イワキの第２四半期連結業績は増収大幅増益で黒字転換

　医薬品、医薬原料商社のイワキ＜８０９５＞（東１）は、９日の引け後に今１０年１１月期第２四半期連結業績を発表した。
　売上高２４４億６９００万円（前年同期比７．４％増）、営業利益２億４１００万円（同２０倍）、経常利益２億７７００万円（前年同期△３億９５００万円）、純利益６９００万円（同△４億７３００万円）と増収大幅増益で黒字転換。
　同社の売上は、医薬品事業、医薬・香粧原料事業、化成品事業、食品原料事業の４事業に分けられている。

■医薬品事業は、大幅に赤字幅を縮小、医療用医薬品は順調

　医薬品事業では、政府のジェネリック医薬品使用促進策や調剤薬局の開拓により、医療用医薬品は順調であったが、新型インフルエンザの終息により消毒剤は低調であった。一般用医薬品は、順調に推移した。一方、総合感冒薬や鼻炎治療薬、目薬などが低調であった。その結果、医薬品事業は、売上高８７億８３００万円（同１．１％増）、営業利益△４７００万円と前年同期の△１億６８００万円から大幅に赤字幅を縮小したものの黒字転換にはもう一息というところであった。

■医薬・香粧原料事業は、増収ながら価格競争により減益

　医薬・香粧原料事業については、医療用医薬品原料は、解熱鎮痛剤や抗アレルギー剤は堅調に推移。ジェネリック医薬品原料も順調。一般用医薬品原料は、海外の需要拡大の恩恵を受けたが、ビタミンＢ２誘導体は、価格競争により低調であった。化粧品市場は、低価格帯製品への消費動向が依然続いており、中・高価格帯製品向け主力原料は低調であったが、受託加工品や海外からの製品輸入は好調。また、新規取引先の獲得、事業領域の拡大を実現。健康食品原料は、美容・アイケア・関節関連素材の安定納入及びリニューアル提案が奏功。その結果、医薬・香粧原料事業は、売上高は８９億８１００万円（同３．３％増）となったが、価格競争の影響から、営業利益は４億９０００万円（同１０．０％減）となった。

■化成品事業は、大幅増収増益で黒字転換、メーカー向けの輸出が好調

　化成品事業については、めっき薬品は、韓国・台湾企業向け輸出や、中国をはじめアジア諸国に製造拠点を置く日系のプリント配線板・電子部品・半導体メーカー向けの輸出が好調であった。一方、国内でも徐々に回復傾向にある。また、化学品原料もめっき薬品向け・機能樹脂向けが回復傾向にあり、塩ビ安定剤原料や溶剤関連原料は好調に推移した。連結子会社の医薬中間体は、価格競争の煽りを受け低調に推移。特殊化成品は、ポリマー重合触媒は、大幅に落ち込んだが、大型新製品の受託が具体化し伸長。この結果、化成品事業は、売上高４７億１２００万円（同３５．４％増）、営業利益は６０００万円（前年同期６６００万円の営業損失）と大幅増収増益で黒字転換となった。

■食品原料事業は、増収ながら大幅減益、主力の酵母エキス製品が低調

　食品原料事業については、関連会社製品は、ビーフ系調味料の新製品を上市したが、受託ビジネスの新規獲得が計画を下回った。輸入原料は、農産加工品が家庭用製品向けに伸長し、アミノ酸調味料の新規販売も下期成果へ向け進展。しかし、主力の酵母エキス製品が、粗原料の高騰を主因とした大幅値上げの影響を受け、低調に推移した。この結果、事業全体の売上高は１９億９１００万円（同４．１％増）、営業利益６１００万円（同２９．４％減）と増収ながら大幅減益となった。

■前期あった持分法による投資損失４億６８００万円が消えたことで、大幅増益黒字転換

　損益計算書を見ると、７．４％の増収で原価率が０．３９ポイント改善したことで売上総利益は３５億８７００万円（前年同期比１０．０％増）となった。また、販管費率が１３．６７％と前年同期より０．５８ポイント改善したこともあり、営業利益は大幅増益となった。更に、前期あった持分法による投資損失４億６８００万円が消えたことで、経常利益以下も大幅増益黒字転換となった。
　貸借対照表を見ると、流動負債は前期末とほぼ同じの１７３億２４００万円、固定負債は長期借入金を１２億返済したものの退職給付引当金が膨らんだことで前期末とほぼ同額の１９４億４２００万円、純資産は前期末比６７００万円増の１１３億７１００万円となり、自己資本比率は前期末より０．１ポイント改善し３６．９％となっている。
　今１０年１１月期通期連結業績予想は、売上高５０６億円（前期比５．５％増）、営業利益５億３０００万円（同７６．２％増）、経常利益６億４０００万円（同６３３．２％増）、純利益２億５０００万円（前期△１億１８００万円）と増収大幅増益で黒字転換を見込む。

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