■在庫が少ないのが悩みの種というほど販売は好調
戸建競売物件のリニューアル販売を手掛けるやすらぎ<8919>(名セ)は、6月25日に6月度(5月21日〜6月20日)の販売状況を発表した。
販売戸数は東日本エリア93戸(対前年同月比26.0%増)、首都圏・東海エリア55戸(同31.0%増)、西日本エリア136戸(同18.0%増)で、合計284戸(同23.0%増)となった。
5月22日に発表された今10年第1四半期連結業績は、売上高123億4600万円(前年同期比21.5%増)、営業利益9億4200万円(同77.7%増)、経常利益7億6200万円(同118.3%増)、純利益6億5000万円(同115.23%増)と大幅増収増益であった。
6月度の数字も今期の業績が順調に推移していることを裏付ける数字といえる。1月21日〜6月20日までの累計の販売戸数も1444戸(同20.0%増)と順調。今期の販売計画は3000戸であるが、5ヶ月の進捗率は48.13%と計画を上回るペース。従って、第1四半期の純利益6億5000万円を単純に4倍すると今期の最終利益となる計算であるが、収益物件運営事業の売上が計画未達であり年間を通じて赤字も予想される上に、11月に転換社債の償還期日を迎え46億円を返済するため、通期連結業績予想は、売上高390億円(前期比5.8%減)、営業利益12億9000万円(同43.0%減)、経常利益3億7000万円(同72.4%減)、純利益△4億7000万円と最終赤字を見込んでいる。
しかし、現状としては、在庫が少ないのが悩みの種というほど、販売が好調で、仕入れてから販売するまでの期間が5ヶ月を切っている。顧客の購入意欲は旺盛であることから、如何にして売るかではなく、如何にして販売するための在庫を増やすかが課題として浮上している。一時期は在庫が3000戸もあり、どう売却するか頭を悩ませた頃と状況は一変している。しかも第1四半期の現金及び現金同等物は前期末に比較して22億9700万円増加し、81億2000万円と財務内容も好転している。
今期より、創業者の長男である須田 力氏が代表取締役社長に就任したことにより、長年の営業畑の経験が経営方針に反映されていることから、再度成長路線が始まったと思われる。