2012年12月28日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

ヤーマン:直販中心に痩身アイテムや化粧品が伸びる


■卸部門の売上が減少したが、直接販売、海外の売上は順調

 美容家電のヤーマン<6630>(東1)は21日、今期13年3月期第2四半期決算説明会を開催した。

 第2四半期連結業績は、売上高93億64百万円(前年同期比12.0%減)、営業利益4億92百万円(同57.7%減)、経常利益4億65百万円(同60.8%減)、純利益2億82百万円(同57.9%減)と減収減益であった。

 売上高に関しては、直販中心に痩身アイテム「加圧エクサ」や化粧品「オンリーミネラル」が伸びたものの、脱毛器「no!no!HAIR」が店舗販売を中心に苦戦したことにより、全体で減収となった。

 利益については、減収により売上総利益が前年同期比7億32百万円減となったことで、販管費を削減したものの営業利益以下が大幅な減益となった。

 販路別の売上高を見ると、通信販売向け卸31億88百万円(同13.0%減)、店舗販売向け卸24億44百万円(同24.1%減)、直接販売35億58百万円(同12.0%増)、海外その他1億73百万円(同98.7%増)と卸部門の売上が減少したが、直接販売、海外の売上は順調であった。

■「オンリーミネラル」が百貨店、バラエティショップで好調

 カテゴリー別売上高は、美容家電43億29百万円(同29.8%減)、ウェルネス家電・フィットネス家電9億61百万円(同11.2%減)、化粧品・バラエティ雑貨34億59百万円(同35.2%増)、その他6億14百万円(同26.5%減)。

 美容家電の減収は、脱毛器「no!no!HAIR」の売上減が主な要因。ウェルネス家電・フィットネス家電は減収となったが、直販部門は好調であった。化粧品・バラエティ雑貨は、「オンリーミネラル」が百貨店、バラエティショップで好調であったことに加え、直販でのリピート購入も売上を下支えしていることから大幅増収となった。

 連結貸借対照表の資産合計は、109億19百万円(同10億17百万円減)となっている。内訳は、現預金40億94百万円(同2億80百万円増)、受取手形・売掛金16億57百万円(同9億34百万円減)、棚卸資産37億44百万円(同5億8百万円減)、その他資産14億24百万円(同1億45百万円増)と、現預金が増えているものの、受取手形・売掛金の減少と棚卸資産の減少により、総資産は減少している。

■自己資本比率は61.4%と前期末比1.2ポイント改善

 負債の合計金額は、42億18百万円(同14億56百万円減)となっている。内訳は、支払手形・買掛金16億14百万円(同2億33百万円減)、社債・借入金9億99百万円(同4億83百万円減)、その他負債16億5百万円(同4億83百万円減)と有利子負債の圧縮が進んでいること等から減少している。一方、純資産は、67億1百万円(同4億39百万円増)となっている。そのため、自己資本比率は61.4%と前期末比1.2ポイント改善している。

 キャッシュ・フローについては、営業キャッシュ・フロー18億38百万円、投資キャッシュ・フロー△52百万円、財務キャッシュ・フロー△4億70百万円となっている。
 
 投資キャッシュ・フロー52百万円の支出は、金型等の有形固定資産の取得によるもの。財務キャッシュ・フローの4億70百万円の支出は、有利子負債の返済となっている。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は34億99百万円(前期末比13億14百万円増)となっている。

 第2四半期の業績は、直販の売上が伸びたものの、通信販売向けの卸、店舗販売向け卸の売上が減少したことで、減収減益となっているが、通期連結業績予想は、売上高225億40百万円(前期比10.0%増)、営業利益21億28百万円(同17.5%増)、経常利益20億75百万円(同16.4%増)、純利益11億67百万円(同12.7%増)と2ケタの増収増益を見込んでいる。

■美容家電の市況は拡大傾向にあり、総合家電メーカーの本格参入で競争激化

 第2四半期の決算の説明に引き続き、同社代表取締役社長山崎貴三代氏は中期経営計画"チャレンジ300"達成への取組みについて説明を行った。

 中期経営計画の目標は、美容家電のパイオニアとして、美容家電の機能、品質、価格の面でのデファクトを創ることで、ヤーマンブランドを確立することを挙げている。その結果、売上高300億円、経常利益率10%を達成する計画。

 美容家電の市況は拡大傾向にあることから、パナソニック、シャープ、日立等の総合家電メーカーの本格参入で競争が激化している。特にアジア展開に関しては、パナソニック、日立が強化している。

 総合家電メーカーと比較した、同社の強みとしては、プロフェッショナルエステティック技術を背景とした専門性の高い商品ラインナップ、市場になかった新しい技術の製品開発力を持っていることに加え、同社独自の直販・通販・店舗販売といった3つの強力な販路を確立していることが挙げられる。

 美容家電市場は、2012年1,430億円、2013年1,534億円、2014年1,636億円、2015年1,732億円と年々拡大すると予想されている。

■消費者ニーズをいち早く見つけ、ブレークスルーできる製品を生み出し続けることが生命線

 そのような状況で、同社の方針としては、「まず、消費者ニーズというものをいち早く見つけて、ブレークスルーできる製品を生み出し続ける企業であること、これが私どもにとっては生命線だと思っています。他社に真似のできないプロ用のエステティック機器を作ってきた技術の種からできた製品であるということを消費者の方々に、如何にしてメッセージとして正しく伝えるかということが重要だと考えています。また、今後、新しいライフスタイルの一環の中で、ある程度消費者の中に浸透していけるような市場を作り上げていくことも重要であります。発表した中期計画の売上高300億円の中には、海外の売上は含んでいないとこれまで申し上げてきました。しかし、今回、機会がありまして、香港で新しい市場を開拓いたしました。香港のパートナーと組んで、香港の家電量販店とか、色々なところに出て行って分かったのですが、そういう日本の美容家電メーカーとして、海外市場進出も中長期的には考えています。現在、日本の総合家電メーカーさんは、美容家電については、日本のクリエーティブなところが生かされる分野であるので、白物家電で戦うより有利であるという理由で美容家電に進出しています。ただ一つ気を付けなければならないのは、美容家電の中でもいわゆる安いもの、例えばヘアードライヤーのようなものになってくると、特別な価値を付けないと、やはり値段で勝負ということになってしまいます。ヘアードライヤーを作っているメーカーは世界に山ほどあります。そのような市場で戦っていくかというと、それは私たちの市場ではありませんし、日本のメーカーが出て行っても勝ち目のない市場といえます。しかし、そこに何か付加価値を付けることで、ジャパンビューティということが理解される市場を作り上げていくことができるのではないか、ということで今後海外市場は伸びていくと考えています」と語った。

■今後、イベント的なものも含め、百貨店との取り組みも広める方針

 更に、「国内市場では、ヤーマンと美容家電に新規参入された企業との違いということで取り上げますと、私共は、通販向けの卸、家電店舗向けの卸と、直接販売の3つの販路を持っていることです。大切なことはお客様にヤーマンの商品を買っていただくことだけではなく、商品にはサポートカードがついています。そのカードを通じて、私共のWeb、もしくはその他の方法でコンタクトしていただいて、私共が展開しているBtoCのビジネスに来ていただけるような仕組みを作っています。既に数万人のお客さんがいらっしゃいますので、このお客様向けに発信していきます。また、お客様に私共の製品を手に取ってもらうためには、店舗が一番便利な場所といえます。その商品のタッチポイントを増やすために、家電量販店はもちろんですが、もっとアピールできるように、商品を並べるだけではなく、ストアーインストアーというように、私共の販売部員がお客様にカウンセリングできるように取り組もうとしています。もう一つは百貨店です。この前横浜高島屋様の化粧品売り場でイベントを開催させていただいたのですが、デパートに来られるお客様というのは、非常に感度の高いお客様でいらっしゃいます。ある程度美容家電にもお金を使いたいと思っていらっしゃるお客様ですから、非常に私共の美容家電を買われるお客様と親和性が高いお客様といえます。そういうお客様に私共の商品をお勧めしていきたいということで、今後、イベント的なものも含め、百貨店との取り組みも広めていきたいと考えています。更にもう一つ強化しているポイントとして、ワンストップサービスがあります。ワンストップサービスというのは、化粧品を使わないで、美容家電だけを使いますということはあり得ませんので、化粧品を一緒にお使いになるときに、化粧品のメーカーでもありますので、機械も化粧品も一緒にお使いになるお客様にワンストップで提供できるサービスであります」と国内での戦略について紹介した。

 第2四半期は、脱毛器「no!no!HAIR」の売上が減少したことで、減収となっているが、前期の売上が急拡大したことで、今期に反動が来ているといえる。しかし、前々期と比較すると今期は伸びているので、拡大基調にあることは確か。家電量販店市場の女性用脱毛の金額シェアで同社の占めるシェアは53%であることから、断トツのトップ。

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