提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.10.26 |特集
東京モーターショー関連銘柄特集(3):素材・部品メーカーに注目! |
■株式市場は素材・部品メーカーの株価が動意づく 「東京モーターショー2009」の開幕をきっかけに、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)の関連で、リチウムイオン電池やモーターを手掛ける素材・部品メーカーの株価が動意づいている。 1980年代から「EVの実用化や普及はバッテリーの開発(小型化・軽量化・高性能化)次第」と言われてきたことも考え合わせると、株式市場では完成車メーカーよりも、車載用リチウムイオン電池やモーターなどを手掛ける素材・部品メーカーが注目される可能性が高いだろう。 HV、PHV、EVなどの車載用リチウムイオン電池の分野では、トヨタ自動車<7203>向けを中心に拡販を狙うパナソニック<6752>と三洋電機<6764>、三菱自動車<7211>とホンダ<7267>向けを中心に拡販を狙うジーエス・ユアサコーポレーション<6674>が主役だろう。さらに、日産自動車<7201>との共同出資会社で2010年から量産するNEC<6701>グループ、米GM向けにグループの共同出資会社が量産体制を整えた日立製作所<6501>、日立マクセル<6810>、新神戸電機<6934>などの動向が注目されるだろう。 三菱重工業<7011>は2010年秋に、フォークリフトなどの産業車両用や電力貯蔵用などに、リチウムイオン電池の量産を開始する計画だ。 リチウムイオン電池用の材料(正極材、負極材、セパレーター、電解液)の分野では、携帯電話やパソコンなどモバイル機器向けで旭化成<3407>がセパレーター、田中化学研究所<4080>が正極材、戸田工業<4100>が正極材、宇部興産<4208>が電解液とセパレーター、日立化成工業<4217>が負極材などを手掛け、有力メーカーとされている。また、三菱ケミカルホールディングス<4188>は、傘下の事業会社である三菱化学や三菱樹脂が、正極材、負極材、セパレーター、電解液を手掛けている。 車載用では、上述の有力メーカーが拡販を目指していることに加えて、市場拡大に向けて新規参入も相次いでいる。昭和電工<4004>は三菱自動車のEV乗用車用リチウムイオン電池に負極材が採用され、正極材と電解液にも参入する模様だ。さらに、帝人<3401>はセパレーター、住友化学<4005>は正極材やセパレーター、東ソー<4042>は正極材など、化学・素材セクターの有力メーカーが、市場拡大に向けて車載用リチウムイオン電池材料の拡販を目指している。 モーターの分野では、三菱自動車<7211>のEV乗用車にモーターやインバーターを供給している明電舎<6508>が、当面の主役のようだ。さらに安川電機<6506>も、HVやEV向けにモーターやインバーターの拡販を目指している模様だ。 リチウムイオン電池やモーター関連では今後、市場の拡大が期待される。しかし同時に、高性能化に加えて低価格化もテーマとなるため、競争が激化しそうだ。 さらに中長期的には、電極の正極に使うリチウムの安定調達なども話題になりそうだ。この分野では、三井物産<8031>、住友商事<8053>、三菱商事<8058>など総合商社セクターが注目されるだろう。 |
●東京モーターショー関連銘柄特集
目 次 | 記 事 |
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東京モーターショー関連銘柄特集(1) | 環境対応技術を世界にアピール! |
東京モーターショー関連銘柄特集(2) | 燃費性能向上などコア戦略は多彩 |
東京モーターショー関連銘柄特集(3) | 素材・部品メーカーに注目! |
東京モーターショー関連銘柄特集(4) | リチウムイオン電池分野の主役! |
東京モーターショー関連銘柄特集(5) | 電池事業拡大へ向かう三洋電機 |
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