2011年05月09日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

神鋼商事の前11年3月期連結業績は2ケタの増収増益


■主要需要家向けの販売が回復

神鋼商事のホームページ 神鋼商事<8075>(東1)は、4月28日に前11年3月期連結業績を発表した。
 売上高8629億1500万円(10年3月期比25.2%増)、営業利益76億7300万円(同33.5%増)、経常利益63億3300万円(同47.6%増)、純利益33億4800万円(同15.1%増)と2ケタの増収増益を達成。
 同日に、鉄鋼会館で、決算説明会を開催した。
 増収増益の要因は、自動車・半導体・家電及び神戸製鋼グループ等の主要需要家向けの販売が回復し、また粗鋼生産の増加、輸入鉄鋼原料や鋼材価格の上昇等による。
 4半期毎の売上高の推移を見ると、第1四半期2075億円(前年同期1609億円)、第2四半期2149億円(同1746億円)、第3四半期2204億円(同1753億円)、第4四半期2200億円(同1786億円)とリーマンショックの影響が残る10年3月期と比較すると売上高が回復していることが分かる。しかしリーマン以前の08年の売上高1兆343億円には届いていない。
 セグメント別の売上高、営業利益は、鉄鋼2657億円(同13.2%増)、28億円(同80.6%増)、鉄鋼原料3366億円(同43.2%増)、10億円(同6.6%増)、非鉄金属2096億円(同37.1%増)、12億円(同77.0%増)、機械・情報470億円(同24.8%減)、2億円(同69.8%減)、溶材534億円(同8.5%増)、9億円(同25.5%増)と機械・情報だけが減収減益となっているが、そのほかのセグメントは増収増益であった。
 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー△41億8800万円、投資キャッシュ・フロー△10億3400万円、財務キャッシュ・フロー19億7900万円となり、現金金及び現金同等物は129億8900万円(同34億600万円減)となっている。外部有利子負債は467億円(同22億円増)。

■長期経営計画を達成するために、今期も引続きグローバル展開を推進

 前期はリーマンショックからの回復により、2ケタ増収増益を達成し、順調に業績は回復している。また、10年5月24日に同社の10年後のあるべき姿を具体的に示し、計画を実現するためにグローバル展開を進めた。
 2020年の具体的な経営数値目標として、売上高1兆3500円以上、経常利益130億円以上、自己資本比率20%以上を掲げている。
 その時の世界各国との取引高は、ヨーロッパ350億円(09年度70億円)、中近東300億円(同150億円)、中国2150億円(同380億円)、アジア2300億円(同1050億円)、インド500億円(同60億円)、豪州・オセアニア1800億円(同1200億円)、北米1050億円(同370億円)としている。南米については、将来ブラジルを拠点とする方針を示すのみで、まだ20年までは、取引は発生していない。
 長期経営計画を達成するために、前期は、10年7月にドバイ事務所を開設、10年12月には神商精密器材(蘇州)有限公司を設立し、また、11年3月にはKOBELCO TRADING INDIAを設立した。最近では、ベトナム、インドネシアの現地法人設立を申請している。
 今期のグローバルビジネスについては、拠点を拡充すると共に、拠点を活かし原料・素材・機械の供給、製品の複合的販売を拡大し、海外取引の比率を50%にする方針。
 また、商社機能の強化策として、事業運営型ビジネスの拡大、提案型ビジネスの強化、成長分野への取組を積極的に行い、神戸製鋼グループの中核商社となることを挙げている。
 更に、経営基盤を充実するために、人材の確保と育成、財務体質の強化、経営システムの充実を促進するとしている。
 同社では、長期的な目標を掲げ計画達成のために、着実に海外への進出と共に、経営基盤を強化している。しかし、今12年3月期連結業績予想については、3月11日に発生した東日本大震災の影響により、未定としている。

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