アライドテレシス:第2四半期の連結売上高は前年同期を若干下回る、日本以外の地域は、円ベースでは増収
■約13億円の為替差益が発生したことで、経常利益、純利益は期初計画を上回る
ネットワーク機器のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の今期13年12月期第2四半期決算説明会が12日に開催された。
第2四半期連結累計業績は、売上高125億55百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益△23億1百万円(前年同期△13億4百万円)、経常利益△10億17百万円(同△11億81百万円)、純利益△10億16百万円(同△12億41百万円)であった。
売上高に関しては、国内販売が低調となったものの、円安進行により海外売り上げの円換算額が増加し、連結売上高は前年同期を若干下回った。
利益については、為替変動の影響から海外経費が嵩み営業利益の赤字幅は拡大したものの、約13億円の為替差益が発生したことで、経常利益、純利益は期初計画を上回った。
地域別の売上高は、日本59億50百万円(前年同期比14.7%減)、米州25億56百万円(同8.6%増)、EMEA(ヨーロッパ・中東及びアフリカ)28億58百万円(同15.0%増)、アジア・オセアニア11億90百万円(同25.1%増)と日本以外の地域は、円ベースでは増収となっている。特にアジア・オセアニアの伸びは大きかった。
日本については、案件ベースの販売は増加したものの、代理店間接販売は減少した。工事・保守などのサービス事業は大口案件の契約が終了したことで、減収となった。
米州は、米連邦政府のネットワーク更新プロジェクトの大型案件を受注したが、補助金の削減により通信事業向けの販売が不振であった。一方、メキシコでは、ヘルスケア市場で、パナマでは刑務所のIP監視カメラソリューションといった大型案件を獲得した。アルゼンチン、ブラジルなどのラテンアメリカの販売は好調であった。
EMEAについては、スペイン、フランスなどユーロ圏では販売が低調であった。大口案件としては、トルコ警察への監視ソリューション、イタリア外務省関連のネットワーク工事などがあった。また、付加価値サービスの販売を強化したことで、サービス売上は前年同期比で16.1%増加した。
アジア・オセアニアでは、タイのバンコク都庁案件の売上が増加。バンコクの学校へ防犯ソリューション、警察のIP監視カメラソリューションといった大口案件もあった。また、今後売上が見込めることからフィリピンに販売子会社を設立し、新興市場への進出を継続した。
■今期通期連結業績予想では、下期で巻き返しを見込む
第2四半期(累計)は日本の2ケタ減収が響き全体でも減収となり、営業利益の赤字幅が拡大したが、今期通期連結業績予想では、売上高は前期比16.7%増、営業利益は同78.6%増を見込んでいるように、下期で巻き返しを見込んでいる。
今期7月〜12月までの下半期の連結売上高は204億55百万円(前年同期比31.8%増)と大幅増収を見込んでいる。背景には、ソリューションビジネスによる案件の受注増加、付加価値サービスの拡充による売上増加、景気回復基調を背景としたIT設備投資の回復がある。
地域別の下半期の売上予想は、日本113億85百万円(同21.5%増)、米州29億60百万円(同22.4%増)、EMEA41億30百万円(同67.9%増)、アジア・オセアニア22億70百万円(同78.5%増)と全地域での増収を見込んでいる。
今後も売上が期待されるソリューションとしては、IPカメラによる映像監視ソリューションが挙げられる。タイでの導入が拡大し、当初は交通機関向けへ3000台からのスタートであったが、急速な成長に伴い学校などにも導入され、3万台へと拡張した。
更に、今年5月に約1,300社を招いてプライベートショウを行い、従来のネットワークの課題である高コスト化、工数の増大といった問題を解消するAMF(アライドテレシス・マネジメント・フレームワーク)を紹介したところ、仮想的な一元操作・管理、ネットワーク監視、管理網の自動検知・構築、自動復旧、一斉同報ができることから、既に100件以上の引き合いがある。今後このようなソリューションのニーズが各地域で高まると予想される。
日本での7月時点での主要4業種の下半期受注件数見込みを前年同期と比較すると、製造業91.7%増、文教37.8%増、医療57.1%増、自治体21.8%増となっていることから下半期の増収が期待される。
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