%増)と2ケタ増収ながら、営業減益となったが、経常・最終利益は共に増益。

 同社の事業は、押出事業、ビーズ事業の2つに分けられる。

 押出事業は、住宅用断熱材「ミラフォーム」、食品包装資材「スチレンペーパー」の販売は好調であったが、産業用包装材「ミラマット」は大型デジタルテレビの需要減で減収となった。全体としては、売上高187億98百万円(同9.4%増)と堅調であった。利益面については、円高による原料高騰の影響により、営業利益8億98百万円(同21.0%減)と減益となった。同社では、既に利益率の高い製品の販売に注力することで対応している。

 ビーズ事業は、バンパーコア材、内装材等の自動車部品、家電向け緩衝材用途に用いられる「ピーブロック」については、日本では売上減少したが、北米、南米、欧州、アジア共に売上が増加した。魚箱、家電製品用緩衝材、住宅用断熱材用途の「スチロダイア」は、主原料の高騰による製品価格是正が難航したが、価格是正効果で売上は増加した。その結果、売上高330億34百万円(同17.5%増)、営業利益21億79百万円(同14.6%増)と2ケタの増収増益であった。

 その他は、国内では家電市場が低迷し、中国では省エネ家電補助金打ち切りで需要が減少したことにより、売上高26億32百万円(同8.4%減)、営業利益△17百万円(前年同期29百万円)と減収減益であった。

■今期通期業績予想は2ケタ増収大幅増益を見込む

 通期業績予想については、下半期には製品価格是正による利益改善、消費税率引き上げ前の駆け込み需要増が見込まれることから、売上高1,095億円(前期比14.0%増)、営業利益63億(同37.7%増)、経常利益64億円(同29.9%増)、純利益42億円(同26.3%増)と2ケタ増収大幅増益を見込む。

 押出事業は、住宅用断熱材「ミラフォーム」は消費増税前の駆け込み需要、スチレンペーパー新規グレード品の拡販等が見込めることから、通期売上高388億61百万円(同10.6%増)、営業利益20億33百万円(同14.8%減)を見込んでいる。

 ビーズ事業は、「ピーブロック」はグローバル展開が加速し、米国では自動車関連が好調、台湾では梱包材が伸び、ブラジルでも順調であるため、過去最高数量を見込んでいる。「スチロダイア」は土木分野の販売に注力すると共に、価格是正・コスト低減に努めることで、通期売上高652億61百万円(同17.7%増)、営業利益48億49百万円(同80.4%増)と2ケタ増収大幅増益を見込む。

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