建設技術研究所:今期第2四半期連結業績は増収大幅増益
■受注高が当初計画より22.0%増
建設コンサルタントの建設技術研究所<9621>(東1)の今期13年12月期第2四半期連結業績は、売上高185億4百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益9億27百万円(同127.7%増)、経常利益9億84百万円(同115.5%増)、純利益5億97百万円(同188.6%増)と増収大幅増益であった。営業・経常利益が大幅増益となったのは、増収効果に加え、販管費が前年同期比9百万円減少したことによる。また、最終利益が、営業・経常利益の伸び率よりさらに伸びた要因は、固定資産売却益1億66百万円を特別利益として計上したことによる。
好業績で注目が集まる中、8月9日に本社で決算説明会が行われた。
好業績の要因は、受注高が当初計画より22.0%増と、大幅に計画を上回り、228億13百万円(同13.4%増)と前期に引き続きハイレベルで推移していることが挙げられる。
連結子会社の受注高は、建設技研インターナショナル31億20百万円(前年同期23億30百万円)、福岡都市技術10億円(同5億80百万円)、地圏総合コンサルタント9億70百万円(同6億80百万円)と順調に推移している。建設技研インターナショナルは、モンゴル等で大型案件を受注したことで大幅に伸びている。福岡都市技術、地圏総合コンサルタントは震災関連で好調に受注高を伸ばした。
契約方式別受注高をみると、プロポーザル97億円(同80億円)、特命随意契約(プロポーザル継続)8億円(同8億円)、特命随意契約28億円(同25億円)、総合評価落札方式42億円(同32億円)、一般競争入札53億(同56億円)と技術力を要する利益率の高いプロポーザル方式の受注高が伸びる一方で、利益率の低い一般競争入札が減少している。総合評価落札方式は、技術力と価格を合わせて評価する方式で、こちらも2年連続で増加している。
上位50社の一件当たりの平均契約額と同社の契約額を比較すると、50社平均が1,050万円(前年同期870万円)であるのに対して、同社の1件当たり契約額は1,690万円(同1,440万円)と圧倒的に契約額が高い。つまり技術力を要する大型案件に関しては、同社が受注する傾向が高いことを表している。
■高度成長下で造られた社会インフラの老朽化が今後急速に進むため、建設需要はますます高まる
今期通期連結業績予想は、売上高355億円(前期比9.2%増)、営業利益12億円(同27.3%増)、経常利益13億円(同20.7%増)、純利益7億円(同27.2%増)と増収2ケタ増益を見込んでいる。
今後の同社の業績を占ううえで建設コンサルタント業界の環境を見ると、今後20年後には、建設後50年以上経過した構造物の割合が、道路の橋65%、トンネル47%、水門などの河川施設62%、港湾施設56%、下水道管渠23%となっている。高度成長下で造られた社会インフラの老朽化が今後急速に進むため、建設需要はますます高まるといえる。
また、契約方式別受注高は、技術力に加え価格で評価される総合評価落札方式が増加している。一方で、競争入札方式の割合は年々減少している。そのため、技術力を持った企業であることが今後も評価されるといえる。
同社の契約方式別平均落札率は、プロポーザル方式99.4%、総合評価落札方式79.6%、価格競争入札方式77.2%となっている。技術力が最も要求されるプロポーザル方式で高い落札率なっていることから、同社の優位性は今後も継続するものといえる。
第2四半期までのトピックスとしては、相談役の石井弓夫氏が「平成24年度土木学会功績賞」を受賞、国土文化研究所オープンセミナーの開催、株式会社設立50周年記念出版として「川を巡る」を出版、社員が編集に携わった「継続は力なり―女性土木技術者のためのキャリアガイド」、「写真で巡る 世界の街並み・世界遺産」の発刊、第25回昭和新山国際雪合戦に協賛・参加、第8回隅田川クリーン大作戦に協賛・参加、第15回広瀬川1万人プロジェクトに協賛・参加、笠松トンボ池の看板リニューアルを通じた地域貢献、株式会社50周年を記念する会社貢献として歌舞伎座への防災用簡易トイレの贈呈等が挙げられる。
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