2012年11月12日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

アーバネットコーポレーション:大幅増収増益で第1四半期より黒字決算


■金融機関の不動産融資に関しては緩和傾向

 アーバネットコーポレーション<3242>(JQS)は9日、今期13年6月期第1四半期決算説明会を開催した。

 第1四半期決算は8日に利益面での上方修正と同時の発表となった。売上高19億52百万円(前年同期比119.6%増)、営業利益3億2百万円(前年同期は△4百万円)、経常利益2億78百万円(同△32百万円)、純利益2億53百万円(同△32百万円)と大幅増収増益で第1四半期より黒字となった。

 代表取締役社長服部信治氏は、事業環境、同社の現況、自社開発物件の状況について詳しく語った。

 東京23区の土地の価格については、マンション流通用地の不足により、業者間の競争は激化しており、マンション用地は値上がりしている。建築費は、人件費の上昇もあり、上昇傾向にある。更に、職人不足であり、建設期間の延長の可能性が強まっている。そのため、不動産業者にとっては厳しい状況といえるが、金融機関の不動産融資に関しては、緩和傾向であることから、以前に比較すると融資は受けやすい環境にはなっている。

■新築投資用ワンルームマンションは依然として在庫不足状態

 分譲用マンションの都内の販売環境については、マンション販売数は震災前からの上昇ラインを継続したものの、今年の4月よりやや停滞感が出ている。そのため、販促の一環として、住宅規模のコンパクト化を図り、分譲価格を抑える傾向が始まっている。また、来年の10月から消費税のアップが始まることから、増税前の駆け込み需要を期待している。

 投資用ワンルームマンションについては、消費税のアップでも年金不安の解消とはならないことから、不動産セミナー会場は盛況で、新規の顧客層が出現し、販売は好調であり、依然として新築在庫不足状態。一方で、販売方法に関しては、厳格化に対応するため、販売手法の変更を模索している状況。

 その様な環境の中で、同社は、リーマンショック時の最後の不良資産であった目黒駅前の土地を前期末に売却し、当該融資も全額を返済したことでリーマンショックから完全に脱却している。しかも、苦しい時期に金融機関への返済を最優先に取組んだ実績により、金融機関の同社に対する融資姿勢は好転してきている。また、当社の主力である投資用ワンルームマンションの需要は拡大していることから、事業環境は良好といえる。

 業績に関しては、38億円まで減少した総資産も57億円まで回復し、100億円を目標に開発物件の確保と拡大を目指している。売上高についても、一時50億円までに減少したが、今期は71億円を見込んでおり、これも100億円を目指している。一方で、流通不動産の減少による仕入不足も懸念されるが、大手ディベロッパーが入ってこないワンルームマンションの専業であるので、土地情報は入ってきている。

■今期目標戸数は300戸としているが、既に293戸は契約済み

 今期の販売物件の目標戸数は300戸としているが、既に293戸は契約済みである。その中で、前期から今期へと販売がずれ込んだ、北馬込の8戸、大森北の9戸は第1四半期で販売が終了した。また、現在分譲中の大島のファミリーマンション44戸のうち7戸を除き販売済もしくは契約済みである。既に、千鳥町の39戸、上野毛の50戸、明大前の43戸、錦糸町の42戸、東十条の58戸は販売会社と販売契約締結済である。この他に、現在商談中である買取再販(3戸から7戸)、共同事業による土地の転売(2から3物件)がある。

 来期(14年6月期)の物件については、前回の決算説明会で400戸を目標にしていたが、既に購入契約済みが444戸と目標を越えているため、目標戸数を500戸までに引き上げている。具体的な物件は、菊川(46戸)、板橋本町(52戸)、錦糸町U(38戸)、飯田橋(47戸)、下丸子(60戸)、京急蒲田(52戸)、森下(42戸)、西新宿5丁目(52戸)、鵜の木(55戸)。15年6月期の目標戸数は600戸、既に契約済みが104戸である。

 以上のように、既に来期、再来期まで契約済みの物件が出ているように、ワンルームマンションの需要は旺盛といえる。その様な状況で、今期通期業績予想は、売上高71億円(前期比4.1%増)、営業利益7億15百万円(同55.0%増)、経常利益5億20百万円(同23.1%増)、純利益4億80百万円(同13.9%増)と増収大幅増益を見込んでいる。

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