毎朝4時起床、神棚と仏壇にお参りして自宅近くの「舞岡公園」で1時間半の散歩が健康法
――とても72歳のお歳には見えませんが、どのような健康法をおやりになっていますか。
津久井社長 毎朝、散歩をしています。よほどのドシャ降りでないかぎり毎日です。
――公園を。
津久井社長 そうです。自宅近くに舞岡公園(横浜市戸塚区)という、広さが28万5000平方メートルの大変広い公園があります。野兎やリスもいるすばらしい緑に包まれた公園ですが、ここで1時間半、歩行数で約8000歩、鉄棒のブラ下がりも取り入れて朝の運動です。森林浴もできて、すがすがしい気分です。そのあとに朝風呂です、これも、なんとも言えぬ、いい気持ちです。こうした朝の日課が健康法です。
――朝は早いのですか。
津久井社長 大体、4時に起きて、神棚と仏さんにお参りして、感謝の気持ちを申し上げてから、4時半くらいに出かけます。
――夜は早くお休み。
津久井社長 ジャイアンツと横浜のファンですが、最近、どちらも弱いですからテレビを見ることもなく、早寝早起ができて、いいですよ(笑)
――最初は建設会社をお創りになったのですね。
津久井社長 昭和44年に津久井土木を設立、土木建設会社としてスタートしました。
――現在は土木事業はありませんね。
津久井社長 平成16年にジャスダックへ上場しましたが、上場するにあたって建設を切り離し福祉事業に特化しました。
母への感謝の思いを胸に「福祉に・ずっと・まっすぐ」の経営貫く
――土木建設から福祉事業を手がけられたきっかけは、どのようなことでしたか。
津久井社長 わたしは山梨県の出身ですが、わたしが4歳のときに父が亡くなり、母が兄と妹とわたしの3人を苦労して育ててくれました。そんな母に認知症がみられるようになったため、特別養護老人ホーム(野庭苑)を作って入れてあげようと思い、昭和58年に福祉事業部を新設しました。当時としては規模が104名、そのうち認知症の部屋も20室と非常に大きいものでした。当時の建設業界はたいへん好況のときでしたから、同業の方々からはどうして福祉を始めるのだと言われました。しかし、特別養護老人ホームが完成する前に母は亡くなりました。
――そうですか、心残りでしたね。
津久井社長 施設は間に合いませんでしたが、気持ちを込めた内容のよい施設を作ったことで各方面から高い評価をいただき、その後、全国で介護事業を展開するにあたってたいへんスムーズに進めることができました。
――現在の売上構成をお願いします。
津久井社長 昨年9月中間期では売上高142億2200万円(前年同期比23.2%増)でしたが、この内、「在宅介護事業」が117億4100万円で主力です。このほか、「有料老人ホーム事業」が9億3800万円、「人材派遣事業」が15億2900万円他、という構成です。
全国388拠点で在宅介護事業を展開、内容重視しすべて直営体制
――高齢化社会をむかえて介護サービスの必要性はますます高まると予想されます。しかし、一方で介護保険料の中で事業をやっていかなくてはならない厳しさがあると思います。そうした中で介護事業者による不正請求が社会問題化しました。どのように対応されますか。
津久井社長 将来的に介護サービスのニーズはますます高まると予想されます。とくに、介護事業者は法令を順守し健全な運営を確保できる仕組み作りが求められています。当社は5年前に立ち上げた内部監査室のスタッフを9名に増員し内部監査体制を強化しています。現在、全国に388の営業拠点がありますがすべて直営です。フランチャイズ(FC)や子会社方式と違って社長の指示が末端まで速やかに伝達できます。388拠点のうち1ヶ所にでもミスが起きると事業運営そのものがだめになりますから、これからも直営でやっていきます。それと、介護保険サービス以外の事業を拡大し収益体質を強化するため、在宅介護事業に加えて「有料老人ホーム事業」(現在16施設)、「人材派遣事業」(介護・福祉に特化し、現在43営業拠点)の3事業を柱に引き続き成長戦略を進めています。
有料老人ホーム事業、人材派遣事業を加え3事業を柱に6年後には年間売上1000億円目指す
――08年3月期についてお願いします。
津久井社長 今年2月に利益について08年3月期を上方修正しています。営業利益は従来予想を1億5000万円上回る11億7000万円(07年3月期は4億1900万円)、経常利益も1億6700万円上回る11億3000万円(同3億4400万円)です。売上高は300億円(同242億4200万円)の見通しです。
――将来性があるということで売上1000億円の期待も高いようですが。
津久井社長 中期計画では前年比23%の伸びを目標としていますが、その先も同じ伸びなら6年後には1000億円という計算です。目指したいという気持ちはあります。業界では1位の会社が断トツで、2位との差が大きいため、当社が内容のしっかりした名実ともに2位の会社になりたいと思っています。「福祉に・ずっと・まっすぐ」のスローガンのもと、経営を推進して行きます。