2012年12月11日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

ラクーン:第2四半期は、売上高、経常利益共に過去最高を記録


■EC事業、売掛債権保証事業共に伸びる

 スーパーデリバリーのラクーン<3031>(東マ)は7日、今期13年4月期第2四半期決算説明会を開催した。

 第2四半期連結業績は、売上高47億24百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益73百万円(同37.8%増)、経常利益71百万円(同44.3%増)、純利益28百万円(同14.6%減)となった。

 第2四半期のトピックスとしては、売上高、経常利益共に過去最高を記録したことと、Paid、売掛債権保証事業の投資を継続したことで人件費が増加したこと、更に、本社移転費用として特別損失として31百万円を計上したことが挙げられる。一方、本社を移転したことで、家賃は引き下げられている。

 売上高については、猛暑が6月から9月まで続いたことで売上が減少したが、10月になって天候の変化もあり、売上が伸び、10月単月では過去最高を記録したこともあり、全体の売上も過去最高を記録した。

 セグメント別の売上高は、EC事業46億4百万円(前年同期比8.6%増)、売掛債権保証事業1億72百万円(同29.3%増)と共に伸びている。

 総資産は27億28百万円(前期比3.8%増)。内訳は、流動資産23億52百万円(同3.6%増)、固定資産3億75百万円(同5.0%増)。流動負債12億98百万円(同12.4%増)、固定負債1億91百万円(同21.9%減)。純資産は12億37百万円(同0.9%増)となった。

 売上の主力となるスーパーデリバリーでは、仕入れをよりスムーズに行える環境実現のために、比較的大規模な改修の実施と「お試し会員」制度の開始、「店舗運営お役立ち動画セミナー」を行っている。その結果商品売上高は、43億3百万円(前年同期比8.9%増)となった。

 売掛債権保証事業では、フォロー体制の見直し、販売提携チャネルの拡大を実施した。

 今期通期連結業績予想は、当初予想通りを据え置いている。

■会員小売店に対して、スタイリストになるための動画の配信を開始

 第2四半期業績の説明に引き続き、代表取締役社長小方功氏より今期の取組についての説明が行われた。

 「スーパーデリバリーでは、出展企業というのは1000社あります。小売店舗は現在4万店舗近くまで増えています。ここまで来るとちょっとした商業団体といえます。お客様からももっと皆のために出来ることはないのかと言われます。情報交換とか、皆でやれば結構できることがあります。例えば、在庫連携というのがあります。在庫を連携できれば非常に便利で、ほかの企業とも連携しています。次に、スタイリストのセミナーを動画で配信しています。安い服でも組み合わせることでオシャレするような流れになってきています。ただ、コーディネートするのは難しくて、それかといって、パーソナルスタイリストを雇うこともできません。それで、小売店の人がスタイリストの資格を持っていれば、これが一番いいのではないかと思いました。しかし、小さな小売店の人がスタイリストの勉強をしたくてもできないというのが現状です。皆習いたいという意欲はありますが、スタイリストというのは、今まで芸能界でしか使っていないものでありますので、習える場所が、東京と大阪に限られます。ところがアンケートを取ったところ是非習いたい、という人達が多く、出来るなら動画で配信してくださいという要望が多くありました。そこで、日本ファッションスタイリスト協会のあいざわあゆみ様の協力を全面的に得て、動画を3万店舗を超える会員小売店さんに配信してスタイリストになってもらえるようにしています。センスを重要視するのではなく、スタイリストを学問としてとらえているので、学べば誰でもスタイリストになれるという考えに基づいています。それで、店員さんがスタイリストの資格を取ると、お客さんは店員さんのアドバイスで商品を購入するようになり、店員さんとお客さんの信頼関係が深まり、売上にも貢献すると思われます」と会員小売店に対して、スタイリストになるための動画の配信を始めていることを紹介した。

■業界毎の流行、変化をジャンル毎に分けて出展企業をサポート

 「次に、取組んでいるのはPOSの連携です。NECIというPOSレジ等を作っている会社が、新しく開発したStore BASE ACTという製品があります。この製品を買うとスーパーデリバリーと連携しています。自動的にスーパーデリバリーで買ったデーターが、レジに入力されて、販売の分析をするためのデーターとして見ることができます。全国でどれくらい売れているのか、当社会員小売店が数字化したものとして、分析ツールとして使うことができます。まだ始まったばかりなので、実績としては出てきていませんが、これから販売を強化していく段階です。更に、現在、出展企業のサポート体制を強化しています。我々はECRMという戦略とスーパーデリバリーで実施しています。スーパーデリバリーのサイトを見てもわかりませんが、会員は29に分類されています。例えば、雑貨店として登録している人がIDとパスワードを入力すると画面の上のほうが全部雑貨に入れ替わります。下着を扱っていると入力すると下着が上のほうに出てきて、他のものは下のほうになります。3万店舗の店舗は3万種類の画面を持っているのがスーパーデリバリーです。これは、みなさんがホームページを見ただけではお気づきになりません。29分類に分けた、29の施策があります。我々はそこに各担当を配備しています。業界毎の流行、変化をジャンル毎に分けて企業にサポートしています。また、メールだけでは、拾いきれない情報を集めて、メーカーと小売店に情報を伝えることで、メーカーと小売店の間を強化しています。このほかに、ユーザビリティに注力しています。社内でもユーザビリティ委員会を作り、使い勝手の良さを重視しています。そのため、この半年間で数十項目変更しました」と同社独自の取組について説明を行った。

 このような取り組みの結果、スーパーデリバリーの第2四半期末の経営指標は、会員小売店数34,339店舗(前期末比1,434店舗増)、出展企業数1,042社(同45社増)、商材掲載数374,714点(同54,384点増)と順調に増加している。

 また、新規事業であるPaid、売掛債権保証事業共に売上を伸ばしている。しかし、ビジネスの初期段階にあることから投資が先行しているが、着実に事業は成長しているため、同社の事業展望は明るいといえる。

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