2013年07月11日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

エスプール:障がい者雇用支援サービスが予想を上回るペースで伸びる


■5日に今期13年11月期第2四半期決算説明会を開催

 エスプール<2471>(JQS)は、5日に今期13年11月期第2四半期決算説明会を開催した。

 今期第2四半期の業績は、4日に利益面での大幅上方修正を発表したことから分かるように、順調に推移している。中でも障がい者雇用支援サービスが予想を上回るペースで伸びている。

 5月期第2四半期連結業績は、売上高26億円(前年同期比1.9%増)、営業利益59百万円(同149.5%増)、経常利益52百万円(同201.5%増)、純利益44百万円(同685.6%増)と増収大幅増益を達成した。

 同社の事業は、ロジスティックス、キャンペーン、障がい者支援等のアウトソーシングサービスを行うビジネスソリューション事業と、家電量販店や携帯ショップ、コールセンター向けの派遣などを行う人材派遣サービスの人材ソリューション事業を展開している。

 事業別の売上高、営業利益は、ビジネスソリューション事業9億41百万円(同9.2%増)、90百万円(同119.5%増)、人材ソリューション事業17億27百万円(同1.1%減)、1億44百万円(同8.3%減)であった。

■人材派遣サービスに関しては、上期より池袋、上野、銀座に3支店を開設

 第2四半期までのサービス毎のトピックスは、人材派遣サービスに関しては、都内の派遣スタッフの採用の強化を図るため、上期より池袋、上野、銀座に3支店を開設した。また、駅構内のコンビニ向けの派遣が関西地区からスタートしている。下期は関東地区やその他の地区への拡大を予定している。

 ロジスティックス・アウトソーシングは、ネット通販の発送代行サービスでの新規顧客の獲得が進み、既存の平和島センターは満床になっている。更に、運営代行サービスでは、神奈川県で大型案件を獲得し、下期より収益に貢献すると見ている。

 障がい者雇用支援サービスについては、4月に障がい者雇用の法改正が行われ、法定雇用率が1.8%から2.0%に伸びたことから、大手企業からの問い合わせが増加している状況であり、サービスの需要が高まっている中で大型案件を受注した。一方の、就労移行支援サービスも、順調な滑り出しで、計画を上回るペースで定員を確保している。

 その他のサービスでは、総合スーパー、ドラッグストアー、ホームセンターへの消費財メーカー等の営業の代行、販売促進業務の受託を行うマーチャンダイジングサービスを4月より開始した。業界の経験者を迎え、新たに営業活動を開始した。

 また、福島県郡山市で、除染業務を4月より開始した。大林組が採用している工法によって、除染を行っている。

 顧問派遣サービスについては、やっと単月での黒字化を達成した。

 更に、企業のタイ進出の支援を行うエスプールバンコクを設立して、事業を開始している。

■農業を学習すれば、すぐに農園に参加している企業で働けることが強み

 以上の取組を進めてきたが、その中でも計画を上回るペースで推移している障がい者雇用支援サービスについて、代表取締役社長浦上壮平氏より詳しい説明が行われた。

 「企業は障がい者の方を雇用する義務があり、法定雇用率を達成し、いろんな形で障がい者が働ける職場を作る必要があります。そのため、我々は、大型のビニールハウスの中に野菜を養液で栽培できる施設を作り、知的障がい者が働ける環境を提供しています。企業様は養液栽培の区画を購入することで、知的障がい者を雇用することができる環境を確保することができます。我々は、この事業を行うことで、養液栽培区画の販売による収入と月額の利用料を収入としています。これがわーくはぴねす農園です。一方、就労移行支援サービスを行っています。こちらは、知的障がい者の方で、農園で働きたいと思っても経験がなかったり、職業訓練を受けてなかったりしたら、二の足を踏んでしまいまう方々に、実際に農園で訓練しながら、わーくはぴねす農園の参画企業様への就職を目指していただくサポートをしております。こちらの事業を行いながらわーくはぴねす農園の企業様に就職希望者を紹介しています。」と語った。

 この事業の特長は、同社独特のもので、養液栽培農業のノウハウと障がい者雇用のノウハウを必要とするため、参入障壁は高いといえる。また、競合相手がいないことから、価格競争の心配はない。就労移行支援サービスについても、このサービスを行っている法人は多数あるが、どの法人も障がい者の就職先の確保で悩んでいる。同社の場合は、わーくはぴねす農園で働く場所を確保していることから、農業を学習すれば、すぐに農園に参加している企業で働けることが強みといえる。そのため、同社の就労移行支援サービスを受けると就職できるということで人気は高い。また、農業は障がい者にとって適した職業といえる程定着率は高く、就職するとほとんど辞める人はいない状況。現在わーくはぴねす農場に参画している企業の3分の1が上場企業であり、業種を問わず、幅広い顧客層がサービスを利用している。

 一方、ロジスティックス・アウトソーシング事業も平和島の倉庫が満床となるほど成長しているため、8月には、1,100坪のつくばセンターを開設する。ネット通販市場の拡大により、事業拡大の絶好の好機であるため、積極的に投資を進める。

 第2四半期業績は、上方修正をするほど好調に推移しているが、通期業績予想については、下期に設備投資を見込んでいるため、当初予想の数値を据え置いている。しかし、今後の事業展望は明るく、3年後の2016年11月期には売上高100億円、営業利益5億円を目指している。

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