東京モーターショー関連銘柄特集(1):環境対応技術を世界にアピール!
■大手メーカーのコア戦略はさまざま

 トヨタ自動車<7203>は、水平対向エンジンを搭載したスポーツカーの「FT−86コンセプト」や、レクサスブランドでの2人乗り超高級スポーツカーの「LFA」を公開している。若者層のクルマ離れが指摘される中で「走りの楽しさというクルマのあるべき姿を追求する」として、走行性能を重視したスポーツカーだ。また環境対応車では、フル充電で90キロ以上走行可能な4人乗りEV乗用車「FT−EVII」や、家庭用コンセントで充電できてEVとしても使えるPHV乗用車「プリウス・プラグイン・ハイブリッド・コンセプト」を出展している。HVで先行するトヨタ自動車は、HV専用車として「プリウス」と「レクサスHS250h」に続き、3車種目となる中型セダン「SAI(サイ)」を12月に発売予定で、HVの品揃え拡充を加速している。またEVも2012年頃に米国で発売する模様であり、ハイブリッド技術を核としてフルラインの環境対応車で拡販を目指す戦略だ。

 日産自動車<7201>は、2010年秋に日米欧で発売する5人乗りEV専用乗用車「リーフ」や、前後2人乗りで車体を傾けながら曲がる超小型EV試作車「ランドグライダー」などを出展している。カルロス・ゴーン社長が「ゼロエミッション車の時代が到来した」とコメントするなど、環境対応車ではEVを中心とする戦略だ。2012年以降には小型商用車、高級車などでもEV専用車を順次商品化するとともに、米国でEVとリチウムイオン電池の生産も開始する計画だ。さらに、充電システムの普及促進、リチウムイオン電池の再利用などにも積極的に取り組む方針だ。

 ホンダ<7267>は、四輪車ではスポーツタイプのHV専用車「CR−Zコンセプト」、6人乗りでミニバンタイプのHV試作車「スカイデッキ」、軽自動車よりも小さいEV「EV−N」、二輪車では電動式の「EV−カブ」や「イーブ・ネオ」などを公開している。「環境性能に優れたHVの普及が優先課題」として、HVの品揃え強化を基本戦略としているが、EVについても2010年代前半をめどに米国市場に投入する模様だ。

 三菱自動車<7211>は、EVを世界戦略車とする方針で、今年7月には世界初の量産EV乗用車として「アイ・ミーブ」を発売した。今回は「アイ・ミーブ」の商用車タイプとなる「アイ・ミーブ・カーゴ」や、家庭用電源で充電できるSUV(多目的スポーツ車)タイプのPHV試作車「コンセプト・ピーエックス・ミーブ」を出展している。また「アイ・ミーブ」の輸出を拡大して、2020年には総生産台数の20%をEVやPHVとする方針だ。

●東京モーターショー関連銘柄特集

目 次 記 事
東京モーターショー関連銘柄特集(1) 環境対応技術を世界にアピール!
東京モーターショー関連銘柄特集(2) 燃費性能向上などコア戦略は多彩
東京モーターショー関連銘柄特集(3) 素材・部品メーカーに注目!
東京モーターショー関連銘柄特集(4) リチウムイオン電池分野の主役!
東京モーターショー関連銘柄特集(5) 電池事業拡大へ向かう三洋電機


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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.10.26 |特集