2010年02月25日
やすらぎ:代表取締役社長須田力氏が今期の計画について語る
■長期在庫はほとんどなくなり、1年を越える物件は10件程度
競売物件の買取販売のやすらぎ<8919>(名セ)は、24日に前10年1月期の決算説明会を東京証券会館で開催した。
取締役財務本部長 舩田啓氏は、「前期は在庫回転率を高め、中古物件3050棟販売しました。しかし、単価は1棟当たり120万円減少したため減収となりました。また、子会社のプロパティの抱える長期物件の販売も想定以上に売却が進みましたが、赤字販売も多く、収益は悪化しました。そこで、昨年10月21日にやすらぎと合併したことで、貸倒引当金22億7000万円は消えたものの、やすらぎは33億円を繰越欠損金として計上。しかし、赤字の会社を吸収したため、30億円は課税対象となりませんでした。また、これまで課題であった、長期在庫はほとんどなくなりました。1年を越える物件は10件程度です。今後は、プロパティが抱えていた収益物件28億円を何処まで売却するか、それとも賃貸収入物件として持ち続けるのか、状況によって判断する方針です」と前期の説明を行なった。
■新築住宅に進出することを発表
代表取締役社長 須田力氏は、今期の計画について「中古物件を3000棟、新築住宅を125棟、収益物件25棟を合わせ合計3150棟販売する計画です」と新築住宅に進出することを発表した。「新築住宅は創業時に行なっていたので、丸っきり知らないわけではありません。既に80件仕込んでいます。残金待ちが50件です。土地付の物件で、販売価格980万円から1200万円と価格帯も安い戸建住宅です。新築住宅を始める理由は、年間中古住宅を3600棟以上手掛ければ在庫回転率が落ちるため業績が頭打ちになります。そのため、利幅の取れる新築を開始することで、業績を伸ばしていく計画です」と今後の計画を語った。
■長期在庫、転換社債の償還、借入金といった問題は解決し、今期は新生やすらぎの再スタートの年
最後に、常務取締役高原俊介氏が、「マーケットでは、転換社債の償還期限が近づいてきたことで償還できるのか不安だという見方もありましたが、昨年11月2日に35億2500万円の繰上げ償還を実施しました。また、ピーク時は600億円あった銀行からの借入金も現在では、52億円に減少しています。従って、自己資本比率も60.4%と24.5ポイント改善し、健全な財務状況となっています。銀行との関係も良好で、条件を変えることなく3月には借り入れのロールオーバーができると見ています」と既に資金面での問題は解消していることを説明した。
今11年1月期連結業績予想は、売上高324億9000万円(前期比18.4%減)、営業利益14億3000万円(同82.4%増)、経常利益8億3000万円(同397.0%増)、純利益4億5000万円(同22.5%減)と減収ながら、営業・経常利益共に大幅増益を見込む。最終利益の減益は税金の影響。
長期在庫、転換社債の償還、借入金といった問題は解決し、今期は新生やすらぎの再スタートの年といえる。