2013年06月03日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

アドアーズ:アミューズメント業界全体の在客数・消費単価が減少


■Jトラストが同社の筆頭株主となり、構造改革に乗り出す

 アミューズメント施設運営のアドアーズ<4712>(JQS)の事業環境は、最近のスマートフォン・無料ソーシャルゲームの普及に伴い、ゲーム遊戯への対価に変化が出ていることで、アミューズメント業界全体の在客数・消費単価が減少し、厳しい環境にある。その結果、前13年3月期連結業績は、売上高199億91百万円、営業利益4億21百万円、経常利益3億72百万円、純利益1億65百万円となった。

 前期より連結決算となったことで、前年同期との比較は出せないが、前年の単体と13年の単体の業績を比較すると、売上高11.6%減、営業利益62.3%減、経常利益63.8%減、純利益84.6%減と2ケタ減収大幅減益であった。

 アミューズメント業界の動向に変化が出てくることを見越し、前年6月27日開催のJトラスト定時株主総会の決議承認を経て、Jトラストが同社の筆頭株主となり、同社の構造改革に乗り出している。

 具体的には、不動産業のキーノートとアミューズメント向けの景品製作と販売を行っているブレイクの2社を株式交換により同社の100%の子会社化を実施し、収益基盤の強化を図っている。

 更に、無借金経営に向けた財務戦略の推進、並びに将来の経営環境の変化に対応し、市場競争力のある企業に向けた抜本的な構造改革を実施している。

 完全子会社となったキーノートは、城南地区を中心に都心エリアで戸建て注文住宅を主軸に事業展開している。また、中古住宅のリノベーションや不動産コンサルティングも手掛ける。13年3月期の業績は、売上高35億90百万円、経常利益1億円、純利益44百万円であった。

 ブレイクは、各種キャラクターを取り扱うアミューズメント機器用景品の企画/製作・販売事業を中心に、アミューズメント施設の運営・コンサルティング等も展開している。12年7月期の業績は、売上高29億47百万円、経常利益1億3百万円、純利益85百万円であった。13年には3月期に決算期を変更している。

 今期より、この2社の業績がフルに寄与することになる。

 更に、無借金経営に向けた財務戦略の推進の結果、短期借入金は、12年3月期で12億7百万円あったが、13年3月期は2億45百万円と大幅に減少した。また、一年以内長期借入金は38億71百万円から8億25百万円と減少した。一方で、長期借入金は3億34百万円から25億99百万円に膨らんでいる。社債に関しては、4億12百万円からゼロとなっている。その結果、有利子負債は、58億26百万円から36億71百万円と大幅に減少している。

■今期の業績は、2社を子会社化していることで、回復が見込まれる

 前期の業績は事業環境が良くなかったこともあり、低迷したが、財務面の健全化は進んでいる。また、今期に向けた事業の再建については、先述しているように、2社を子会社化していることで、今期の業績回復が見込まれる。

 今期14年3月期連結業績予想は、売上高230億円(前期比15.0%増)、営業利益11億円(同161.0%増)、経常利益10億円(同168.8%増)、純利益6億円(同262.3%増)と2ケタ増収大幅増益を見込む。

 中期Visionとして、株主資本利益率10%を目標としている。

 配当に関しては、今期は2円と1円の増配を予想している。

 アミューズメント事業の事業環境の変化を見越し、メダルジャンルに注力すると共に、事業を拡大するために、子会社2社を加え、売上の柱を増やし、事業基盤の強化に努めている。また、積極的な事業構造改革を実施したことで、今後の事業展望は明るいといえる。

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