■サービス料金の改定等で約6億5000万円のサービス収入増

税理士には、税理士会の会則で、年間の研修受講時間が努力義務として定められている。そこで、同社は『MJS税経システム研究所』の客員研究員を講師に招いて、全国各地で年間300回以上のセミナー・研修会を開いている。業界発展のための取り組みとして、業界トップレベルの多彩なセミナー・研修会を開催しているため、全国の税理士からの信頼、関心も高い。
現在、会計事務所向けのソフトの開発・販売を行っている企業は、同社の他に、TKC、JDLなどがあるが、シェアはほとんど変わっていない。そこで、同社では更にシェアを拡大するための施策として、ミロク会計人会という同社のシステムを利用しているユーザー会と協力し、会員事務所数の増強を図っている。
このように会計事務所マーケットにおけるシェアを高めることで、その先の顧問先企業という潜在マーケットが更に拡大する。「会計事務所に元気な企業を紹介いただけるので、不景気でも成約率は大きく下がりません。」(IR担当者)と同社の強みを活かした営業方法が功を奏している。
一方、本年2月以降にソフトの保守・メンテナンスのサービス料金を改定している。「競合企業と比較しても余りに安価なサービスでしたので、厳しい時代ですが、ご理解いただくことができました。」(IR担当者)とのこと。その代わり、昨年11月から営業約240名全員が、全国8,400の会計事務所を1事務所ごと訪問して説明したため、前期の第3四半期の売上は減少した。しかし、今期は値上げ効果と契約数の拡大により、サービス収入全体で約6億5000万円の増収を見込む。
今期は消費不況で経済が停滞している厳しい環境であるが、大胆な組織変革を実施。具体的には、中堅企業をターゲットとするソリューション事業本部と会計事務所・顧問先企業をターゲットとする会計事務所CP事業本部の2つに分けて、それぞれの本部に営業部門と開発部門を置き、完全な製販一体化を実現し、経営の意思決定のスピードアップを図り、社員の意識革命とコミュニケーション強化、活性化を図ったことである。
一方で、景気低迷を考慮して、契約系(ハード・ソフトの販売)の売上を抑え、安定系(保守・メンテナンス)収入の大幅増加を計画している。
会計事務所及び顧問先企業に対しては、新規会計事務所獲得のための製品・価格戦略の推進、顧問先企業向け自計化ツール「iCompassシリーズ」「ACELINK Navi記帳くん9」の拡販、「SOXBOX」「FortiGate」等のセキュリティ製品やデジタル複合機などの拡販を行う。
企業ビジネスに対する施策としては、「Galileopt」の機能強化とPM・SEの育成強化によるソリューションビジネスの強化、ワークフロー機能を強化した「MJSLINKUシリーズ」の拡販とリプレース販売の促進、パートナー企業の活性化、新規獲得による販売力強化を挙げている。
以上のような施策を実行することで、10年3月期連結業績予想は、売上高192億円(前期比0.1%増)、営業利益9億7700万円(同17.2%増)、経常利益9億円(同14.2%増)、純利益3億7500万円(同1554.9%増)と微増収ながら大幅増益を見込む。
セグメント別売上予想は、契約系のハードウェア、ソフトウェア、ユースウェアを合わせると126億2500万円(同4.1%減)と不況の影響で減少すると見ている。
安定系のサービス収入、サプライ用品の売上は63億9000万円(同13.7%増)と前期にサービス料金の改定を実施していることから2ケタ増収を見込む。
現代表取締役社長是枝周樹氏が社長に就任した4年前は、安定系の売上が少なかったが、就任当時から収益基盤を強化するために安定系の売上を伸ばす戦略を推進してきた。前期で業界水準の保守・メンテナンスのサービス料金まで引き上げたことで、利益率の改善が進んだ。また、前期は有価証券の評価損3億7300万を計上していることで、最終大幅減益となったが、前期に評価損を出し尽くしたことで、今期の大幅最終増益は期待できる。
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