2009年07月13日
ストリーム:独自開発のECカレントを武器に家電通販で急成長
■売上1000億円と東証1部上場が次なる目標

 ストリーム<3071>(東マ)は、パソコン、家電など7万点に及ぶ商品を独自開発のサイト『ECカレント』で販売し急成長。早い時期に現在の売上365億円を1000億円として、東証1部上場することが目標。劉社長は中国安徽(あんき)省の出身。天安門事件に巻き込まれて大学を中退し「武士道」にあこがれて1989年に来日。東京商船大学に学び、日本企業の就職を経て99年に同社を設立。

■「武士道」にあこがれて来日、得意の数学、情報処理技術で独自路線築く

――業績を拝見しますと、04年1月期に81億円台だった売上は05年1月期に124億円弱へ大きく増えています。営業利益も05年1月期の800万円が06年1月期には2億1000万円へ大幅な伸びです。これは、どのような理由によるものですか。

 【劉社長】 2002年にネット通販へ進出したためです。それまでは、パソコンなどの電子機器の輸出を手がけていました。輸出先は香港などです。

――社長さんは中国のご出身ですね。

 【劉社長】 そうです。安徽省(あんきしょう)で育ちました。大学3年の時、天安門事件で学生運動が激しくなって、学校を中退、日本へ来ました。

――なぜ、日本に。

 【劉社長】 以前から、日本の武士道に対するあこがれもありました。

――社長さんの面構えは、「武士」のようで、強そうです(笑)。

 【劉社長】 そうですか。ありがとうございます(笑)。

――日本にいらしてからは、どのような。

 【劉社長】 89年に日本に来て、1年間、日本語を学んで、東京商船大学に入学、情報処理システムなどを学びました。もともと、中国の大学時代は数学を専攻していましたから、情報処理関係には強い関心がありました。卒業して亜土電子に入社しました。ここで、香港や中国へ日本の電子機器を輸出する事業を立ち上げ成績を上げました。しかし、亜土電子の業績悪化で輸出も撤退するというので、退社して、99年にストリームを設立して自ら輸出に取り組みました。そして、2002年に、お話しましたネット通販に新たに進出して今日に至っています。

■関東1都7県において最速当日配送の流通も構築

――なぜ、日本で、家電量販店ではなくネット通販を選択されましたか。

 【劉社長】 資金力では、到底、われわれは、大手家電量販店には太刀打ちできません。メーカーとの仕入れ交渉でも劣ります。しかし、一方で、リアル店舗では地代、人件費などの経費が多くかかります。この経費の点で、ネット通販は強さがあります。しかも、流通面でわれわれは、リアル店舗と同じような仕組みを構築しました。

――御社のECシステムは他社にない強さがあると聞いています。

 【劉社長】 2004年から2年かけて、自前で開発した『ECカレント』というECシステムで価格自動更新に強みがあります。特に、ネット販売では価格の比較が重要です。巡回ロボットが、各ネット通販の価格比較サイトから価格情報などを収集します。そのうえで、当社の価格設定ルールに照らし合わせて、ルールに合致すれば自動的に価格を更新する機能です。従来は、この更新を手作業でやっていました。パソコンから家電品まで7万点に及ぶ商品を扱う今日、このシステムは大きい力を発揮しています。又、入金、受注そして物流のシステムが連携させることで、1都7県においては最速で当日にお届けする流通システムを構築してサービス向上に努めています。

■社内ルールに基づいて大量の商品価格を自動更新

――社内ルールとは。

 【劉社長】 たとえば利益率5%ルールがあります。この数値を割込むと価格更新の自動化から除外され、徒に安値販売を行わないようになっております。これは、われわれが、「安売り」をすることが目的ではなく、「より良い価格」で商品をご提供させて頂くことを考えているからです。

■売上1000億円と東証1部上場が次なる目標

――09年1月期は売上高291億円強、営業利益2億1300万円です。今期の見通しと、先行きの目標についてお願いします。

 【劉社長】 10年1月期は発表しています通り、売上で25.5%増の365億69百万円、営業利益44.6%増の3億8百万円の見通しです。配当は年600円を予定しています。さらに、先行きとしては年間売上1000億円と東証1部上場が目標です。

――ありがとうございました。