イワキ：１３年１１月期連結業績は利益面で期初予想を上回る

■医薬品事業の利益率は大幅に改善し、増収大幅増益となる

　イワキ＜８０９５＞（東１）は、２月５日に１３年１１月期連結決算の説明会を開催した。

　１３年１１月期連結業績は、売上高５２４億６５百万円（前年同期比１．０％増）、営業利益１０億７百万円（同１０．６％減）、経常利益１１億５４百万円（同１１．４％減）、純利益７億５４百万円（同２．１％増）と増収ながら営業・経常利益は減益となったものの、利益面では期初予想を上回った。

　事業別の業績を見ると、医薬品事業の売上高は１７１億４５百万円（同３．１％増）、営業利益１億２７百万円（同８４３．６％増）と増収大幅増益となった。大幅増益の要因は、利益率が前年の０．１％とから０．７％と大幅に改善したことが挙げられる。主力のジェネリック医薬品は好調であった。一般用医薬品卸売は、主力のドラッグストア向けＰＢ商品の新規採用と新規取扱製品の増加により、収益に貢献した。

　医薬品原料・香粧品原料事業の売上高は１５９億７８百万円（同９．８％増）、営業利益１０億７０百万円（同４．６％増）と増収増益。医薬品原料は、新規開拓、既存原料の需要が増加した。一般用医薬品原料は、海外への血管収縮剤の販売が伸び、全体として好調に推移した。香粧品原料は、主要顧客向けおよび受託加工品が順調に推移した。

　化成品事業の売上高は７９億７０百万円（同１１．５％減）、営業利益△６８百万円（前年同期１億５６百万円）と国内需要の落ち込みにより、二ケタ減収により赤字転落となった。営業利益率は前年の１．７％から△０．９％へと悪化した。チップ部品、車載部品向けの電子部品関連薬品は好調に推移したものの、プリント配線板関連薬品、表面処理薬品原料がともに低調であった。

　食品原料・機能性食品事業の売上高は７７億６２百万円（同０．４％減）、営業利益３億６５百万円（同１２．８％減）。輸入原料価格の高騰により利益率は前年の５．４％から４．７％へと低下した。主力の関連会社製品、農産加工品の販売に注力したものの低調であった。食品原料も苦戦した。

　その他の売上高は３６億８百万円（同９．１％減）、営業利益９５百万円（同１６．８％減）と減収減益。

　全体としては、医薬品事業の利益率が大幅に改善し増収大幅増益、医薬品原料・香粧品原料事業も増収増益となったものの、化成品事業が減収減益で赤字転落となり、食品原料・機能性食品事業も減収減益となったことで、全体では増収となったものの営業利益、経常利益共に減益となった。

■今期は増収ながら減益を見込む、化成品事業の収益改善次第では急回復も

　今１４年１１月期連結業績予想については、売上高５３０億円（前期比１．０％増）、営業利益１０億円（同０．８％減）、経常利益１１億円（同４．７％減）、純利益６億５０百万円（同１３．９％減）と増収ながら減益を見込んでいる。

　主力の医薬品事業では、今期は薬価改定が予想されるものの販売数量のアップで増益を見込む。取組としては、ジェネリック外皮溶剤の積極的な情報提供活動を展開する。また、安定供給体制を向上するために、製造の委託も推進する。一般用医薬品の卸売りは、自社企画によるＰＢ商品の提案、新規取扱商品の開発を推進する。

　医薬品原料・香粧品原料事業については、売上高・営業利益共にほぼ横ばいを予想している。取組としては、将来につながる種蒔きとして、ジェネリック医薬品原料の自社開発原料、輸入医薬品原料の開発に注力する。また、香粧品原料は、海外向け販売、取引先および製品の新規開拓・開発、受託加工品の品目数の拡大に努める。

　課題である化成品事業では、重点施策の着実な実行により収益の改善を目指す。取組としては、表面処理薬品の新製品販売に注力する。海外製造拠点の本格稼働、海外販社の設立などによる海外営業の強化を実施するとしている。

　食品原料・機能性食品事業においては、積極的な営業活動による増収・増益を目指すとしている。取組としては、台湾への販売を強化する。また、天然調味料及び農産加工品の販売を強化するために、低価格のものの品ぞろえを充実すると共に、大手スナックメーカー、冷凍食品メーカへの販売に注力する。機能性食品については、自社原料の積極的な提案に努める。

　今期業績予想については、増収減益とかなり保守的な見方をしているが、その理由として、不透明な部分が多いことを挙げている。しかし、主力の医薬品事業では、ジェネリック医薬品の需要拡大が見込まれ、子会社の岩城製薬の工場では現在フル稼働で、生産委託も行っている状況である。この動きは今後も継続する見込みであることから、化成品事業の収益改善次第では急回復も期待できる。

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