
セグメント別に分けると、機械関係事業、材料関係事業、その他の事業の3事業に分けられる。
機械関系事業は、エネルギー開発生産・ガス石油精製・化学関連、エンジニアリング・建設関連、半導体実装装置関連、プラスチック関連の4つに分けられる。
エネルギー開発生産・ガス石油精製・化学関連は、大手石油会社向けの石油精製プラント設備等の売上が大幅に増加。エンジニアリング・建設関連も、大手エンジニアリング企業経由の海外向けエチレンプラント用設備等の販売が好調であった。しかし、半導体実装装置関連は、好調であった韓国・中国等アジア向けのIT・デジタル機器の需要や国内外共に車載関連機器の需要が激減した影響で減収。その結果、機械関連事業全体の売上高は1216億7300万円(同5.8%減)、営業利益26億6300万円(同46.6%減)と減収、大幅減益となった。
材料関係事業は、売上高43億2600万円(同16.9%減)、営業利益7600万円(同26.8%減)と低迷した。
その他の事業は、売上高12億8500万円(同88.7%増)と大幅増収となったものの、営業利益は1億5300万円(同15,4%減)。
キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー85億2600万円、投資キャッシュ・フロー△5億9200万円、財務キャッシュ・フロー△29億8500万円となり、期末の現金及び現金同等物の残高は47億700万円増加して122億8200万円となっている。自己資本比率も33.4%と4.5ポイント改善し、商社としては高い自己資本比率。
今期に関しては、エネルギー・エンジニアリング関連は、受注の期間が長いものの、前期受注が減少したため、売上も減少すると見ており、半導体、デジタル家電、電気・電子関連についてもまだ弱く、いつ回復してくるかにかかっている状況。
まず、主力のエネルギー事業では、新たな分野でのエネルギー事業の確立、ESCO(省エネルギー)事業の拡大、水ビジネスへの参入、環境プラント商品の早期確立、メタンハイドレート(燃える氷ともいわれる石炭、石油に次ぐエネルギー資源)の開発といった新事業への取組を積極的に行う。特に創業以来主要産業となっていて同社の強みであるため、将来を見据え、新エネルギー・プロジェクトを立ち上げ、バイオマスビジネス、地熱発電、太陽光発電、排出取引の分野でのビジネスを活発化する方針。
石油・プラント事業については、プラント内の定期修理案件の受注、掘削機器の拡販、鉄鋼業界向けSMS(system module service)技術・装置、湿式排酸処理プラントの拡販、海外製発電機の拡販に注力。その結果、エネルギー・石油・化学・エンジニアリング事業の今期の売上予想は210億円(前期比42.8%減)を見込む。
エレクトロニクス事業は、実装機中心の単一商品を扱っていたため、実装業界の落込みがストレートに影響し、前期に初めて赤字を計上。しかし、既にエレクトロニクス事業を扱っている本部に新商材開発のための組織を新設していて、顧客拡大に向けての体制を構築している。SMT(表面実装技術)分野での取り組みは、シェア向上、SMT新機種貸出評価の実施、顧客先への提案力の増強、環境商品(リチウムイオン二次電池、X線検査機)の取り扱いの強化、トレサビリティ関連装置の拡販に注力。エレクトロニクス事業の今期売上予想は245億円(同19.7%減)。
プラスチック・セラミックス事業は、前期に家電、自動車部品等の需要が急減したことで、射出成形機及び周辺機器の需要が落込み25%以上の減収であった。そこで、射出成形機の拡販と共にプラスチック成形過程の不良率改善のコンサル契約の拡大を目指すために新たな営業体制を構築。射出成形機は設備更新時期が迫っている顧客もあるが、単体の受注ではなくシステム一式の受注獲得を目指す。周辺機器は、不良改善のコンサル契約を拡大してダイキャスト(短時間に大量生産する鋳造方式)、金属加工機の販路を拡大する計画。今期売上予想は、217億円(同49.7%増)と大幅増収を見込む。
その他の事業は、主に紙・パルプ、自動車、薬品・食品・化粧品からなっているが、紙業界は、業界全体の投資が一巡したため、今期は大幅減収。自動車も減収の見込みであるが、組織を営業部門と開発部門に分けて組織の効率運営を図る。売上高予想は、328億円(同7.6%減)を見込む。
子会社を見ると、医薬品及び電子部品関連事業で、外観検査システム等を開発・製造・販売している第一実業viswill(ビスウィル)の業績は堅調。今期は、錠剤検査装置を食品、化粧品、飲料メーカーの製造ラインにも拡販する一方で、海外顧客からの内需向け設備投資にも注力する。
また、同社が取り扱う各種産業用機械装置のメンテナンス・技術開発・商品開発を行うエンジニアリングカンパニーである第一メカテックの業績も堅調。世界各国で、地元密着型のサービスを提供することで、今後の新規需要の開拓を図る。
注目される新しい取り組みとしては、薄膜Si・タンデム型PVパネル製造パイロットプラントの取扱開始が挙げられる。
次期発電コンビナートでの稼働が主力視されているが、開発が遅れているため、薄膜シリコンのタンデム型太陽電池は、今後各社での開発が活発になると思われる。同社のパイロットプラントを導入すると、安価で薄膜Si・タンデム型PVパネル製造の自社開発が可能になり、しかも社内でプロセスエンジニアの養成が可能となる等のメリットがある。
今期連結業績予想は、売上高1100億円(前期比13.6%減)、営業利益29億円(同0.2%増)、経常利益30億円(同3.0%減)、純利益16億円(同15.5%増)を見込む。配当は中間期4.5円、期末6.5円の年間11円を予想。
世界4軸体制で、各国の様々な企業に最新の設備を提供し、サポート体制を整えていることが同社の強み。