2010年05月31日
ミロク情報サービスは前期は減収ながら大幅増益、純利益5億5800万円
■利益率の高いサービス収入の増加により売上総利益率が2.2ポイント改善
ミロク情報サービス<9928>(東2)の前10年3月期連結業績は、売上高188億4300万円(09年3月期比1.7%減)、営業利益11億6900万円(同40.2%増)、経常利益11億3500万円(同44.2%増)、純利益5億5800万円(同2215.5%増)と減収ながら大幅増益を達成した。
売上高は単体では増収だったが、子会社の受託開発事業が低迷したことで全体では減収となった。しかし、利益面では利益率の高いサービス収入の増加により、売上総利益率が2.2ポイント改善したうえに、グループ全体の経営効率を高め、経費削減により1億2100万円圧縮したことで、営業利益以下が大幅な増益となった。
■TVSでは新規契約事務所の獲得数232件
ソフトウェア、ハードウェア、ユースウェアの販売を行う契約系の売上高は124億3000万円(同5.6%減)であった。
一方の保守サービスとサプライ販売の安定系の売上高は62億2700万円(同10.8%増)と2ケタの増収。
サービス収入の内訳は、TVS(トータル・バリュー・サービス)17億5400万円(同30.1%増)、ソフト更新料1000万円(同31.5%減)、ソフト使用料3億500万円(同21.4%増)、ソフト運用支援サービス23億4200万円(同7.0%増)、ハード・NW(ネットワーク)保守11億2700万円(同4.7%減)であった。
TVSは、新規契約事務所の獲得数232件により、契約事務所数が増えたことで、収益が増加した。また、税務・会計法規総合データベースによる情報提供やオンラインセミナー等のWebコンテンツ、各種サービスを強化し、併せて昨年2月より料金の改定を実施したことにより収入増となった。
■現金及び現金同等物の期末残高は29億2400万円と3億6800万円増加
ソフト運用支援サービスも新規顧客獲得とリプレイスの契約促進により増収。
貸借対照表を見ると、流動負債は、未払い法人税等3億3400万円増加したことから58億4100万円(同4億9700万円増)、固定負債は長期借入金が5億8200万円減少したことから14億3800万円(同3億3000万円減)、純資産は77億6100万円(同7900万円増)となり、自己資本比率は51.6%と0.3ポイント低下。
キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー13億1600万円、投資キャッシュ・フロー△2億1500万円、財務キャッシュ・フロー△7億3400万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は29億2400万円と3億6800万円増加している。
■継続的な保守サービス収入の拡大で、安定成長、高収益体質への転換を図る
今期11年3月期連結業績予想は、売上高189億円(前期比0.3%増)、営業利益12億円(同2.6%増)、経常利益11億5000万円(同1.2%増)、純利益5億6000万円(同0.3%増)と増収増益を見込む。
今期は安定成長と高収益体質に転換することを目標に掲げている。これまでは、ユーザーリプレイスを中心に導入契約時の一括収入で利益を稼ぐ傾向が強かったために業績が安定せず、総売上高も横ばいの傾向であったことから、これからは新規顧客開拓により顧客基盤を広げ、継続的な保守サービス収入の拡大により、安定成長、高収益体質への転換を図る計画。
今期の売上高に関しては、会計事務所ユーザーの「ACELINK Naviシリーズ」への買い替えが一巡しつつあるため、会計事務所向けの売上は減少を見込む。それを補完するために会計事務所の顧問先企業や一般の企業マーケットに対して新規顧客開拓を積極的に行い、併せてソフト保守契約増によるサービス収入の拡大を計画している。
契約系の売上計画は、会計事務所向け35億800万円(同21.2%減)、一般企業向け66億7600万円(同14.0%増)、パートナー向け10億1500万円(同18.3%増)を見込んでいる。
安定系売上高は64億8300万円(同4.1%増)を計画。
今期の期末配当は前期と同じく12円を予定している。