提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.10.26 |特集
東京モーターショー関連銘柄特集(2):燃費性能向上などコア戦略は多彩 |
■環境対応技術を積極的にアピール 富士重工業<7270>は、独自に開発したHV試作車「スバル・ハイブリッド・ツアラー・コンセプト」を出展している。新開発の直噴ターボ式水平対向エンジン、2台のモーターを利用するハイブリッドシステム、リチウムイオン電池を組み合わせて燃費性能を高めた。また、筆頭株主であるトヨタ自動車の協力を受けて、同車をベースとしてHV量産車を開発する方針だ。 スズキ<7269>は、軽自動車「アルト」の新型コンセプトカーや、家庭用電源で充電可能なPHVを出展している。PHVは小型車「スイフト」をベースとし、リチウムイオン電池、駆動用モーター、発電用エンジンを搭載している。HVでは米GMと協力関係にあるが、自主開発による早期の商品化を目指す模様だ。 二輪車メーカーでは、ヤマハ発動機<7272>が電動バイク「EC−03」を出展した。軽量アルミフレームにリチウムイオン電池を採用し、2010年の製品化を視野に入れている模様だ。 HV、PHV、EVが話題になっているが、一方では、エンジンの改良や車体の軽量化などで、既存のガソリンエンジン車の燃費性能を高める動きも続いている。 マツダ<7261>は、コンセプトカー「清(きよら)」を出展した。次世代の直噴ガソリンエンジン「SKY−G」や自動変速機「SKY−Drive」の搭載、車体の軽量化、独自開発のアイドリング停止機能などの技術を組み合わせて、ガソリン1リットル当たりの走行距離が32キロメートルと、ガソリンエンジンでHV並みの燃費性能を実現した。次世代エンジンや次世代自動変速機の導入などで、2015年までに平均燃費を2008年比で30%向上させる目標を掲げており、「清」をベースにした小型車も2010年代半ばまでに発売する模様だ。 また、ダイハツ工業<7262>も、HV並みの燃費性能を実現した軽自動車のコンセプトカー「イース」を出展している。エンジンに排出ガスの再循環システムを採用し、車体の軽量化やアイドリングストップエンジン機構なども組み合わせて、ガソリン1リットル当たり30キロメートルの燃費を確保した。同車をベースにした低価格車を2〜3年以内に発売する模様だ。 さらに「東京モーターショー2009」では、豊田自動織機<6201>がPHVやEV用の通信機能付き充電スタンド、デンソー<6902>がアイドリングストップ装置向けの新型スターターを出展するなど、自動車部品メーカーも、燃費性能向上やHV・PHV・EV関連技術など、環境対応技術を積極的にアピールしている。完成車メーカーだけでなく、素材や部品メーカーの動向も注目されるだろう。 |
●東京モーターショー関連銘柄特集
目 次 | 記 事 |
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東京モーターショー関連銘柄特集(1) | 環境対応技術を世界にアピール! |
東京モーターショー関連銘柄特集(2) | 燃費性能向上などコア戦略は多彩 |
東京モーターショー関連銘柄特集(3) | 素材・部品メーカーに注目! |
東京モーターショー関連銘柄特集(4) | リチウムイオン電池分野の主役! |
東京モーターショー関連銘柄特集(5) | 電池事業拡大へ向かう三洋電機 |
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