2012年07月23日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

毎日コムネット:前期12年5月期は利益面で計画を上回る


■学生マンションが堅実に伸長


毎日コムネットホームページ 学生マンションを展開する毎日コムネット<8908>(JQS)は19日、前期12年5月期決算説明会を開催した。
 前期の業績については、11年5月期が6カ月決算であったので、増減の比較は出していない。売上高94億66百万円、営業利益6億60百万円、経常利益5億78百万円、純利益3億43百万円であった。
 計画比では、売上高97.4%、営業利益115.9%、経常利益120.5%増、純利益118.5%と利益面で計画を上回った。
 利益面で計画を上回った要因は、学生マンションが堅実に伸長し、全社業績を牽引したことによる。
 学生マンションの需要は堅調であり、11年5月期末より423戸増となり、総管理戸数は174棟7,321戸となっている。中でも食事付きマンションのニーズが高いことから4月入居率は7年連続の100%となっている。
 12年5月期は3物件を売却し、一方で新規の3物件を取得している。
 新しい動きとしては、大学が同社の学生マンションスキームを活用して国際学生寮を開発する案件が出てきている。
 一方、学生生活支援事業の人材ソリューション部門では、就職活動開始時期の変更により、営業機能をワークス・ジャパンに変更したものの、採用期間の短期化が響いた。
 事業別の売上高、売上総利益は、不動産ソリューション事業は76億46百万円、16億88百万円。その内訳は、学生マンション部門66億76百万円、16億57百万円、開発部門9億70百万円、31百万円。学生生活支援事業は、18億20百万円、9億49百万円であった。内訳は、課外活動支援部門17億50百万円、9億円、人材ソリューション部門70百万円、48百万円。

■財務面の健全化進み、自己資本比率は8.0ポイント改善

 バランスシートの主な増減については、流動資産内の販売用不動産は販売が順調であったことから、11億6百万円(同45.5%減)となった。一方、固定資産内の賃貸用不動産は21億4百万円(同38.6%増)となり、安定収入を生む一部販売用不動産の固定資産化が進んでいる。有利子負債は、32億78百万円(同29.4%減)と大幅に減少した。
 その結果、総資産は96億81百万円(同10.0%減)、純資産44億16百万円(同9.2%増)となったことで、自己資本比率は8.0ポイント改善し、45.6%となったことで、財務面での健全化が進んだ。
 今期13年5月期連結業績予想は、売上高97億10百万円(前期比2.6%増)、営業利益6億80百万円(同2.9%増)、経常利益6億10百万円(同5.5%増)、純利益3億64百万円(同5.9%増)と増収増益を見込む。
 業績計画のポイントとして、不動産ソリューション事業では、CRE(企業保有不動産の有効活用)戦略と大学連携による開発を促進するとしている。中でも留学生招致ニーズを背景に国際学生寮の開発を強化する方針。学生生活支援事業に関しては、人材事業をワークス・ジャパンに全面移管して強化を図る計画。また、河合塾グループとの業務提携を促進し、提携の本来テーマである「新たな学生マンション開発スキーム」の実現に着手する方針。
 事業別の売上高、売上総利益の計画は、不動産ソリューション事業79億75百万円(前期比4.3%増)、17億74百万円(同5.0%増)を見込む。内訳は、学生マンション部門70億55百万円(同5.7%増)、16億64百万円(同0.4%増)、開発部門9億20百万円(同5.2%減)、1億10百万円(同245.3%増)。
 学生生活支援事業は、17億35百万円(同4.7%減)、8億99百万円(同5.3%減)を見込んでいる。内訳は、課外活動支援部門17億15百万円(同2.0%減)、8億79百万円(同2.4%減)、人材ソリューション部門20百万円(同71.5%減)、20百万円(同59.0%減)。

■来年春に有名私立大学で70戸規模の国際学生寮が竣工

 主力の学生マンション開発に関して、「来年春には約240戸が新規オープンします。今期は、前期に比べると非常に少なめですが、過去4年間を見れば6,119戸、6,359戸、6,898戸、前期7,321戸、今期7,560戸と順調に増えています。今後も単純な管理戸数を増やすのではなく、物件毎の収益性を見極めながら、開発物件を進めてまいりますが、中でも大学と連携しての学生寮の開発は、開発戸数の拡大が見込めます。当社が本格的に大学専用寮開発を手掛けましたのは、2005年の共立女子大学寮、ナチュール杉並の243戸です。当社と不動産会社がチームを組み、不動産会社が運営母体となり、大学用地を定期借地権で借り上げたうえに寮を建設、当社は寮の運営管理を全面的に受託するというスキームでした。昨年は法政大学専用マンション、今年は慶応義塾大学綱島学生寮がオープンしています。今後につきましては、来年春に有名私立大学で70戸規模の国際学生寮が竣工します。また、つい先日当社のPFI(民間資本主導)方式による東京藝術大学の学生寮運営事業の優先交渉権を得ました。2014年には約300戸規模の学生寮をオープンさせる予定です」(代表取締役社長伊藤守氏)と語った。
 学生生活支援事業の人材ソリューション部門では、新卒採用関連事業を全面的にワークス・ジャパンに統合し、より一体的な運営を目指してグループとして人材事業の拡大と効率化を図る。具体的には、人材採用広報戦略であるCommunication Design事業部、採用業務の的確なアウトソーシングを目指すWeb Communication事業部、グローバル人材採用の支援を行うGlobal Communication事業部の3事業部門で企業の採用ニーズにトータルで対応していく体制をとる。。

■事業主体となるSPC(特定目的会社)を河合塾グループと共同出資で設立

 また、河合塾グループとの提携後の進捗状況に関しては、「当社の学生マンションは約7,300戸で、今後管理戸数はかなり拡大していくには、並行して安定的に入居者を作る仕組みづくりが欠かせません。河合塾で学び、大学に進学する塾生は毎年約5万人います。この中で、東京で一人暮らしを始める学生さんに、進学関連サービスといった形で安心できる住まい情報を完全に提供できる体制づくりを進めてまいります。前期は市場動向を調査する意味を踏まえて、河合塾生向けの大学生マンション物件ガイドブックを発行し、河合塾の各教室を通じての配布と首都圏進学希望者自宅への直接配布を行い、事業調査を行いました。また人材部門では、河合塾OB&OGが作る同窓生サイト"河合塾ALUMNI"会員に就職イベント情報の提供を開始しました。今期は、その収益化していくためのステップを見出したいと考えています。次に、先程話しましたように、PFIによる"東京藝術大学学生寮"整備運営事業の優先交渉権を獲得して、事業主体となるSPC(特定目的会社)を河合塾グループと共同出資で設立しています。新たな学生マンション開発の一つになったと考えています」(代表取締役社長伊藤守氏)と河合塾グループとの提携事業について説明した。
 中期経営計画に関しては、「経常利益10億円をコンスタントに目指し、基盤強化の3カ年と位置付けています。利益計画としては、3年目の2015年売上高105億円、経常利益7億30百万円、純利益4億50百万円、一株当たり純利益50円を目指します。尚、株主様への還元については、配当性向30%以上を維持しつつ、企業価値の向上で応対していこうと思っています。今期の配当計画は12円から1円引き上げて13円としています」(代表取締役社長伊藤守氏)と語った。

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