テラ:樹状細胞ワクチン「バクセル」はがんワクチンとして最適化された技術
■標準的ながん治療と組み合わせることでがんに対してより効果的
テラ<2191>(JQS)は10日、前13年12月期決算説明会を開催した。
同社代表取締役社長矢ア雄一郎氏は、決算の概況を説明する前に以下のように話した。
「当社は、2004年東京大学医科学研究所の技術をもとに設立されたベンチャー企業です。当社の強みは治療用の細胞を安定的に高品質に作る技術を持った会社であり、当社の樹状細胞ワクチン「バクセル」は、特許技術やエビデンスが重ねられた、がんワクチンとして最適化された技術です。バクセルはまさしく唯一無比の細胞ワクチンであり、究極の個別化医療であると言えます。そのため、このワクチンをより多くの患者の皆さまに少しでも治療の早い段階において届けることができるように、保険適用を目指していきたいと考えております。現在、がんは2人に1人が罹患し3人に1人が亡くなる病気と言われています。わたくしの思いとしては、このテラの樹状細胞ワクチン「バクセル」が、誰でも気軽に使えるような治療となることを目指していきます。ここで皆さまにおぼえていただきたいことは、このバクセルは、いま日本で受けられる標準的ながん治療と組み合わせることでよりがんに対して効果が期待できるということです。すなわち現在行われているがん治療と非常に相性が良い治療と言えます。この樹状細胞ワクチン「バクセル」は、免疫療法の一つです。免疫療法は、1970年代の初めから様々な免疫療法が開発され、進化しています。その進化によって免疫療法は、より効率的に免疫力を発揮出来るようになってきました。「バクセル」は、免疫療法の中でも、最新世代の治療法である言えます。」とバクセルについて語った。
同社は、世界で認められたがん抗原「WT1ペプチド」の独占実施権、東京大学医科学研究の「細胞培養技術」、世界トップクラスである7,600症例の「臨床実績」と3つの強みを持っている。
13年12月期連結業績は、がん治療用再生医療等製品として「バクセル」の承認取得に向けた研究開発費が嵩んだことで、売上高15億39百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益23百万円(同89.5%減)、経常利益△24百万円(前年同期2億20百万円)、純利益△58百万円(同99百万円)と減収減益であった。
事業別の業績は、細胞治療技術開発事業については、売上高は症例数が伸び悩んだことで10億98百万円(同9.4%減)となった。営業利益は、減収に加え、がん治療用再生医療等製品として樹状細胞ワクチン「バクセル」の承認取得に向けた取り組み等に関する研究開発費等の増加により46百万円(前年同期は1億52百万円)と減益となった。
細胞治療支援事業の売上高は、細胞培養装置等機器販売の新規受注が順調であったことから4億73百万円(前年同期比42.1%増)、営業利益79百万円(同14.2%増)と大幅な増収となった。
契約医療機関は全国に33か所(前年同期29か所)、累計症例数は約7,600症例(同約6,300症例)と共に増加している。
今期14年12月期連結業績予想は、売上高20億90百万円(前期比35.7%増)と大幅増収を見込むが、利益面では「バクセル」の承認取得に向けた研究開発費が増加することから営業利益△1億35百万円、経常利益△1億56百万円、純利益△1億54百万円を見込んでいる。
同社では、日本初の再生医療等製品として条件付(早期)承認制度を活用した樹状細胞ワクチン「バクセル」の承認取得を実現するため、2014年度中の治験届提出を目指している。
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