2013年02月19日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

GMOクラウド:前12年12月期は増収増益を達成


■セキュリティ、ソリューションサービス事業は大幅増収増益

 GMOクラウド<3788>(東マ)は、ホスティング、セキュリティ、ソリューションの3事業を展開している。主力のホスティング事業では、クラウド時代を迎え、多様な顧客ニーズに対応してサービスの種類を増やし、前12年12月期には国内最大級の顧客数を獲得している。

 その結果、前12年12月期連結業績は、売上高94億9百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益9億71百万円(同27.7%増)、経常利益9億71百万円(同22.4%増)、純利益5億23百万円(同38.4%増)と増収大幅増益を達成した。

 セグメント別の売上高、営業利益は、ホスティングサービス66億17百万円(同1.3%減)、5億93百万円(同7.8%増)、セキュリティサービス21億39百万円(同15.4%増)、3億25百万円(同56.3%増)、ソリューションサービス7億89百万円(同30.8%増)、53百万円(前年同期2百万円)とホスティングの減収を除き全て前年を上回った。特に、セキュリティ、ソリューションは大幅増収増益となった。

■「GMOクラウドパブリック」は顧客数1,600社超と日本最大級のクラウドサービスに成長

 事業別の前期の取組みを見ると、ホスティング事業では、3月に「iSLE」を「GMOクラウド」に変更し、社名とサービス名を統合することでブランドの統一を行った。そのため、プロモーション活動の一元化が行われるようになり、ブランディングの強化が実現している。また、子会社化したワダックスの社名をGMOクラウドWESTへ、アット・ワイエムシーをGMOビジネスサポートへ商号を変更した。更に、シンガポールにGMO CLOUD Pte Ltd.を設立した。各社の地理的強み・機能を活かして事業の拡大を図っている。クラウドサービスを強化するために、特に集中的に行った。3月に日本と米国で全く同じサービスを提供するマルチロケーションサービスを米国サンノゼから開始した。4月にはSLA(サービス品質保証制度)を導入した。7月には様々な外部のシステムと連携できるAPI(アプリケーションプログラムインターフェイス)を公開した。8月にはマルチロケーションサービスを拡張し、マレーシアでも日本、米国と同じサービスを提供できるようにしている。その結果、スペックや機能・使い勝手を大幅に強化している。特に「GMOクラウドパブリック」は顧客数1,600社超と日本最大級のクラウドサービスに成長している。

 販売力を高めるために、セミナー・展示会を開催した。例えば、初めて「CEATEC JAPAN 2012」に出展した。また、10月には福岡で開催された「Cloud Days Fukuoka 2012」、同じく10月に開催された幕張の「クラウドコンピューティングEXPO秋」に出展している。その他、自社開催のセミナーも行った。

 この様な取組みの結果、クラウドの売上高は、11年2Qから売上を積み上げ、12年の4Qには1億21百万円と順調に伸びている。

■セキュリティサービス事業ではフィリピンの本格稼働、インドオフィスの設立、ロシアは近々スタート

 もう一つの売上の柱である電子認証サービスを展開するセキュリティサービス事業では、グローバルサインという認証局を持っている強みを活かし、さまざまなサービスメニューを開発していることから、2012年上半期の国内ルート認証局別純増数のNO.1を獲得している。グローバルサインのブランドの認知度が向上していることから順調にシェアが拡大している。一方グローバルでの活動としては、フィリピンオフィスの本格稼働、インドオフィスの設立が挙げられる。インドでは、昨年の夏よりパートナーとの戦略的提携を行い世界中で拡大している。

 更に利便性の高い商材開発に関しては、基本的には前払い決済である電子認証を全て後払い決済が利用可能とした。また、長期で契約する場合割安にする一方で、短期でも契約できるようにしている。電子認証を取得するには複雑な作業が必要であるが、そのインストール作業を自動化したスピード発行が出来るワンクリックSSLを開発している。既にワンクリックSSLは特許を取得している。また、クラウドの時代を迎え、ひとつのサーバにひとつの証明書という考えが無くなってきている。仮想サーバがいくつも使える時代になっているため、仮想サーバの数に合わせて柔軟に証明書の枚数もコントロールできるような複数枚の契約が出来るマルチドメインオプションを開発し、使い勝手が良いサービスを提供している。

 グローバル展開については、03年に東京でサービスを開始したのを皮切りに、07年8月アメリカ、08年2月英国、中国、10年3月シンガポール、11年11月フィリピン、12年8月インドと次々と主要国でサービスをスタートしている。ロシアは12年12月にスタートする計画であったが、少し遅れている状況である。しかし、既にスタッフは募集済みで、間もなく登記も終了するので、近々スタートできると見ている。

■スピード翻訳サービスに関しては、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」と提携

 ソリューションサービス事業については、11年12月期の営業利益は2百万円であったのが、前期は53百万円と急増している。一定の利益を確保できるように順調に育ってきている。

 東日本大震災の影響を受けたが、前期は立ち直り、多様なWEBサービスの提供を開始している。ホームページ制作に関しては、スマートフォン向けのホームページ、アプリの開発案件が増えてきていることから、業績の後押しをしている状況。

 スピード翻訳サービスに関しては、大手ポータルサイトとの業務提携が進んでいる。昨年は法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」と提携した。元々法律案件の翻訳が多かったことから、「弁護士ドットコム」とのシナジー効果は高いと見ている。また、翻訳をオフラインでワンストップ提供できるサービスとして、同社の翻訳サービスに直接たどり着けない人でも近くの文具屋、書店を通じて発注できるように、ジョインテックスカンパニー社との協業したことで、法人会員の増加に繋がっている。対前年比で82%増となっている。更に、少しボリュームが大きい翻訳の場合、オークション翻訳のサービスを提供している。

 以上のように、各サービス共に順調に拡大していることから、今期13年12月期連結業績予想は、売上高99億10百万円(前期比5.3%増)、営業利益10億83百万円(同11.4%増)、経常利益10億80百万円(同11.2%増)、純利益6億26百万円(同19.7%増)と増収2ケタ増益を見込む。配当については、1900円と前期比100円増配を計画している。

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